【クラファン・優待】産官学一体 超小型・高効率廃熱発電システムの馬渕工業所、募集中
廃熱を利用した発電システムを手掛ける株式会社馬渕工業所(仙台市太白区)が、株式投資型クラウドファンディング(新株予約権型)による出資を募集しています。
| ・ | 新株予約権型 |
| ・ | 目標募集額:999万円、上限募集額:9999万円 |
| ・ | 新株予約権者優待あり:全員に案件代理店の権利を提供 |
| ・ | 類似上場企業:グリーンエナジー&カンパニー <1436> [東証G]、海帆 <3133> [東証G]、テクノロジーズ <5248> [東証G]、エヌピーシー <6255> [東証G]、レジル <176A> [東証G] |
「200度未満の廃熱」を発電に利用

(出典:FUNDINNO)
馬渕工業所の小野寿光代表は「熱・水・空気」のエネルギー変換等に関するソリューションの企画・指導に従事。東日本大震災後、地熱・温泉熱・産業系廃熱などを活用した「ORC(有機ランキンサイクル)発電システム」が注目されていますが、2010年ごろより、同システムの開発を始めています。
開発は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の支援の下、国立大学法人東京大学生産技術研究所、宮城県産業技術総合センター、京都大学との産官学一体のチーム体制で行っています。

(出典:FUNDINNO)
同社は、ORC発電システムを開発・製造しています。ランキンサイクルとは、高温の蒸気を用いて部品を回転させることを指し、その回転力で発電をするのが同システムです。これまで利活用されず廃棄されてきた200度未満の廃熱(※1)を無駄なく発電に使用できるため、近年注目を集めているといいます。
従来のORC発電システムは、費用対効果が初期投資や維持費に見合わなかったり、システムの周辺設備が約2倍以上のコストとなったりして、本体価格が高額になるといった課題があり、また、システム自体も大型、複雑で導入に数億円かかることもあるそうです。
同社のシステムは「高効率」「コンパクト」「低コスト」を実現しており、長年の研究によるアイデアや独自技術(特許取得済み)などにより、軽自動車1台分ほどの大きさで従来比約40%の省エネ、最大約10分の1以下のコスト削減に成功しています。
2025年度半ばの市場投入を目指し、2024年末より、デモ機による実証実験に着手。多くの企業が協力しているほか、100社以上が見学しており、今後は数社での実装計画、インドネシア等国外からの引き合いもあるそうです。
(※1)工場の運転過程や温泉などから排出される余分な熱(同社注)

(出典:FUNDINNO)
同社は「成長のための課題」「解決方法」として以下を挙げています。
【成長のための課題】
・現状は自社製造のみで、ニーズ増大に応えるための製造が困難
・製造拡大に合わせた販売体制の確立
・継続購入のための販売後のメンテナンス体制
【解決方法】
・ファブレス製造(製造工場を持たないビジネスモデル)の確立
・販売代理店の獲得
・メンテナンス網を持つ技術系商社などとのアライアンス
電力量換算8900億kWhの熱が活用されず…

(出典:FUNDINNO)
同社によると、廃熱は処理が難しく、特に全廃熱の約70%を占める200度未満の約320万TJ(ジャンクション温度※2)の熱は、電力量に換算すると約8900億kWhで、そのほとんどが活用されず捨てられているそうです。
1世帯当たりの年間電力消費量が約4258kWhであることから、電力量に換算すると約4900万世帯の年間電力量に相当し、「熱そのものとして使った場合には、日本の全世帯約5600万世帯が12年間毎日、お風呂を沸かすことができる計算になります」(同社)。
この膨大なエネルギー源の利活用は大きなビジネスチャンスとなるため、同社は、2023年に国が定めたGX推進法の流れに呼応し、ORC発電システムの研究開発を加速させてきました。
先行の同システムは費用対効果の問題から市場開拓が進まず、ほとんどが撤退済み。また、類似技術によるバイナリー発電機(※3)も、小規模なものは発電効率に課題があり、大規模なものは大量の温水が必要で導入可能な事業者が限られるため、工場に導入しづらいという課題があるそうです。
同社は、これらの課題解決に向けて、「少ない熱エネルギーでも発電ができるよう『高効率』であること」「各地に散在する小規模な工場でも導入しやすい『コンパクト』かつ『低コスト』であること」が求められると考えています。
「弊社は、特許取得済みを含む独自技術による高効率化と、本当に必要な部品だけに絞った機械構造の最適化による低コスト・コンパクト化により、市場のニーズを満たすシステムを実現したいと考えています」(同社)
(※2)半導体デバイスにおけるPN接合部の温度(同社注)
(※3)加熱源により、沸点の低い媒体を加熱・蒸発させて、その蒸気でタービンを回す方式。 加熱源系統と媒体系統の2つの熱サイクルを利用して発電するため、バイナリーサイクル発電と呼ばれており、主に地熱発電などで利用されている(同)

(出典:FUNDINNO)
ORCは、主に以下の4つの部品で構成されているといいます。
・100度未満の温度で液体から蒸気をつくる「蒸発器」
・蒸気熱エネルギーを回転力に変換する「膨張機」
・発電に使用した蒸気を冷却し、液体に戻す「凝縮器(冷却器)」
・液体を再び蒸発器に送る「循環送液ポンプ」
特に、熱エネルギーを効率よく発電機に伝える重要な部品が「膨張機」だといい、同社では「世界最高水準の性能」を発揮できるとしています。
同社の膨張機では、2つの渦巻き状の部品を逆方向に組み合わせた「非対称型スクロール」を採用することで、従来の膨張機から発電効率が大きく向上したそうです。
「これは、東京大学生産技術研究所の先生方のこれまでの研究と知見に基づいたアイデアで、チームによる共同研究の成果と言えます」(同社)
膨張機で発電機を回転させると、熱は回転力に変換。この回転力をいかに無駄なく使用できるかで発電効率が決まりますが、一般的な発電では、一部の回転力を無駄にしてしまうそうです。
「弊社は『トルク制御』という独自技術で回転力を精密に制御・調整することで、最大限無駄なく電力変換しています。200度未満の限られた熱エネルギーで効率よく発電するために必要不可欠な技術です」(同社)
市場の魅力・事業内容・ビジネスモデル・特徴

(出典:FUNDINNO)
同社によると、200度未満の総廃熱の2%(約6.4万TJ)が活用されるとすると、同社の試作機は1台で約2.4TJの廃熱を活用できるため、約2万6700台分に相当。1台約1200万円換算で約3200億円の市場規模となるそうです。
「既に撤退済みですが、過去にORC発電システムに取り組んだ事業者が複数存在したことからニーズがあるのは確かで、ブルーオーシャンであると考えています」(同社)
海外でも、省エネ目的で積極的に廃熱回収の取り組みが行われており、脱炭素・エネルギー問題解決に貢献できる可能性があるため、海外市場への展開も視野に入れることができるとしています。

(出典:FUNDINNO)
同社のORC発電システムは「非対称スクロール型膨張機」「トルク制御」の技術により、産業廃棄物として捨てられていた廃熱を利活用するものです。
約2年半、検証を重ねて、シンプルさを追求し、徹底的に無駄を省いた設計と理論に基づいた内部構造の最適化により、コストダウンに成功。本当に必要な部品だけに絞ることでコンパクトさを実現し、スペースの限られた工場内でも導入しやすいそうです。
同社のシステムは「廃熱エンジンユニット」「蓄電・制御ユニット」からなり、発電した電力のリチウムイオンバッテリーへの蓄電や電力供給により、場内や他の機械での電力使用などが可能です。
「『工場廃熱を利用して発電し、事務所の電力を自前で賄う』『貯めておいた電力を非常時に利用する』などのユースケースや、蓄電池をドローン業者などの他社へ販売し、事業化することなども考えられます」(同社)

(出典:FUNDINNO)
「廃熱エンジンユニット+蓄電・制御ユニット」セットで約1200万円を予定。数千万~数億円の従来製品よりも低価格で導入可能な強みを生かして、売り切りの販売形態のほか、リースにも対応するといいます。
システム本体のほか、蓄電用リチウムイオンバッテリーも販売しており、消耗品の継続購入による収益も見込んでいます。
同社は開発をメインで担い、販売は代理店と連携して行う計画。販売先としては、各種工場を保有する企業、熱処理製造メーカー(焼却炉等)、保冷装置を所有する流通業者、温泉施設、行政機関や自治体などを想定しています。

(出典:FUNDINNO)
同社は、管工事業と省エネルギー技術との親和性の高さに着目し、業界内における差別化を図るため、いち早く廃熱活用研究に着手。バイナリー発電機メーカーとの共同研究を通じて蓄積した発電技術のノウハウは、「非対称スクロール型膨張機」「トルク制御」技術と合わせて、大きな優位性になると考えています。
また、同社の事業は2020年度の「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」採択や「中小・スタートアップ賞」受賞などを通じて、開発資金の助成やネットワーク・ノウハウの提供など幅広い支援を受けています。
今後の成長に向けて
(1)将来的なExitはIPOを計画

(出典:FUNDINNO)

(出典:FUNDINNO)
(2)短期計画
現在、開発段階は社会実装フェーズまで進んでおり、複数箇所での実証実験を経て、2025年半ばに市場に投入予定です。初期ロットでは、大手化学系工場などを対象に、見込みを含めて15台を納入するといいます。
納入後は導入先の工場を担当する設備会社へのノウハウ提供を検討。「これにより、設備会社が弊社システムを商材として扱うことが可能となり、他の工場へ代理店として提案してもらうことでさらなる販路拡大が期待できます」(同社)。
(3)中長期計画
インドネシアなど東南アジアを足がかりに海外展開も想定。「トルク制御」技術の国際特許も出願中です。
同国では、小松製作所 <6301> [東証P]現地法人に協力する形でGHG(温室効果ガス)削減の取り組みをサポートしており、自社のORC発電システムの対象となる廃熱を有する工場を紹介してもらう話も進んでいます。
「工場廃熱以外にも、農場で廃棄予定のもみ殻を燃やしたバイオマス熱源での発電やその電気の農業用ドローンへの活用など、さまざまな形の展開が考えられます。成功を基に新しい提案も行い、活用の幅を広げていきたいと考えています」(同社)
類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)
・グリーンエナジー&カンパニー <1436> [東証G]
・海帆 <3133> [東証G]
・テクノロジーズ <5248> [東証G]
・エヌ・ピー・シー <6255> [東証G]
・レジル <176A> [東証G]
新株予約権者優待
【基準日】
毎年5月末日
【優待内容】
全新株予約権者対象。紹介案件が成約し、売上が発生した場合、売上金額の1%をバックする。
【申し込み方法】
・基準日経過後、同社お問い合わせフォームから連絡する。
・営業担当による商談の結果、成約した場合は、成約月の翌月末日に指定の口座へ紹介報酬を振り込む。
【注意事項】
・1人何回でも利用できる。
・本優待は副業に該当する。
・優待内容は変更や廃止になる場合がある。
発行者・募集情報
■募集新株予約権の発行者の商号及び住所、資本金等
株式会社馬渕工業所
仙台市太白区郡山四丁目10番2号
資本金:100,000,000円(2025年1月27日現在)
発行済株式総数:10,000株(同)
発行可能株式総数:10,000株
設立日:1966年5月14日
決算日:6月30日
※2025年4月25日を効力発生日として、発行可能株式総数の変更を株主総会にて決議しており、登記申請準備中。登記完了後の発行可能株式総数は1,000,000株となる。
■本新株予約権の発行者の代表者
代表取締役 小野寿光
■本新株予約権の数(以下の個数を上限とする)
9,999個
■本新株予約権の払込金額
1個当たり 10,000円
■投資金額のコース及び個数
90,000円コース(9個)
180,000円コース(18個)
270,000円コース(27個)
360,000円コース(36個)
450,000円コース(45個)
900,000円コース(90個)
1,800,000円コース(180個)
2,700,000円コース(270個)
3,600,000円コース(360個)
4,500,000円コース(450個)
9,990,000円コース(999個)
※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、450,000円コース(45個)までしか申し込みできない。特定投資家口座からの申し込みの場合、9,990,000円コース(999個)を上限とする。
■申込期間
2025年3月31日~4月18日
■目標募集額
9,990,000円(上限募集額 99,990,000円)
※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は79,920,000円とする。
■払込期日
2025年5月15日
■資金使途
・目標募集額達成時の資金使途内訳
調達額999万円を以下の目的に充てる予定。
人件費 280万円
原材料費 250万円
研究開発費 249万円
手数料 219万円
・上限募集額達成時の資金使途内訳
上記に追加し、調達額9,000万円(目標募集額999万円と上限募集額9,999万円との差額)を以下の目的に充てる予定。
人件費 1,755万円
原材料費 1,755万円
研究開発費 3,510万円
手数料 1,980万円
■連絡先
株式会社馬渕工業所
電話番号:080-3578-5099
メールアドレス:koubo@mabuchi-engineering.com
※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。
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