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ダイト:NEUTRAL継続【今村証券アナリストレポート】

材料
2025年7月28日 14時40分

担当 織田 真由美

●ダイト <4577> [東証P]
レーティング:NEUTRAL(2025/1/21)→ NEUTRAL

◆医薬品の原薬や製剤の製造販売
◆需要堅調ながら、固定費増加・原材料コスト上昇が重荷
◆効率化を図り、4期ぶり増益見通し

【タイトル】(注)2022年5月期については「収益認識に関する会計基準」等を適用したため、売上高は対前期増減率を記載していない。
2023年9月1日付で普通株式1株につき1.1株の割合、2025年6月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っており、2022年5月期の期首に当該株式分割が行われたと仮定してEPS、BPS及び配当金を表記。

出所:ダイト、ブルームバーグ、今村証券

◆会社概要…医薬品の原薬や製剤の製造販売

原薬から製剤までの一貫製造ができることが強みで、後発医薬品(ジェネリック医薬品。以下「GE」。)向けが大半。GEのみならず新薬や長期収載品の受託製造、一般用医薬品(OTC)の製造まで幅広く生産し、国内製薬会社の9割と取引があることも特長。

◆業績…増収続くがコスト増加が重荷

2025年5月期連結業績は原薬、製剤ともに需要が堅調な中、特に第十製剤棟の商用生産が開始されたことで製剤が拡大し、売上高は初めて500億円台となった。

一方、利益については増産投資に係るコスト増加や円安による原材料費の増加、棚卸品評価の影響などから粗利益率が低下(資料1参照)、営業利益は3割超の減益だ。

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GEの市場拡大とともに成長してきた同社だが、増産投資に係る減価償却費や労務費の増加、研究開発費の増加が利益を圧迫している。ROEも低下傾向だ(資料2、資料3参照)。

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◆産業構造改革とダイトの取り組み

他方、GEの供給不足が長期化する中で、業界の課題が顕在化した。厚生労働省では2023年から「後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会」が開催され、その報告書には「ビジネスモデルを転換し、シェアの拡大や品目数の適正化により生産効率や収益性を向上させていくためには、ある程度大規模での生産・品質管理体制の構築も有効な選択肢。企業間の連携・協力や役割分担、コンソーシアムや企業統合などを検討すべき」と記載された(2024年5月)。安定供給を目指し、官民挙げての業界再編の機運が高まっている。

こうした中でダイトは今年6月に明治ホールディングス <2269> [東証P]傘下のMeiji Seikaファルマが提唱するコンソーシアム構想に参画した。「新・コンソーシアム構想」と銘打った構想には7月に新たに4社が加わり、品目単位での製造所集約に取り組むとする。さらに複数の企業が参画を検討している様子で、取り組みが進めば生産性向上、利益率改善につながることが期待される。

◆中期経営計画を修正

今期業績は4期ぶりの最終増益見通し。昨年策定した中期経営計画「DTP2027」のもと、在庫管理の徹底やポートフォリオマネジメントによる開発の効率化が進められているうえ、「新・コンソーシアム構想」内外で品目統合等を進め、「少量多品種構造」からの脱却と利益率向上を目論む。

ただ、選定療養による影響が想定を下回っていることや、中国における上市の遅れなどを受けて、中期経営計画は見直された。最終年度(2027年5月期)の売上高は570億円から560億円に10億円減額され、EBITDA(営業利益+減価償却費)は110億円から100億円に減額された。EBITDAの減額に伴いROEの目標値も8.0%から7.0~8.0%に修正される中、投資評価委員会を設置、投資に関する妥当性や採算性を合理的に判断・評価し、企業価値向上に取り組む。

一方、株主還元は強化された。「DOE2%以上」とした配当方針に加えて累進配当を導入、さらに株主優待制度も導入した。

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◆投資判断

中期経営計画が進展すれば最高益更新が視野に入るものの、足元の利益率は中期経営計画の想定を下回っている。株価上昇には収益性改善が必要と考えることから、利益率の改善を見極めたく、投資判断は「NEUTRAL」を継続する。

【レーティングの定義】
OUTPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超上回ると予想される。
NEUTRAL:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンの+10%と-10%の間に入ると予想される。
UNDERPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超下回ると予想される。
トータルリターン:株価変動率+配当利回り
目標株価は12カ月間の投資を想定しており、将来発行されるレポートで修正されることもあります。

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今村証券株式会社

金融商品取引業者 北陸財務局長(金商) 第3号

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今村証券より提供されたレポートを掲載しています。

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