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「午(うま)尻下がり」と景気循環の波から見た2026年の位置づけ【フィリップ証券】

市況
2026年1月7日 16時15分

午年である2026年は、十二支にちなんだ相場の格言で「辰巳(たつみ)天井、午(うま)尻下がり」とあり、午年は辰年と巳年の上昇後に反落しやすい年とされる。一方で、10年周期の十干では、「丙(火の兄・ひのえ)」で強い火の性質を持ち、「情熱」や「活動性」を象徴する。「丙午(ひのえうま)」となるのは60年ぶりであり、前回の1966年は、1964年の東京オリンピック後の投資ブームが続く中、前年(1965年)に「証券不況」(昭和40年不況)に見舞われて一時的な調整局面となったものの、1966年は回復が進んで日本経済は堅調に推移した。

経済は一般に「好況→後退→不況→回復」という4つの局面を繰り返しながら成長していくものとされる。景気循環の波として一般に知られているのは、①企業の在庫(商品や原材料)の増減を主な要因とする「キチンの波」の平均で約40ヵ月のサイクル、②企業の設備投資の変動に起因する「ジュグラーの波」の約10年サイクル、③住宅や商業施設などの建設投資に起因する「クズネッツの波」の約20年サイクル、④画期的な技術革新・イノベーションに起因する「コンドラチェフの波」の約50年サイクルの4つの波である。

景気循環の波から2026年を位置付けると、まず、キチンの波から見ると、現在のサイクルは対話型生成AI(人工知能)である「ChatGPT」が登場した2022年11月近辺を底として始まったと見る向きが多い。3年を経過して2026年には下降局面に入る可能性が高い。暗号資産のビットコイン相場における約4年ごとの報酬半減期に伴う価格変動のサイクルと同調しやすくなっている点も要注意だろう。

次に、ジュグラーの波の観点から見ると、現在のサイクルにおける起点は新型コロナ禍による景気後退の底の局面と見るのが妥当だろう。2026年はサイクルの中盤~後半と位置付けることができる。2025年10月以降、AI(人工知能)インフラの過剰投資が話題となり始めたのは設備投資に伴う景気サイクルがピークから転換点を超えつつある兆しと見る余地がある。キチンとジュグラーの波から見ると、2026年の株式相場が「午尻下がり」として年前半から年後半にかけて勢いが弱まる可能性がある。

なお、クズネッツの波から現在のサイクルを見た場合、2010年頃がその起点と考えられる。理由は、2000年代中盤の米サブプライム危機に伴う住宅バブルの崩壊から建設投資が急減し、リーマンショック後の低金利政策に伴い建設需要が回復し始めた時期だからだ。2026年はサイクル中盤から後半の上昇局面と考えられるが、高金利環境や供給制約でピークが近づきつつある局面とみることができる。

年明け後1/6~1/9まで、米ラスベガスで世界最大級のテクノロジー見本市「CES 2026」が開催される。AI、ロボティクスをはじめ、あらゆる産業の最先端技術が集結する。出展予定企業に要注目だ。

■TOPIX33業種・四半期ごと騰落率~非鉄金属・エネルギーの強さが継続

TOPIX(東証株価指数)33業種別指数(終値)について9月末から12/24までの騰落率を見ると、上位5業種はそれぞれ7-9月期の騰落率も上位だった。下位業種も同様に7-9月期の騰落率で下位のものが多く、10月以降の日本株市場は概ね7-9月期の地合いを引き継いだ。7-9月の勢い(モメンタム)に乗った投資戦略が成果を上げやすかったと言えるだろう。

一方、いったん大きく振れた相場が平均値へ戻ろうとする「平均回帰性」(ミーンリバージョン)を想定した逆張り投資は成果を上げにくかったと考えられる。それでも、7-9月期の騰落率が相対的に劣っていた医薬品のように、10月以降の騰落率が改善したものもある。小売も同様に10月以降の騰落率が改善している。今後の動向に引き続き要注目だろう。

【タイトル】

参考銘柄

フューチャー<4722>

・1989年設立。業務システムを中心として顧客企業のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を主に手がける。ITコンサルティング&サービス事業およびビジネスイノベーション事業を展開する。

・10/22発表の2025/12期9M(1-9月)は、売上高が前年同期比6.5%増の552億円、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却費)が同5.1%増の141億円。ITコンサルティング&サービス事業(売上比率89%)は、地域金融機関向け案件の堅調な推移もあり、売上高が10%増、営業利益が7%増。

・通期会社計画は、売上高が前期比8.8%増の760億円、EBITDAが同10.2%増の192.1億円、年間配当が同4円増配の46円。12/25、SBIホールディングス<8473>が提携先の地方銀行に持分法適用を視野に入れたグループ入りを打診したと報じられた。出資比率引き上げ、役員派遣のほか、フューチャー傘下企業と共同開発したクラウド上で運用する勘定系システムの導入をその条件としている。

東邦チタニウム<5727>

・1948年に創業後、1953年に金属チタンの製造・販売を開始。JX金属<5016>が50%超の株式を保有。主力の金属チタン事業(航空機および一般産業用途)に加え、触媒事業、化学品事業を営む。

・11/7発表の2026/3期1H(4-9月)は、売上高が前年同期比6.2%減の410億円、営業利益が同49.5%減の13億円。セグメント別営業利益(本社費用調整前)は、金属チタン事業(売上比率66%)がスポンジチタンの販売減が響き52%減の16億円、触媒事業(同15%)が39%増の13億円だった。

・通期会社計画を下方修正。売上高を前期比8.6%減の813億円(従来計画923億円)、営業利益を同39.8%減の40億円(同43億円)とした。年間配当は横ばいの18円で従来計画を据え置いた。JX金属が同社との資本関係を見直す必要性を認識している旨を公表したほか、銀や白金、銅市況が軒並み高騰する中、民間航空機や軍需向け需要増が見込まれるチタン市況にも注目が集まっている。

象印マホービン<7965>

・1948年に協和製作所として設立。調理家電大手として主力の炊飯ジャーや電気ポットのほか、リビング製品などを手がける。炊飯ジャー「炎舞炊き」で炊いたごはんを提供する「象印食堂」を展開。

・12/25発表の2025/11通期は、売上高が前年同期比4.5%増の911億円、営業利益が同24.9%増の74億円。主な製品別売上高は調理家電が5%増の643億円、リビングが9.4%減の164億円、生活家電が37%増の76億円。輸入コストの価格転嫁や国内の高単価商品の販売増が営業増益に寄与。

・2026/11通期会社計画は、売上高が前期比1.5%増の925億円、営業利益が同11.2%減の66億円、特別配当を除く年間普通配当が同6円増配の46円。同社は2028/11期までの中期経営計画で「象印食堂」等の店舗を10店舗に倍増させ、弁当、おにぎりと合わせた3ブランド複数店舗展開で「炎舞炊き」の認知度向上を狙う。物価上昇が進めば自宅の「美味しいご飯」への需要増が見込まれる。

学研ホールディングス<9470>

・1947年設立。教室・塾事業、出版コンテンツ事業、園・学校事業を含む「教育分野」、高齢者住宅事業、認知症グループホーム事業、子育て支援事業から構成される「医療福祉分野」を主に営む。

・11/7発表の2025/9通期は、売上高が前期比7.3%増の1991億円、営業利益が同19.7%増の82億円。セグメント別営業利益(本社費用調整前)は、教育分野(売上比率48%)が20%増の49.5億円、医療福祉分野(同48%)が2%増の42.7億円。両分野ともに価格改定効果が増収・増益に寄与した。

・2026/9通期会社計画は、売上高が前期比3.0%増の2050億円、営業利益が同3.2%増の85億円、年間配当が同3円増配の29円。同社は2025年9月、日本生命保険から2%の出資を受け入れ、資本業務提携を結んだ。日本生命は訪問介護や老人ホーム運営のニチイホールディングスを傘下に持つことから介護用品流通を共同で手がけてコスト削減を図るほか、教育事業での連携も進める方針。

※執筆日 2025年12月26日

フィリップ証券
フィリップ証券 リサーチ部 笹木和弘
(公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト)

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