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マーケット&北陸経済動向(04/01)【今村証券アナリストレポート】

市況
2026年4月1日 16時22分

(1)マーケット動向

2月28日、米国・イスラエルとイランの戦闘が始まった。昨年6月のイスラエルとイランの衝突が12日間で収束したのに対し、今回は1カ月が経っても攻撃の応酬が続く。ルビオ米国務長官が3月27日に戦闘は「2~4週間続く」と発言したと報じられており、停戦の目途は4月半ば~下旬となる。

今回の戦闘による重大な懸案が、ホルムズ海峡の封鎖だ。ホルムズ海峡は世界の原油とLNG(液化天然ガス)の約2割が、特に日本が輸入する原油の8~9割が通過する石油輸送の要衝だが、これが機能しなくなった。ホルムズ海峡周辺にある多くのエネルギー施設が攻撃を受け、復旧には年単位の時間を要するとも伝えられた。これを背景に、国際原油指標のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)は一時1バレル=119ドル台へ急騰し、ロシアによるウクライナ侵攻開始後の2022年6月以来の高値を付けた。国際エネルギー機関(IEA)の加盟国が過去最大規模の石油備蓄の協調放出を始めたものの、WTIは足元でも100ドルを超え、戦闘開始前(60ドル台)から大きく水準を切り上げている。世界の肥料の約1/3もホルムズ海峡を通るため、食料の供給・価格にとっても悪材料である。

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世界経済においては、物価高と景気悪化が同時に進む「スタグフレーション」が起こる懸念が高まった。国際通貨基金(IMF)は、エネルギー価格が10%上昇すると、世界のインフレ率が0.4ポイント押し上げられ、成長率は0.1~0.2ポイント押し下げられるとする。経済協力開発機構(OECD)が3月26日に公表した2026年成長率見通しは2.9%と前回(昨年12月)から据え置かれたものの、2026年半ば以降エネルギーや肥料の価格が下落するとの前提に基づいている。イラン情勢次第では世界経済の下振れは避けられない。また内閣府は、輸入資源価格が50%上昇した場合、日本経済にとって9兆円程度(国内総生産(GDP)比1.4%程度)のコスト増加になるとの試算を公表した。10%程度の増益が見込まれていた国内上場企業の2026年度業績にも逆風が吹く。

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金融政策の見通しも変化してきた。米連邦準備制度理事会(FRB)は年内1回の利下げシナリオを維持した一方で、物価が高止まりするようなら利下げを見送る姿勢を示し、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は緩やかな金融引き締めが必要になる可能性を示唆した。1~2月のインフレ率鈍化を受けて後退していた日銀による利上げ観測も再び高まってきた。

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金融市場では、「TACO(Trump Always Chickens Out=トランプ米大統領はいつもビビッて退く)」の期待が不発に終わり、リスク回避の動きが強まっていった。日本は株・債券・通貨のすべてが売られる「トリプル安」に見舞われた。日経平均株価は2月末に5万8850円の最高値を付け、高市首相が推進する成長戦略への期待を映して年初から大きく上昇していただけに、米欧株に比べて下げが大きくなった。3月下旬には5万円に接近する場面があり、今年の上げ幅をほぼ帳消しにした。日本の国債利回りは上昇(価格は下落)し、10年債は27年ぶりの高水準、5年債は過去最高水準、2年債は31年ぶりの高水準を付けた。為替相場は「有事のドル買い」の様相を呈し、円相場は一時1ドル=160円台に乗せ、米当局がレートチェック(為替介入の前段階となる取引状況照会)を実施した1月23日を上回り、日本政府・日銀が為替介入した2024年以来の円安水準となった。

イラン情勢の好転が確認できるまでは、投資家のリスク回避姿勢が続きそうだ。

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(2)北陸経済動向

北陸経済には持ち直しの動きがみられる。企業の設備投資や個人消費が堅調なことに加え、弱含みが続いていた生産に持ち直しの動きが出てきた。

中部経済産業局が発表した1月の経済指標を中心とした北陸地域の総合経済動向では、総括判断が「持ち直しの動きに弱さがみられる」から「持ち直しの動きがみられる」に引き上げられた。上方修正は2024年6月発表以来21カ月ぶりだ。

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主因は生産の判断の引き上げだ。後発医薬品を中心に医薬品の需要が好調なことや、建築用金属製品などが増加し、電子部品・デバイス工業では海外向け自動車部品などの一部に回復の動きがみられる。1月の鉱工業生産指数(速報値、季節調整済)は前月比で8.9%増と2カ月連続で上昇、前年同月比でも3.0%増と2カ月連続で前年を上回った。

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個人消費も堅調だ。1月の商業動態統計小売6業態販売額(全店ベース)が前年同月比3.2%増と47カ月連続で前年を上回った。ドラッグストアの新規出店効果等に加え、降雪の影響で除雪用品や暖房用品などが好調だった。消費の判断は「緩やかに改善している」に据え置かれている。

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ただ、足元では中東情勢の緊迫化による影響が懸念される。エネルギー価格の高騰やガソリン価格の上昇などが企業業績や個人消費に及ぼす影響に注意が必要だ。

(参照:日銀金沢支店発表資料「北陸の金融経済月報」、「北陸短観」、国土交通省発表資料、経済産業省及び経済産業省中部経済産業局発表資料、財務省北陸財務局発表資料、内閣府発表資料より今村証券作成)

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