CKサンエツ:NEUTRAL継続【今村証券アナリストレポート】
●CKサンエツ<5757>[東証P]
レーティング: NEUTRAL(2022/1/13)→ NEUTRAL
◆黄銅棒・黄銅線で国内首位
◆M&Aによる規模拡大で収益力アップ
◆銅価格の変動がリスク

◆会社概要…黄銅棒・黄銅線で国内首位
黄銅棒・黄銅線で国内シェアトップ。黄銅棒・黄銅線は住宅・設備、電気・電子機器、自動車、宇宙航空などあらゆる分野で使用される。同社は黄銅棒・黄銅線を素材として供給するほか、鍛造や切削などの加工を施した配管機器や精密部品も供給する。精密部品事業の主力製品であるカメラのレンズ着脱マウント部品は世界の黄銅製マウントの80%のシェアを誇る。

◆業績…銅市況が影響
2026年3月期連結決算は売上高と営業利益が過去最高となった。2025年4月に三谷伸銅株式会社を子会社化したことで伸銅販売量が増加したことに加え(資料1参照)、銅の相場が上昇したことが要因だ(資料2参照)。電気銅の建値は年度平均で1トンあたり170万円程度と前の期から約15%上昇し、売上高を押し上げた。

利益については、銅の価格が期初想定(144万円)から大幅に上昇したことで相場差益が発生、営業利益は前の期に比べて38.0%増益の141億6100万円と、期初の想定(73億円)を大きく上振れる結果となった。
一方、経常利益についてはデリバティブに係る損失計上で大幅な減益となった。会社は相場変動リスクを抑制するためにデリバティブ取引を行っているが、今回は銅の建値が2026年1月に一時219万円まで上昇するなど、銅価格が大きく動いたことでデリバティブ損失89億3600万円、デリバティブ評価損2億5100万円を計上した。経常利益は期初の計画(75億円)から下振れる結果となり、前の期に比べて3割超の減益だ(資料3参照)。


◆成長戦略
国内の伸銅品市場の減少が続く中、同社はM&A(合併・買収)によってシェアを拡大してきた(資料1参照)。前期は三谷伸銅株式会社を子会社化したことで販売量が増加、黄銅棒と黄銅線を合わせたシェアは6割程度に高まった。シェア拡大、事業規模拡大により収益力は向上し、利益水準は変動しつつも拡大傾向にある。今後も同業や川下に位置する部品メーカーなどを対象にM&Aを推進し、事業規模拡大を図る方針だ。
新製品開発にも注力している。新素材の開発や環境対応製品の開発などでリーディングカンパニーとしての差別優位化を進める。環境負荷物質を一切使用しない溶融亜鉛鍍金を世界で初めて実用化したほか、カドミウムレスかつ鉛レスの新合金「BZシリーズ」の開発にも成功し、拡販を図っている。「良いものだけを、安く、早く、たくさん生産することで、社会に貢献」と掲げる経営理念を実践する。
◆業績予想と投資判断
業績は銅の市況に影響されやすい。殊に売上高と営業利益は大きく変動する。そのため会社は経営状況を判断するための指標として経常利益を重視し、デリバティブ取引を活用して経常利益段階での利益安定化を図っている。市況が大きく動いたときなどに短期的に利益変動が大きくなることはあるが、総じてならしてみれば経常利益は緩やかな拡大傾向といえよう。
今期業績は2期ぶりの経常増益見通し。前提とする電気銅の価格水準は211万円/トンで、デリバティブ損失の計上を想定しないことで経常利益は100億円予想と4年ぶりの最高益更新を見込む。

なお、この度会社は配当方針を変更し、「累進配当」方針を採用した。すでに2009年3月期から18期連続で配当を維持または増加させてきたが、この方針を明確化した形だ。
投資判断は「NEUTRAL」。業界のリーディングカンパニーとしての魅力はある一方、銅の価格変動には注意が必要だ。
| 【レーティングの定義】 OUTPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超上回ると予想される。 NEUTRAL:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンの+10%と-10%の間に入ると予想される。 UNDERPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超下回ると予想される。 トータルリターン:株価変動率+配当利回り 目標株価は12カ月間の投資を想定しており、将来発行されるレポートで修正されることもあります。 |
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株探ニュース