北陸電気工業:NEUTRAL継続【今村証券アナリストレポート】
●北陸電気工業<6989>[東証S]
レーティング: NEUTRAL(2025/11/26)→ NEUTRAL
◆自動車向けが売上の7割近くを占める電子部品メーカー
◆フェローテックが発行済み株式の12%弱保有
◆株主還元:純資産配当率(DOE)3.0%以上、配当性向35%メド

◆会社概要…自動車向けが主体の電子部品メーカー
モジュールや抵抗器が主力の電子部品メーカーで、売上の7割程度を自動車産業向け(モビリティ)が占める。エアコンなどに搭載される湿度センサ(湿度を感知して送風などの空気調節に利用される)や、ガスメーターに搭載される圧力センサ(ガス漏れなどの異常を感知する)などにも強みを持つ。
モビリティへのシフトによる事業ポートフォリオの変革によって収益の安定化が図られてきている。
◆業績…EV失速影響するも製品構成変化で増益
2026年3月期連結業績は売上高がほぼ横ばいながら、営業利益は前の期に比べて11.1%の減益の23.1億円(売上高営業利益率5.4%)となった。資材価格の高騰によって粗利益率が低下したことが減益の主要因だ。殊に下期にその影響が顕著となり、上期に20.6%だった粗利益率は下期に18.9%に低下し(資料1参照)、売上高営業利益率も上期の6.4%から下期には4.4%に低下した。下期の営業利益は9.9億円と前年同期に比べて26.6%減益となり、上期(営業利益13.1億円(前年同期比5.7%増))から急減速した印象だ。なお、経常利益(通期)については2.7億円の為替差益計上によって前の期に比べて3.7%減益の27.4億円と、減益幅が営業利益よりも縮小された。

需要は横ばいで推移する。産業機器や家電機器向けが低迷するものの、モビリティにおいて新市場・新顧客向けが伸びているほか、情報・通信機器においてデータセンター向け蓄電池システム用部品の需要が伸びている。データセンター向け部品の売上規模は大きくはないものの、需要は堅調な様子で、今後も業績を下支えしそうだ。
今期業績はモビリティにおいて新市場・新顧客向けがが見込めることで前期に比べて9%増収を想定する一方、営業利益は2期連続の減益見通しだ。引き続き資材価格高騰の影響が業績に影を落とす。会社は価格交渉を進め利益率改善を図るものの、価格転嫁が進むのは下期と見られる。加えて労務費や減価償却費などのコスト増加や、品種構成による影響が利益を圧迫する。
とはいえ、会社の想定はやや慎重な印象がある。今村証券では前期第4四半期並みの粗利益率(17.8%)が今期第3四半期まで続き、第4四半期にやや改善すると想定することで、通期の営業利益を20億円(売上高営業利益率4.3%)と、会社予想から2億円程度上振れると予想する。今村証券予想並みに業績が上振れれば、会社が掲げる「純資産配当率(DOE)3%以上」をもとにすれば、年間配当金は100円程度に引き上げられる可能性がある。
来期は「中期経営計画2027」の最終年度だ。掲げる目標は「売上高480億円、営業利益34億円、営業利益率7.0%、ROE10.0%」(資料2参照)。売上高達成の確度は高まっているが、利益などの目標達成には大幅な利益率改善が必要だ。今村証券では前期並みの営業利益率(5.4%)へ利益率が改善することで、営業利益は今村証券による今期予想に比べて3割増益の26億円を予想する。この場合、純利益は18億円、EPS230円、年間配当金102円を予想する。

ただ、中東情勢の影響は不透明だ。業績予想は今年3月時点の資材価格水準を前提としているが、不透明な要素が多いことから業績予想には織り込んでいない。中東情勢次第では業績下方修正のリスクがあり、注意が必要だ。
◆大株主フェローテックの存在
2025年5月に北陸電気工業株式の大量保有を発表したフェローテック <6890> [東証S]の保有比率は、足元では発行済み株式総数の11.83%まで上昇した(2026年3月16日現在)。その保有目的は「取引関係強化を目的とした政策投資(状況に応じて重要提案行為等を行うこともありうる。)」。双方で話し合いは進められているようだが、具体的な進展はみられていない様子だ。
◆投資判断
株価は決算発表後に売りに押されている。業績面からみた株価のバリュエーションは妥当な水準にあると考えることから投資判断は「NEUTRAL」を継続する。
| 【レーティングの定義】 OUTPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超上回ると予想される。 NEUTRAL:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンの+10%と-10%の間に入ると予想される。 UNDERPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超下回ると予想される。 トータルリターン:株価変動率+配当利回り 目標株価は12カ月間の投資を想定しており、将来発行されるレポートで修正されることもあります。 |
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今村証券より提供されたレポートを掲載しています。
株探ニュース