横山利香“ピコ流” テーマ&チャートで狙う高成長株 <新春特別企画>

特集
2018年1月1日 10時00分

長期低迷を脱し、26年ぶりの高値水準を回復した東京市場。急騰をみせる銘柄が相次ぐ一方、銘柄選択に迷い上昇相場に乗り遅れたままの個人投資家も多い。投資家の期待が膨らむ2018年相場を迎えるにあたり、ファイナンシャルプランナー、テクニカルアナリストとして活躍する横山利香さんに、テーマとチャートの二つの切り口から有望成長株を探し出す秘訣を解説いただく。

●“AI元年”到来、有望な関連テーマ株は?

「OK Google」――最近、巷でよく見聞きする「AIスピーカー」は、対話型形式でさまざまな調べ物やサービスなどが利用できます。iOSなどの秘書機能アプリ「Siri(シリ)」が少し前に若い人達の間で流行っていましたが、AI(人工知能)が生活の一部になっていくことは逆らえない時代の流れなのでしょう。

所かまわず歩きながら音声入力を使いこなす姿を見ると、スマートフォンやタブレット端末が登場した時に入力方法が親指連打からフリック入力へと変わったように、いよいよ指さえ不要の時代がやってきたことを実感させられます。AIの利用ではプライバシーの問題なども叫ばれていますが、老若男女が幅広く、平等に最新技術を使える環境が整ったことで、2018年こそがAI元年と呼ばれるにふさわしい年となるかもしれません。

同時に、AIができること、人間にしかできないことの境界線が明確になり、「単純作業はAI、高度技術は人間」というように生活分業が進む可能性があります。AIでは対応できないおもてなしや、かゆいところに手が届くサービスなどが必要不可欠なものとして見直され重要になってくるかもしれません。

2018年がAI元年になるなら、機械学習技術などを利用したアルゴリズム開発を行うPKSHA Technology <3993> [東証M]や、人工知能搭載の無人レジ「ワンダーレジ」を手掛けるサインポスト <3996> [東証M]、AIを活用して身の回りのトラブル対応を行うシェアリングテクノロジー <3989> [東証M]、日常生活のトラブル解決などを行うジャパンベストレスキューシステム <2453> は注目しておきたいところです。

●「ピコ」投資法――“本物の上昇株”は「出来高」がシグナルに

さて、チャートを使ってこうした有望成長株を探す方法としては、前日高値を更新する、もしくは新高値を更新する銘柄を中心に探すとよいでしょう。

高値を更新する場合、オシレータ系のテクニカル指標では過熱感が生じている場合が多いものです。短期的な揺らぎなのか、それとも本物の上昇なのかを判断する必要が生じます。本物の場合は出来高が時間をかけて大きくなる傾向がありますから、出来高が急増し始めるタイミングは逃さないようにしましょう。

AI元年のテーマ株として取りあげたPKSHA Technology <3993> [東証M]の日足チャートをつぶさに見ると、12月19日と20日に出来高が44万株、41万株とそれまでの10万株前後から急増し、「ピコ」と出来高の棒グラフが頭を突き出しています。そして、ここから株価は上昇に転じます。この銘柄は27日には93万株を記録。前日の46万株から再び「ピコ」と頭を抜き出し、株価の上昇トレンドは力強さを増しています。

同様にシェアリングテクノロジー <3989> [東証M]では、11月13日に78万株と前日の5万株台から「ピコ」と急増。株価は一旦反落しますが、すかさず切り返して底値を確認。その後、12月15日には再び56万株(前日まで10万株台)に急増(ピコ)し、その後の株価急伸を告げるサインとなりました。

このように出来高急増のポイントに着目する方法を、私は「ピコ投資」と名付けて皆さんにご紹介しています。

さて、一般的に、株価上昇を伴う有望成長株は業績の観点から考えても割高、テクニカル分析でも割高と分析できる場合が多くなります。しかし、さらなる成長が期待できる場合には、割高な水準からでも買われる場合が多く、株価がさらに上昇することも多々あります。「株価が上昇するのはおかしい!」などと空売りを仕掛ければ、踏み上げられる可能性があります。トレンドフォロー戦略をとり、トレンドライン分析を中心に冷静な売買を心がけるべきなのです。

具体的には、トレンドライン分析を行って上昇トレンドだと考えられる場合には、その上昇トレンドが継続している間は、割高と判断できる株価水準であっても頑張って保有を続けます。

しかし、天井を打たない株はありませんから、どこかで必ず売却を行わなければなりません。売却を考えるタイミングとしては、上昇トレンドから下落トレンドへとトレンドが転換したタイミングになります。たとえば、「5日移動平均線を下回ったら売り」という風に自分でトレンド転換のルールを決めて、トレンド転換のタイミングを素早く見つけ出し、機械的に利益を確定するようにします。

株価は絶えず上昇と下落を繰り返しています。利益を確定させても、再び買いチャンスは訪れます。2018年は欲張らずに、冷静に株価の波に乗っていきましょう。 【2017年12月28日 記】

●横山利香(よこやま りか)

ファイナンシャルプランナー、テクニカルアナリスト。投資・マネー雑誌を中心に執筆・講演活動を展開。会社四季報ONLINEで「横山利香のスイングトレード日記」を連載。投資ブログ「ファイナンシャルプランナー横山利香のトレード日記」等も執筆。

★元日~3日、2018年「新春特集」を“24本”配信します。ご期待ください。

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