18年は「注目IPO」盛りだくさん、メルカリ・ビットフライヤーなど登場か <株探トップ特集>

特集
2018年1月27日 19時30分

―QBハウス、Sansan、freeeにも上場観測、ZMPにも再挑戦期待―

全般相場は為替の円高懸念で軟調となるなか、市場では依然、中小型株への関心が高い。その中小型株市場の花形であるIPOには、18年の第1号銘柄が2月に登場する予定だ。そんななか、市場関係者の関心は「今年登場する注目の新規上場企業の顔ぶれ」に集中している。現在、市場で噂される大型IPO候補にはフリーマーケットアプリの「メルカリ <4385> 」、仮想通貨取引所 の「ビットフライヤー」、携帯事業会社の「ソフトバンク」などがある。市場で噂されるIP0候補企業の顔ぶれと関連銘柄を探った。(編集部注:メルカリの上場決定を受け、コード番号を5月14日に追記)

●IPO第1号はMマート、注目企業の最右翼は「メルカリ」

18年のIPOは100社前後とも予想されており、17年の90社前後から一段とIPO市場は盛り上がりそうだ。18年のIPO第1号となるのが、2月23日に東証マザーズへ新規上場するMマート <4380> [東証M]だ。同社はBtoB(企業間取引)に特化したインターネットマーケットプレイス事業を手掛けている。例年、IPO第1号銘柄は人気となるだけに期待は高い。第2号はジェイテックコーポレーション <3446> [東証M]が、同月28日に東証マザーズへの上場を予定している。

では、今年はIPO市場にどんな銘柄が登場するのか――。18年に上場が予想されるIPO銘柄のなかでも最有力企業の1社とみられているのが、フリーマーケットアプリ の「メルカリ」だ。「6月をメドにマザーズ上場」とも報じられており、時価総額は2000億円規模と予想されている。日本のみならず米国での成長も期待され、日本の代表的なユニコーン(企業価値1000億円以上の未上場企業)の1社である同社への期待は高い。IPOが発表された場合、同社に出資するユナイテッド <2497> [東証M]を本命とし、三井物産 <8031> や伊藤忠商事 <8001> 、GMOインターネット <9449> 、それにCtoC(消費者間取引)アプリ事業を展開するGMOペパボ <3633> [JQ]などが人気を集める展開が予想されている。

●「ビットフライヤー」は仮想通貨人気次第か、「QBハウス」登場も

仮想通貨取引所の「ビットフライヤー」も18年のIPO候補企業に挙がっている。昨年急騰を演じ、世界的な話題となったビットコインの価格は足もとでは軟調なほか、システムトラブルなどが懸念視されている。仮想通貨の価格次第の面はあるものの、同社が新規上場した場合、市場の話題を集めるのは必至だ。仮想通貨取引所をグループ企業に抱えるセレス <3696> や仮想通貨やブロックチェーン関連事業などに注力するSBIホールディングス <8473> 、インフォテリア <3853> [東証M]などフィンテック関連企業は再度、人気となりそうだ。ただ、26日には仮想通貨取引所コインチェックから560億円相当の仮想通貨が不正に引き出されたと伝わったことで、仮想通貨全般が急落している。仮想通貨をめぐる状況次第では、ビットフライヤーも上場までには紆余曲折がありそうだ。

また、ヘアカット専門店「QBハウス」を展開する「キュービーネットホールディングス」にもIPOの観測が出ている。同社は日本に加え、アジア市場の開拓を進めている。

●「Sansan」「freee」など期待のベンチャー系も

クラウド名刺管理サービス大手の「Sansan」や、クラウド型会計ソフトの「freee」にもIPOの噂がある。Sansanの大株主にはサイバーエージェント <4751> などが名を連ねている。さらに、大手人材広告会社の「マイナビ」やアパレル会社の「ストライプインターナショナル」にも上場の観測がある。

かねてから上場期待が強いのが、大型リチウムイオン電池および蓄電システムの開発を進める「エリーパワー」や世界初の合成クモ糸繊維「QMONOS」を手掛ける「スパイバー」だ。エリーパワーには大和ハウス工業 <1925> やミツウロコグループホールディングス <8131> などが大株主となっている。スパイバーにはゴールドウイン <8111> やトヨタ紡織 <3116> が出資している。さらに、自動運転関連の「ZMP」への上場期待は根強い。16年に上場発表後に延期を表明し投資家を落胆させたが、「再度上場が決まればやはり人気を呼びそうだ」(市場関係者)という。

●ソフトバンクの携帯部門上場は人気限定的? サウジアラムコに注目も

今年に入り、ソフトバンクグループ <9984> が携帯電話会社「ソフトバンク」を年内に上場させるとの報道が流れた。資金調達額は2兆円程度で過去最大規模のIPOとなるとの観測がある。ただ、このIPOに関しては「親子上場の形となり、投資家からはスキームが分かりにくい」との声があり「ソフトバンクグループの株価にとっては中立的で、IPOはあまり人気となることはないのではないか」(アナリスト)との見方も出ている。

視線を海外に向ければ、サウジアラビアの国営石油企業「サウジアラムコ」のIPOが話題を集めている。同社が民営化され株式を上場すれば、その時価総額は2兆ドル(約220兆円)に達するとみられ、世界最大の上場企業となる見込みだ。海外上場市場として東京も名乗りを上げているが、足もとでは劣勢が伝えられている。とはいえ、東京が上場市場に選定された場合、日本取引所グループ <8697> にはプラス要因となる。サウジアラビアとの強い関係を持つ住友化学 <4005> なども注目される。

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