“円高”再びで脚光、「内需最高益」18銘柄リストアップ <株探トップ特集>

特集
2018年1月29日 19時30分

―決算発表シーズン本格化、為替1ドル=108円台突入で注目の株―

東京株式市場では、4-12月期決算の発表が本格化するなか、外国為替市場での円高・ドル安進行懸念が足かせとなって、日経平均株価は足踏み状態が続いている。円が1ドル=108円台での推移となるなかで、輸出関連企業への買い手控え姿勢が目立つ。そこで今回は、内需系で今期経常最高益更新が見込まれる銘柄に注目した。

●アイケイ、通販やインバウンド関連の売上高が計画上回る

カタログ通販やテレビ通販を手掛けるアイケイ <2722> [JQ]は17年12月18日、18年5月期の連結業績予想について、売上高を185億9000万円から188億6000万円(前期比23.5%増)へ、経常利益を7億5000万円から10億1000万円(同82.3%増)へ、純利益を5億3000万円から6億9000万円(同62.4%増)へ上方修正した。メーカー機能と問屋機能をあわせ持つメーカーベンダー事業で、通販ルート、海外・インバウンドルートの売上高が計画を上回ったことが要因。また、テレビショッピング放映枠の見直しなどを行ったことで、広告宣伝費が計画を下回ったことも寄与しているという。

●ピックルス、キムチ製品などの販売が好調

ピックルスコーポレーション <2925> は、17年12月26日、18年2月期第3四半期累計(17年3-11月)の連結経常利益が、11億7400万円(前年同期比61.5%増)と大幅増益を達成し、通期の経常利益14億9000万円(前期比71.9%増)に対する進捗率は78.8%となっている。主力の「ご飯がススム」シリーズを中心に、キムチ製品などの販売が好調だったことが寄与している。前期と比べ安定した価格で原料を調達できたことも大幅増益につながった。さらに、23日には、18年2月期の期末一括配当を、従来計画の22円から25円(前期は22円)に増額修正した。従来計画の普通配当22円に、東証1部指定記念配当3円を上積みする。

●グローバル社、インバウンド向けにホテルを積極展開

THEグローバル社 <3271> は、首都圏を中心にマンション開発や戸建て事業を手掛けている。同社は18年6月期の業績について、戸建て販売が業績を牽引し、経常利益は前期比82.2%増の26億6500万円を見込んでいる。インバウンド需要 を意識して外国人に人気の高い京都にホテルを積極展開しているのに加え、東京では羽田空港に近い蒲田にホテル用事業用地を取得しインバウンド需要に備えている。PERは8倍台と依然として割安感が強い。

●ソフトウェア、医療機関などへのリプレイス市場拡大

ソフトウェア・サービス <3733> [JQ]は、17年12月8日に発表した18年10月期通期単独業績予想で、売上高200億円(前期比36.8%増)、経常利益40億円(同50.7%増)、純利益27億6800万円(同46.8%増)と、大幅増益で4期ぶりの経常最高益更新を見込む。また、配当を前期比50円増の125円と予定している。普通配当75円に、創業50周年記念配当50円をあわせて実施する予定だ。中小規模病院での電子カルテの普及が徐々に進んでいることや、既に電子カルテシステムを導入している医療機関などへのリプレイス市場の拡大が見込まれ、受注の増加が見込まれていることが業績を牽引する。

●日本精線、自動車関連需要が好調に推移

ステンレス線2次加工の日本精線 <5659> は17年10月30日、18年3月期の連結業績予想の上方修正を発表した。売上高を350億円から370億円(前期比16.4%増)へ、経常利益を34億円から39億円(同53.8%増)へ、最終利益を23億4000万円から27億円(同52.5%増)へそれぞれ増額した。自動車関連需要の好調により販売数量が前年同期に比べ増加したことに加え、ニッケル価格変動に伴う販売価格引き上げ効果も寄与している。金属繊維部門では、ナスロンフィルターは、ポリエステルフィルム向けに加え、化合繊維向けが堅調に推移したため増収となった。また、超精密ガスフィルター(ナスクリーン)も、韓国や台湾の半導体メーカーを中心とした設備投資向けで引き続き好調に推移している。

●アサヒHD、貴金属リサイクルで回収量増と価格上昇が寄与

アサヒホールディングス <5857> は17年10月26日、18年3月期の連結業績予想の修正を発表した。税引前利益を113億円から123億円(前期比7.0倍)へ、最終損益を76億円から83億円(前期12億1300万円の赤字)へ増額した。売上高は1200億円(前期比12.3%増)で据え置いた。貴金属リサイクルで金などの回収量が計画を上回っていることに加え、貴金属価格の上昇で収益が改善することが上振れの背景。あわせて、東証1部上場15周年記念配当3円を実施する形で、今期の年間配当を従来計画の60円から63円(前期は60円)に増額修正した。

◆主な今期過去最高益更新予想の低PER銘柄◆

銘柄 <コード>   増益率  PER  株価

フルスピード <2159> [東証M]  2.1倍  15.6   980

FUJIKO <2405> [東証2] 66.7   10.7   471

J―HD <2721> [JQ]    22倍   10.9   957

アイケイ <2722> [JQ]    82.3   20.2  3745

永谷園HD <2899>       55.0   19.3  1504

ピックルス <2925>       71.9   12.8  1934

シンデンハイ <3131> [JQ]   2.1倍  12.8  4300

コーセーRE <3246>      51.7   12.8  1279

グローバル社 <3271>      82.2    8.2  1084

ソフトウェア <3733> [JQ]  50.7   15.9  8280

エーバランス <3856> [東証M] 15倍   11.1   935

タキロンCI <4215>      79.2   12.9   792

アイビー <4918> [JQ]     2.4倍  14.1  5300

日精線 <5659>         53.8   13.4  5910

アサヒHD <5857>        7.0倍  10.5  2206

アルインコ <5933>       58.6   12.3  1314

明治機 <6334> [東証2]    84.6   10.8   487

LCHD <8938> [JQG]    2.5倍  11.0  1983

※株価は29日終値(単位:%、倍、円)

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