金融庁、コインチェックの不正送金を受けて全取引所の緊急調査に踏み切る【フィスコ・ビットコインニュース】

通貨
2018年1月30日 18時32分

金融庁は29日、不正アクセスを受けて約580億円相当の仮想通貨が流出したコインチェックに対して業務改善命令を出した。仮想通貨の取引業者に登録制を導入した2017年4月施行の改正資金決済法に基づく措置となる。2月13日までに原因究明や再発防止策を報告することが命じられた。

コインチェックは、26日に行った記者会見で、流出した仮想通貨NEM(ネム)をインターネットに接続された「ホットウォレット」で保管していたほか、秘密鍵を分散管理する「マルチシグ」に対応していなかったことを明らかにした。金融庁はシステムリスクの管理体制に大きな不備があったと見て、改善命令に踏み切った。

また、金融庁は29日、国内の全取引所を対象に緊急調査を行うことを発表した。26日にシステム上の安全対策を再点検するよう注意喚起をしていたのに対し、結果報告を求めるとともに、対策が不十分と判断すれば立ち入り検査も実施する。調査対象となるのは、改正資金決済法に基づいて登録済みの16の取引所のほか、コインチェックのように登録申請中の「みなし業者」も含まれる。

約480億円相当の仮想通貨が流出した2014年のマウントゴックス事件を受けて、日本は世界に先駆けて仮想通貨の取引業者に登録制度を導入した。イノベーションを促進し、消費者保護を実現するものとして、期待を寄せられていた。今回のコインチェックの不正送金事件により、登録制度の課題が浮き彫りになり、制度の実効性を高めるための見直しが行われるものと想定される。

《MS》

提供:フィスコ

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