為替週間見通し:もみ合いか、米財務長官のドル安容認発言の影響残る

通貨
2018年2月3日 14時48分

■米利上げ継続観測でドル・円は110円台回復

先週のドル・円は堅調推移。1月30日-31日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利(フェデラルファンドFF金利の誘導目標)を1.25-1.50%に据え置くことが市場の予想通り決定された。ただ、FOMC声明でインフレ率は今年上昇するとの見方が示されたことや、金利引き上げを継続する方針も確認されたことから、ドル買い・円売りが活発となった。

日本銀行が約7カ月ぶりに指値オペを通知し、一部年限における国債買い入れオペを増額したことも円売り材料となったようだ。2日に発表された米1月雇用統計では、平均時給が前年比+2.9%のやや高い伸びを記録し、3月利上げの可能性が高まったことから、ドル・円は110円48銭まで上昇。2日の米国株式は利上げ継続を警戒して大幅安となったことから、ドル買いは一服したが、110円19銭でこの週の取引を終えた。取引レンジ:108円42銭-110円48銭。

■もみ合いか、米財務長官のドル安容認発言の影響残る

今週のドル・円はもみ合いか。米連邦準備制度理事会(FRB)が1月30-31日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ継続の方針を堅持したことから、3月利上げを見込んだドル買いは継続する可能性がある。ただ、ムニューシン米財務長官のドル安容認発言の影響が残っていることから、積極的なドル買いは手控えられそうだ。

FRBは政策金利を市場の想定通り1.25-1.50%に据え置きを決め、FOMC会合後の声明では金利引き上げを継続しても景気は緩やかな拡大が続き、インフレに関しても上昇の見通しを示している。FRBが利上げ継続の方針を堅持したことで、投機的なドル売りはやや縮小するとみられる。

ただ、ムニューシン米財務長官は「ドル安は米国の貿易にとって良いこと」との見方を示していることや、「短期的なドル相場の水準にはプラスとマイナスの両方がある」と指摘していることはドル買い・円売りの勢いを弱める可能性がある。

また、今週はニュージーランド、オーストラリア、英国の中央銀行が政策金利を発表する。いずれも据え置きとなる見通しだが、各中央銀行が将来的な利上げに前向きならNZドル、豪ドル、ポンドは米ドルに対して強含むことが予想される。各国通貨に対するドル売りが優勢となった場合、ドル・円の取引でもドル売り・円買いが増える可能性がある。

【米・1月ISM非製造業景況指数】(5日発表予定)

5日発表の米1月ISM非製造業景況指数(総合)は56.5と、12月実績の56.0を上回る見通し。10-12月期国内総生産(GDP)速報値の伸びは鈍化したものの、個人消費の強さが示された。非製造業の景況指数予想と一致すれば、個人消費拡大への期待は持続するとみられる。

【米・前週分新規失業保険申請件数】(8日発表予定)

8日発表の前週分新規失業保険申請件数は23.3万件程度と予想されている。申請件数は低水準で推移しており、市場予想と一致した場合、3月追加利上げ観測への支援材料となりそうだ。

予想レンジ:108円50銭-111円50銭

《FA》

提供:フィスコ

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