新興市場見通し:中小型株も不安定な展開続く、決算ピークで好業績株をマーク

市況
2018年2月10日 15時46分

先週の新興市場は、引き続き米金利上昇を受けた世界的な株価急落に振らされる展開となった。新興市場でも個人投資家のリスク回避姿勢が強まり、幅広い銘柄で売りがかさんだ。急ピッチの株価下落により追い証を回避するための手仕舞い売りも広がったようだ。2月6日にはマザーズ指数が前の日に比べ12%超下落する場面が見られた。一部の好決算銘柄には買いが入ったものの、物色は広がりを欠いた。なお、週間の騰落率は、日経平均が-8.1%であったのに対して、マザーズ指数は-10.0%、日経ジャスダック平均は-7.9%だった。

個別では、ミクシィ<2121>が週間で8.9%安、サイバーダイン<7779>が同5.2%安、そーせいグループ<4565>が同11.3%安とマザーズ時価総額上位は軒並み大きく下落した。売買代金上位ではサンバイオ<4592>、ディジタルメディアプロフェッショナル<3652>、ブライトパス・バイオ<4594>など従前に人気化したバイオ株やテーマ株を中心にきつい下げとなった。また、第1四半期決算を発表したリンクバル<6046>や、第3四半期決算がネガティブ視されたアドウェイズ<2489>が週間のマザーズ下落率上位に顔を出した。反面、メドレックス<4586>やジャパンインベストメントアドバイザー<7172>は逆行高となった。また、好決算だったテモナ<3985>やプラッツ<7813>が上昇率上位に顔を出した。ジャスダック主力もハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同11.1%安、セリア<2782>が同12.0%安となるなど軒並み大きく売られた。好決算のエン・ジャパン<4849>も材料出尽くし感から同14.2%安となった。また、santec<6777>や日本興業<5279>が週間のジャスダック下落率上位に顔を出した。一方、前期が従来予想より赤字縮小となったラクオリア創薬<4579>や、業績期待の高い明豊エンタープライズ<8927>は買い優勢となった。ニチダイ<6467>は短期資金の流入が続き、今週も大きく値を飛ばした。

今週の新興市場も、引き続き不安定な展開となることが見込まれる。相場全体の底入れを探りつつ押し目買いのタイミングを窺うことになるだろうが、個人投資家の需給悪化や警戒感の高まりを背景に売りの出やすい状況が続くとみられる。新興市場では決算発表がピークを迎え、好業績株を中心に動向をマークしておきたい。

今週は2月13日に日本マクドナルドHD<2702>、グローバル・リンク・マネジメント<3486>、歯愛メディカル<3540>、じげん<3679>、ホットリンク<3680>、14日にミクシィ、そーせい、ブライトパス、フェローテックHD<6890>、サイバーダイン、15日にジーエヌアイグループ<2160>、HANATOUR JAPAN<6561>などが決算発表を予定している。これまで業績の急回復を見せてきたマクドナルドの今期見通しが注目される。また、じげんなどの準主力級銘柄も決算をきっかけに再評価の流れとなるか注目したい。

IPO関連では、2月13日までMマート<4380>のブックビルディング期間となっている。今年最初のIPOとなるが、マザーズ上場のインターネット関連株ということもあり、需要の積み上がりは順調のようだ。なお、先週は神戸天然物化学<6568>(3月15日、マザーズ)、日総工産<6569>(3月16日、東証1部または2部)の新規上場が発表されている。現在の上場予定企業は2月が2社、3月が3社となっている。

《FA》

提供:フィスコ

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