話題株ピックアップ【夕刊】(2):五洋建、THK、エムスリー
■五洋建設 <1893> 784円 +36 円 (+4.8%) 本日終値
五洋建設<1893>は続伸。15日、同社と東亜建設工業<1885>の共同企業体が、アフリカのモザンビークで大型港湾工事を受注したと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。同国北部に位置するナカラ湾を浚渫および埋め立てし港湾エリアを拡張するとともに、コンテナ専用埠頭やアクセス道路、構内鉄道などを整備するもの。なお、受注金額は約256億円で、工期は36カ月を予定しているという。
■THK <6481> 4,505円 +200 円 (+4.7%) 本日終値
THK<6481>が大幅続伸、全体波乱相場の影響で2月初旬から中旬にかけて大幅な調整を入れたが、26週移動平均線を長い下ヒゲで踏みとどまり、一気の切り返しをみせている。きょうは高値4740円まで買われる場面があり、1月23日につけた上場来高値4775円の更新まであと一息に迫った。世界的な企業の設備投資意欲を背景に半導体製造装置向けや工作機械向け直動システムが好調で収益を押し上げている。特に中国では政府主導で製造業の技術レベルを高度化する取り組みを進めており、FA機器需要の拡大が同社に追い風となっている。
■エムスリー <2413> 4,190円 +185 円 (+4.6%) 本日終値
エムスリー<2413>が4日続伸。この日の朝方、米国で治験支援事業を行うウエーク・リサーチ・ホールディングス(ノースカロライナ州)の全株式を取得して完全子会社化し、治験事業に参入したと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。ウエーク社は米国で12カ所の治験実施施設を運営し、神経科を中心とした複数の疾患領域に対応している。エムスリーでは、米で運営する医師向けWebサイト「MDLinx」を活用し、ウエーク社が運営する治験実施施設と組み合わせることで効率的な治験施設サービスを構築するとしている。
■栄研化学 <4549> 4,835円 +195 円 (+4.2%) 本日終値
15日、栄研化学 <4549> が3月31日現在の株主を対象に1→2の株式分割を実施すると発表したことが買い材料。最低投資金額が現在の2分の1に低下することから、株式流動性の向上と投資家層の拡大を期待する買いが向かった。
■京セラ <6971> 6,220円 +228 円 (+3.8%) 本日終値
京セラ<6971>が続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が15日付で、投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウエート」とし、目標株価を8000円から8500円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券によると、第3四半期決算発表以降、対TOPIX比での株価はソーラー関連の減速を懸念して大幅に下落したが、SPE用部品や自動車部品、半導体パッケージ、MLCCなどの部品事業で成長力が顕在化すると指摘。ソーラー関連の減速などを織り込み、18年3月期の営業利益を1480億円から1360億円へ、19年3月期を同1660億円から1600億円へ下方修正したが、20年3月期はセラミック系部品の需要拡大による増益効果で1800億円から1850億円へ上方修正している。
■積水化成品工業 <4228> 1,107円 +40 円 (+3.8%) 本日終値
15日、積水化成品工業 <4228> が発行済み株式数(自社株を除く)の1.24%にあたる56万8000株(金額で7億9520万円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は2月16日から2月28日まで。うち44万5000株については、16日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買い(買い付け価格は15日終値の1067円)を実施する。
■片倉工業 <3001> 1,317円 +35 円 (+2.7%) 本日終値
片倉工業<3001>が反発。15日の取引終了後、子会社トーアエイヨーが不整脈治療剤と利尿剤のジェネリック医薬品2成分3品目について、製造販売承認を取得したと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。同社では、今回製造販売承認を取得した3品目を新たに加えて、循環器医療で必要とされるスペシャリティファーマを目指すとしている。
■伊藤忠テクノ <4739> 4,085円 +90 円 (+2.3%) 本日終値
伊藤忠テクノソリューションズ<4739>が続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は15日、同社株のレーティングを「ニュートラル」から「オーバーウエート」へ引き上げた。目標株価は4900円から5000円に見直した。株価の下落を受け、レーティングを見直した。クラウドを含むサービス拡大による収益性向上とIT投資意欲が旺盛な流通・EP(エンタープライズビジネス)の需要取り込みに注目している。第3四半期の受注は前年の大型案件の反動を除けば、ほぼ前年並みと順調であり、通信向けシェアの維持・上昇は可能であることなどを評価している。
■みずほFG <8411> 198.4円 +2.1 円 (+1.1%) 本日終値
みずほフィナンシャルグループ<8411>などメガバンクが続伸。三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>も買われた。米長期金利上昇に連動する買いが引き続き流入している。米10年債利回りは15日、一時2.94%と4年1カ月ぶりの水準に上昇。米長期金利の上昇が、国内市場にも波及し銀行にとって利ザヤ拡大につながるとの期待が強い。
■日本電信電話 <9432> 4,702円 +47 円 (+1.0%) 本日終値
NTT<9432>が続伸。ドイツ証券は15日、同社株のレーティングを「ホールド」から「バイ」へ引き上げた。目標株価は5100円としている。足もとの株価下落は行き過ぎとし「PER10倍、相対PER0.6倍という魅力的なマルチプルでキャピタルリターンの合計が10年債を約6%上回る大手通信銘柄を買う好機」と指摘している。「長期にわたる効率性向上の可能性」「IoTサービス提供に向けた業界との提携」「回線交換ネットワークが終了した暁には多くが再開発可能な約7000棟の所有物件」などの点も再評価ポイントとして取り上げている。
株探ニュース