有賀泰夫の有望株リサーチ

市況
2018年2月20日 13時30分

●低PER、安定成長で注目される卸売業

―差別化戦略の有無で企業間格差―

株式市場の調整と円高が同時に起こっています。ただし、厳密に言えば、最初市場が大きく下げて、相場が戻る過程で円高が進んでいます。つまり、過去のパターンとはやや状況が異なります。

相場が戻るのであれば、去年大きく買われて、直近で大きく下げた外需株を買うという考え方ができます。しかし、それらは急速な円高で打撃を受ける可能性があります。一方で、それでは内需株かと言うと、これも状況はなかなか厳しいものがあります。

内需の厳しさは、コストアップの厳しさです。特に人件費に圧迫圧力があります。なかでも小売業や外食産業が厳しく、差別化ができていない企業は軒並み減益となっています。付加価値を上げることができているか否かで大きな差がついています。

そんな中で、意外なほどコンスタントに収益を拡大させているのが、生活関連の卸売業である日用雑貨卸 加工食品卸 です。卸売業はいまだに不要論があるような業種ですが、実はこの50年間で劇的に位置づけが変わって、今や必要不可欠な産業に変貌しているのが実態です。

ただし、その卸売業の中でも企業間格差は大きく拡大しています。その意味では他の内需株と実情は変わりません。

そんな中から勝ち組と目されるのは、日用雑貨卸ではPALTAC <8283> 、あらた <2733> 、加工食品卸では加藤産業 <9869> 、三菱食品 <7451> などです。それぞれに状況は異なりますので、投資タイミングも異なりますが、各社とも注目企業に位置づけられます。

(2月19日 記)

有賀泰夫(ありがやすお)

H&Lリサーチ代表。新日本証券(現みずほ証券)に入社後、アナリストとしてクレディ・リヨネ証券に転職。現三菱UFJモルガンスタンレー証券を経て、09年4月に独立して、H&Lリサーチを設立。ファンド向けアドバイスなどを行う。日本証券アナリスト協会検定会員。

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