清水洋介氏【米国発の波乱相場に幕? ずばり期末相場を読む】(2) <相場観特集>
―パウエルFRB新議長の議会証言後、景色は変わるか―
前週末の米国株式市場でNYダウやナスダック指数など主要指数が大幅高に買われ、これを受けて週明け26日の東京株式市場では、日経平均株価が大幅続伸となった。前場伸び悩む局面はあったが後半にかけて買い直される強い地合いで、2万2000円台を回復している。実質3月相場入りとなった東京市場、期末相場の見通しについて第一線で活躍する市場関係者3人に意見を聞いた。
●「3月上旬までもみ合い継続か、9日に重要イベントが集中」
清水洋介氏(Argo Navis フィナンシャルコンシェルジュ)
東京株式市場は、当面は2万2000円を中心とするもみ合い相場が続きそうだ。3月上旬が転換点となると思う。3月8~9日に予定されている日銀金融政策決定会合、9日の先物メジャーSQ(特別清算指数)、米2月雇用統計と、特に来月9日には重要イベントが集中する。その結果次第で、もみ合い相場が上昇に向かうか、下値を探る方向となるかが決まりそうだ。
市場は3月米連邦公開市場委員会(FOMC)での米国の利上げは、ほぼ織り込んでいる。米10年債利回りの3%乗せも許容の範囲内だろう。ただ、米国の長期金利上昇を、どう受け止めるかが問題となっている。
米金利上昇を景気拡大に伴うものとポジティブに受け止めるか、あるいは財政赤字の拡大を嫌気したものとみなしネガティブ視するか。2月上旬以降、急激な円高が進んだことは、後者の反応でドルが売られたとみることもできる。
こうしたなか、3月上旬以降の市場の反応がポジティブとなれば今後1ヵ月程度の日経平均のレンジは2万2000~2万3000円へ切り上げることが予想される。一方、ネガティブなら2万1000~2万2000円の相場となりそうだ。1月の2万4000円台の高値は1ドル=115円前後の円安を前提に19年3月期の2ケタ増益を見込んでつけたもの。いまの為替水準では2万4000円台乗せは難しいだろう。
今後、注目できるのは目先売り込まれたが、ここから反騰が期待できる銘柄だろう。電子部品の村田製作所 <6981> やアルプス電気 <6770> 、食品セクターの味の素 <2802> や明治ホールディングス <2269> など注目したい。
(聞き手・岡里英幸)
<プロフィール>(しみず・ようすけ)
大手証券会社に入社後、外資系証券会社、外資系オンライン証券会社などを経て、証券アナリスト、テクニカル分析の第一人者として、「チャートの先生」「ストラテジスト」の役割でテレビのレギュラー出演や雑誌の連載などで活躍。現役ディーラーとしても日々相場と対峙している。10年以上続いているメールマガジン「日々是相場」や投資に関しての講演などを行っている。2014年5月株式スクール開校、証券投資の本質、株式投資の楽しさを啓蒙している。
株探ニュース