話題株ピックアップ【夕刊】(1):アルプス、Fスターズ、日電産

注目
2018年2月27日 15時12分

■アルプス電気 <6770>  3,010円  +169 円 (+6.0%)  本日終値  東証1部 上昇率10位

アルプス電気 <6770> が続急伸。日本経済新聞が27日付で「アルプス電気とアルパインは経営統合の時期を2019年4月から同1月に早める」と報じたことが買い材料視された。報道によると「計画していた純粋持ち株会社の新設を取りやめ、アルプスがアルパインを完全子会社にしたうえでカンパニー制による事業持ち株会社にする方式に切り替える。純粋持ち株会社をつくる手続きを省き、経営統合の効果を早期に出す」という。統合を巡っては香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントが反対を表明するなど不透明感が漂っていたが、統合時期が明確になったことからこれを好感する買いが向かったようだ。

■フィックスターズ <3687>  8,760円  +420 円 (+5.0%)  本日終値

フィックスターズ<3687>が5連騰。株価は2月20日に前日比横ばいだったが、それを除けば2月15日以降、一貫して上昇しており、文字通り押し目待ちに押し目なしの上値追いトレンドを形成している。スーパーコンピューターでは千年を要する演算をわずか数時間で完結するともいわれる量子コンピューターは、人工知能(AI)分野の発展にも大きく貢献することが期待され、世界のハイテク企業が先を競って研究開発に注力している。そのなか、同社は世界初の量子コンピューター商用化に成功したカナダのDウェーブ社と提携しており、中期成長期待が大きい。3月末の株主を対象に1対5株の株式分割を実施することを発表しており、3月相場で一段と権利取りの動きが強まる可能性も指摘されている。

■日本電産 <6594>  17,550円  +795 円 (+4.7%)  本日終値

日本電産<6594>が大幅高。米国株市場ではここ急速に切り返し歩調にあり、つれて東京市場でも主力輸出株が海外筋の買い戻しを絡め切り返す動きをみせている。そのなか、同社は精密モーターの大手メーカーで、特に商品シェアで世界首位のブラシレス直流モーターが好調に売り上げを伸ばし、高単価で同社の収益に大きく貢献している。19年3月期も車載向けやロボット向けなどで需要を確保し2ケタ増収増益が有力視されており、見直し買いが進んでいる。

■レーザーテック <6920>  4,440円  +165 円 (+3.9%)  本日終値

レーザーテック<6920>が大幅高で上場来高値に買われた。データセンターの増設や電装化の進む自動車、ハイエンド化が進むスマートフォンなど半導体需要は引き続き旺盛で、関連企業への注目度が再び高まっている。そのなか、半導体の生産プロセスで欠かせないマスクブランクス検査装置でオンリーワン企業である同社は、機関投資家とみられる継続的な実需買いが観測され、株式争奪戦の様相を帯びている。高ROEも特長で株主還元に厚く、毎期増配を続けている点は評価される。

■国際石油開発帝石 <1605>  1,378.5円  +41 円 (+3.1%)  本日終値

国際石油開発帝石<1605>が3日続伸。同社は26日、アブダビ首長国連邦(UAE)アブダビの油田権益の延長が決まったことを発表。この日は、この権益延長を好感する買いが流入した。具体的には、アブダビ沖の巨大鉱区「下部ザクム油田」の権益比率を10%で期限を40年間延長する。2ケタの権益比率を死守したことは前向きに評価されており、株価は買い先行となった。

■日本特殊陶業 <5334>  2,814円  +83 円 (+3.0%)  本日終値

26日、日本特殊陶業 <5334> が発行済み株式数(自社株を除く)の2.26%にあたる480万株(金額で100億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は2月27日から5月31日まで。また、今回取得した全ての自己株を6月8日付で消却する。

■東京エレクトロン <8035>  21,240円  +590 円 (+2.9%)  本日終値

東京エレクトロン<8035>は続伸。1月30日以来約1カ月ぶりに2万1000円台を回復した。前日の米国株市場では全体指数が大幅高となるなかで半導体関連株も総花的な上昇をみせた。半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も続伸で約1カ月ぶりの高値水準に買われており、東京市場でも同社株を筆頭に同関連銘柄への買い戻しを誘発した。

■昭和電工 <4004>  5,390円  +140 円 (+2.7%)  本日終値

昭和電工<4004>の上値余地に期待したい。株価は2016年8月以降、26週移動平均線をサポートラインとする1年半にわたる長期上昇波を形成しているが、時価予想PERは11倍台と依然として割安感が強い。石化製品の販価上昇や黒鉛電極事業の採算改善が収益を押し上げている。17年12月期は営業利益段階で前の期比85%増の778億1800万円と急拡大した。しかし、驚くべきは18年12月期の見通しだ。営業利益は大幅続伸し前期比41%増の1100億円と1000億円の大台を大きく上回ってくる見込みだ。世界の粗鋼生産に占める電炉鋼の割合が近年上昇傾向を強めており、つれて黒鉛電極への需要も拡大一途、市況も高止まりしていることで利益成長を後押しする。株主還元にも前向きに取り組んでいる。17年12月期年間配当は従来予想に20円増額の80円とした。18年12月期は70円配を計画しているが、場合によっては上乗せされる可能性もありそうだ。(市)

■阿波銀行 <8388>  693円  +16 円 (+2.4%)  本日終値

26日、阿波銀行 <8388> が発行済み株式数(自社株を除く)の0.90%にあたる200万株(金額で15億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は3月5日から3月23日まで。

■IHI <7013>  3,675円  +80 円 (+2.2%)  本日終値

IHI<7013>が3日続伸。同社はきょう、住友共同電力(愛媛県新居浜市)から天然ガス火力発電所向けガスタービン発電設備を受注したと発表。今回受注したのは、B747などの大型旅客機に搭載されている米GEのジェットエンジン「CF6-80C2」を発電用に転用したガスタービン3基を含む、15万キロワット級ガスタービン発電設備の建設工事。引き渡しは2022年6月を予定している。

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