前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

注目
2018年2月28日 5時30分

■日本電産 <6594>  17,550円 (+795円、+4.7%)

日本電産 <6594> が大幅反発。米国株市場ではここ急速に切り返し歩調にあり、つれて東京市場でも主力輸出株が海外筋の買い戻しを絡め切り返す動きをみせている。そのなか、同社は精密モーターの大手メーカーで、特に商品シェアで世界首位のブラシレス直流モーターが好調に売り上げを伸ばし、高単価で同社の収益に大きく貢献している。19年3月期も車載向けやロボット向けなどで需要を確保し2ケタ増収増益が有力視されており、見直し買いが進んだ。

■三相電機 <6518>  1,677円 (+75円、+4.7%)

三相電機 <6518> [JQ]が3日ぶり大幅反発。26日に配当修正を発表。18年3月期の期末一括配当を従来計画の14円→20円(前期は2→1の株式併合前で7円)に大幅増額修正したことが買い材料視された。堅調な業績や今後の経営環境などを踏まえ、株主への利益還元を増やす。今期の経常利益は前期比22.7%増の9.5億円を見込む。配当権利日を約1ヵ月後に控え、配当取り狙いの買いなどが向かった。

■日基技 <1914>  437円 (+18円、+4.3%)

日本基礎技術 <1914> が3日続伸。岩井コスモ証券は26日、同社株の投資判断を新規「A」でカバレッジを開始した。目標株価は500円とした。同社は地盤改良や液状化対策などの基礎工事の専業大手。同社の収益は原価低減などにより着実に改善しており、14日には18年3月期の連結営業損益を6000万円の黒字から3億4000万円の黒字(17年3月期は3億500万円の赤字)に増額修正している。もっとも、同証券では今期業績予想は保守的な内容とし、同利益は4億4000万円への再増額を予想。19年3月期の同利益は今期推定比2.3倍の10億円を見込んでいる。

■レーザーテク <6920>  4,440円 (+165円、+3.9%)

レーザーテック <6920> が大幅反発で上場来高値に買われた。データセンターの増設や電装化の進む自動車、ハイエンド化が進むスマートフォンなど半導体需要は引き続き旺盛で、関連企業への注目度が再び高まっている。そのなか、半導体の生産プロセスで欠かせないマスクブランクス検査装置でオンリーワン企業である同社は、機関投資家とみられる継続的な実需買いが観測され、株式争奪戦の様相を帯びた。高ROEも特長で株主還元に厚く、毎期増配を続けている点は評価される。

■津田駒 <6217>  285円 (+10円、+3.6%)

津田駒工業 <6217> が3日続伸。超自動織機の大手で空気を活用した噴射力で糸を飛ばして織物を編む「エアジェットルーム」や水を活用した「ウォータジェットルーム」で世界トップの実力を持つ。中国では高級衣料品の需要が拡大しており、省人化投資需要と合わせて商機を捉えている。また、インドにおいては新税制導入による金融機関の信用状発行業務の停滞が正常化したことで受注環境が一変した。18年11月期営業利益は前期比6割増の10億円見通しと絶好調で、株価は1月22日につけた昨年来高値329円奪回を目指す展開にある。

■国際石開帝石 <1605>  1,378.5円 (+41円、+3.1%)

国際石油開発帝石 <1605> が3日続伸。同社は26日、アブダビ首長国連邦(UAE)アブダビの油田権益の延長が決まったことを発表。27日は、この権益延長を好感する買いが流入した。具体的には、アブダビ沖の巨大鉱区「下部ザクム油田」の権益比率を10%で期限を40年間延長する。2ケタの権益比率を死守したことは前向きに評価されており、株価は買い先行となった。

■特殊陶 <5334>  2,814円 (+83円、+3.0%)

日本特殊陶業 <5334> が3日続伸。26日、同社が発行済み株式数(自社株を除く)の2.26%にあたる480万株(金額で100億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は2月27日から5月31日まで。また、今回取得した全ての自己株を6月8日付で消却する。

■東エレク <8035>  21,240円 (+590円、+2.9%)

東京エレクトロン <8035> が続伸。1月30日以来約1ヵ月ぶりに2万1000円台を回復した。26日の米国株市場では全体指数が大幅高となるなかで半導体関連株も総花的な上昇をみせた。半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も続伸で約1ヵ月ぶりの高値水準に買われており、東京市場でも同社株を筆頭に同関連銘柄への買い戻しを誘発した。

■昭電工 <4004>  5,390円 (+140円、+2.7%)

昭和電工 <4004> が上伸。株価は2016年8月以降、26週移動平均線をサポートラインとする1年半にわたる長期上昇波を形成しているが、時価予想PERは11倍台と依然として割安感が強い。石化製品の販価上昇や黒鉛電極事業の採算改善が収益を押し上げている。17年12月期は営業利益段階で前の期比85%増の778億1800万円と急拡大した。しかし、驚くべきは18年12月期の見通しだ。営業利益は大幅続伸し前期比41%増の1100億円と1000億円の大台を大きく上回ってくる見込みだ。世界の粗鋼生産に占める電炉鋼の割合が近年上昇傾向を強めており、つれて黒鉛電極への需要も拡大一途、市況も高止まりしていることで利益成長を後押しする。株主還元にも前向きに取り組んでいる。17年12月期年間配当は従来予想に20円増額の80円とした。18年12月期は70円配を計画しているが、場合によっては上乗せされる可能性もありそうだ。

■阿波銀 <8388>  693円 (+16円、+2.4%)

阿波銀行 <8388> が3日続伸。26日、同行が発行済み株式数(自社株を除く)の0.90%にあたる200万株(金額で15億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は3月5日から3月23日まで。

■IHI <7013>  3,675円 (+80円、+2.2%)

IHI <7013> が3日続伸。同社は27日、住友共同電力(愛媛県新居浜市)から天然ガス火力発電所向けガスタービン発電設備を受注したと発表。今回受注したのは、B747などの大型旅客機に搭載されている米GEのジェットエンジン「CF6-80C2」を発電用に転用したガスタービン3基を含む、15万キロワット級ガスタービン発電設備の建設工事。引き渡しは2022年6月を予定している。

■ファナック <6954>  27,875円 (+495円、+1.8%)

ファナック <6954> が3日続伸。世界的な設備投資需要の回復を背景に収益環境は良好、強みとするNC装置が国内や中国で伸びて業績を牽引しており、17年10-12月期は営業利益段階で前期比86%増の618億円と高水準の伸びを示した。18年3月期業績について今期3度にわたる上方修正を行っている。営業利益は期初段階で1555億円予想だったが、1月26日の修正で2249億円(前期比46.8%増)まで引き上げており、これを改めて評価する動きが出た。

■スタンレー電気 <6923>  4,280円 (+75円、+1.8%)

スタンレー電気 <6923> が反発。26日、同社が発行済み株式数(自社株を除く)の0.55%にあたる90万株(金額で30億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は3月8日から3月23日まで。

■任天堂 <7974>  49,430円 (+660円、+1.4%)

任天堂 <7974> が3日続伸。昨年3月に発売し約1年となる「ニンテンドースイッチ」は今なお売れ行き好調、関連ソフトの売り上げも含め会社側の想定をはるかに上回る業績寄与を果たし、株価も大きく居どころを変えた。また、ニンテンドースイッチについては段ボールで作った模型をゲームコントローラーのアタッチメントにする「ニンテンドーラボ」を4月に発売する予定であり、この人気を先取りする買いも入ったようだ。

■新日鉄住金 <5401>  2,658円 (+32円、+1.2%)

新日鉄住金 <5401> が3日続伸。17年4-12月期は経常利益で前年同期比2.1倍の2254億8400万円と急拡大した。通期は前期比72%増の3000億円を見込んでいる。自動車向けや産業機械向け鋼材需要が増勢にあるほか、原料高を背景とした鋼材価格の上昇や在庫評価の改善、日新製鋼 <5413> の連結化も収益押し上げに寄与している。中国の鋼材輸出減少に伴う鋼材市況高がプラスに作用している。19年3月期は今期の生産トラブルから立ち直り、輸出による収益貢献を見込む。なお、立花証券は同社株の投資判断を「やや強気」で継続フォローしており、19年3月期の経常利益見通しは今期推定比16.7%増の3500億円と試算している。

※27日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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