28日の米国市場ダイジェスト:NYダウは380ドル安、軟調な経済指標を嫌気
■NY株式:NYダウは380ドル安、軟調な経済指標を嫌気
28日の米国株式相場は下落。ダウ平均は380.83ドル安の25029.20、ナスダックは57.35ポイント安の7273.01で取引を終了した。昨日の株価下落を受けて、買い戻しが先行。しかしながら、原油相場の下落に加えて10-12月GDP改定値が速報値から下方修正されたほか、2月シカゴ購買部協会指数も予想を下振れ、午後にかけて上げ幅を縮小し下落に転じた。セクター別では小売を除いて全面安となり、特にエネルギーや家庭用品・パーソナル用品の下落が目立った。
製薬のバリアント・ファーマシューティカルズ(VRX)は売上高が予想を下振れたほか、通期見通しが冴えず大幅下落。バイオ医薬品のセルジーン(CELG)は、多発性硬化症治療薬の新薬承認申請を書類不備などを理由に米食品医薬品局(FDA)が受理せず軟調推移。1月中古住宅販売成約が予想を大幅に下回るマイナス成長となり、トール・ブラザーズ(TOL)やDRホートン(DHI)など住宅建設関連銘柄に売りが広がった。一方で、クラフト商品市場のエッツィ(ETSY)は、決算内容が好感され大幅上昇。ディスカウントストアのTJX(TJX)は、増配と新たな自社株買い計画を発表し堅調推移となった。
クラウドベースの顧客管理ソフトなどのセールス・フォース(CRM)は、マーケット終了後に11-1月期決算を発表、一株利益、売上高ともに予想を上振れ、株価は上昇して推移している。
■NY為替:株安や米長期金利低下を意識して円買い強まる
2月28日のニューヨーク外為市場でドル・円は、107円16銭から106円57銭まで反落し、106円70銭で引けた。米10-12月期GDP改定値や、1月中古住宅販売成約指数、2月シカゴ購買部協会景気指数が市場予想を下回ったため、債券利回りの低下に伴いドル売りが優勢となった。ユーロ・ドルは、1.2228ドルから1.2188ドルまで下落し、1.2196ドルで引けた。ユーロ圏のインフレ率低下を受けてユーロ売りに拍車がかかった。ユーロ・円は、130円89銭から130円04銭まで下落。株安を警戒したリスク回避の円買いが加速した。ポンド・ドルは、1.3835ドルから1.3757ドルへ下落した。英国のメイ首相が欧州委員会が公表した英離脱協定の法的文書草案に反対姿勢を見せたため、協議難航への警戒感が広がりポンド売りが加速。ドル・スイスは、0.9422フランから0.9458フランまで上昇した。
■NY原油:大幅続落で61.64ドル、供給増に対する警戒感高まる
NY原油先物4月限は大幅続落(NYMEX原油4月限終値:61.64 ↓1.37)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は前日比-1.37ドルの61.64ドルで通常取引を終えた。一時61.53ドルまで売られた。供給増加への警戒感が再び高まっている。米エネルギー情報局(EIA)が公表した週次原油在庫統計(2/23時点)で、原油在庫とガソリン在庫はいずれも市場予想を上回る増加となったことが要因。EIAは昨年11月の米国の原油生産量は過去最高だったと発表したことや、イラクのアバディ首相がトルコ経由でキルクーク産の原油輸出を近く再開すると述べたことも材料視されたようだ。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 32.10ドル -0.23ドル(-0.71%)
モルガン・スタンレー(MS) 56.02ドル -0.70ドル(-1.23%)
ゴールドマン・サックス(GS)262.93ドル -5.00ドル(-1.87%)
インテル(INTC) 49.29ドル -0.62ドル(-1.24%)
アップル(AAPL) 178.12ドル -0.27ドル(-0.15%)
アルファベット(GOOG) 1104.73ドル -13.56ドル(-1.21%)
フェイスブック(FB) 178.32ドル -3.14ドル(-1.73%)
キャタピラー(CAT) 154.63ドル -6.63ドル(-4.11%)
アルコア(AA) 44.97ドル -1.25ドル(-2.70%)
ウォルマート(WMT) 90.01ドル -1.51ドル(-1.65%)
スプリント(S) 5.19ドル -0.06ドル(-1.14%)
《HT》
提供:フィスコ