前場に注目すべき3つのポイント~個人主体の資金は中小型株に
3月1日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し:個人主体の資金は中小型株に
■決算チェック:エイチ・アイエスの17年11月-18年1月期営業利益は60.1%増と順調な立ち上がり
■前場の注目材料:三和HD、欧で増産、産業用ドア、40億円投資、年11万台
■個人主体の資金は中小型株に
1日の日本株市場は売り優勢のなか、中小型株にシフトしやすい需給状況になりそうだ。2月28日の米国市場は、NYダウが380ドル超の下落となり、25日線を割り込んでいる。原油相場の下落のほか、10-12月GDP改定値が速報値から下方修正されるなど、弱い経済指標の内容が嫌気された。この流れを受けてシカゴ日経225先物清算値は大阪比190円安の21910円となり、これにサヤ寄せする格好から、日経平均は節目の22000円を下回ってこよう。
足元では先物手動によるインデックス売買の影響が大きく、指数インパクトの大きい値がさ株が日経平均の方向性を左右させている。昨日はファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、ファナック<6954>が重しになった。本日も同様の流れになりやすく、先物の動きに過剰に反応してくる局面もありそうだ。
日経平均は支持線として意識されていた22000円や5日線処を下回ってくることになろうが、売り一巡後の底堅さを見極めたいところであろう。昨日は引け前30分辺りから先物主導で下げ幅を広げていたこともあり、売り一巡後の買戻しも意識される。名実ともに3月相場入りとなり、動きやすさもありそうだ。
もっとも、先物に振らされやすい状況の中、個人主体の資金は中小型株に向かいやすいと考えられる。中小型株には業績を評価した物色のほか、5Gやゲームなどのテーマ株の一角に急動意をみせる流れも目立っている。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■エイチ・アイエスの17年11月-18年1月期営業利益は60.1%増と順調な立ち上がり
エイチ・アイエス<9603>の17年11月-18年1月期(第1四半期)営業利益は前年同期比60.1%増の40.78億円となった。売上高は同31.6%増の1645.09億円だった。一部報道によれば、カナダの旅行会社メリットホールディングスや海外旅行の現地手配を手掛ける香港のグループ・ミキ・ホールディングスを買収するなど、積極的なM&A(合併・買収)が増収につながったという。また、比較的単価が高いヨーロッパ方面を中心に海外旅行の利用が伸びたようだ。ハウステンボスグループは増収減益だった。第3の柱として強化を図るホテル事業では、ロボットが中心となって運営する「変なホテル」が好調で、大幅な増収増益となった。昨年12月に「変なホテル東京 西葛西」をオープンするなど都市宿泊型の新規開業を進めている。市場予想で17年11月-18年1月期営業利益は35億円弱と見込まれており、上振れはポジティブな印象。上期計画(同23.3増の77.00億円)に対しても順調な進捗と言えるだろう。
■前場の注目材料
・日銀、大規模な金融緩和を維持
・マザーズは上昇(1239.13、+9.10)
・中小型の好業績銘柄へ資金シフト
・カジノ整備数、自民に拡大論
・インド7.2%成長、5四半期ぶりの高さ
・三和HD<5929>、欧で増産、産業用ドア、40億円投資、年11万台
・日ペHD<4612>、合意に至らず、取締役候補一本化、ウットラムと交渉継続
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・10:30 片岡剛士日銀審議委員が岡山市内で講演、同記者会見
<海外>
・10:45 中・財新製造業PMI(2月) 51.3 51.5
《HT》
提供:フィスコ