来週の株式相場見通し=買い手控えで下値模索、日米欧の重要イベントを注視
来週(5~9日)の東京株式市場は、米国が保護貿易主義の姿勢を強めることで世界景気に悪影響が及ぶとの警戒感に加え、日米欧でそれぞれ重要な政策イベントや経済指標が発表されることから、買い手控え姿勢が強まることになりそうだ。ただ、一方できょうまでの3日続落で、合計1208円と下落幅が大幅となっていることから自律反発の動きとなる可能性もある。日経平均株価は下値模索の推移で、2月14日につけた取引時間中の安値2万950円15銭を巡る攻防となりそうだ。来週の想定レンジは、2万600~2万1500円とする。
市場関係者からは「トランプ米大統領による鉄鋼とアルミニウムの輸入に追加関税を課すとの方針が、米通商政策の一段の保護主義への傾斜と受け止められ、1日の米株式市場でNYダウ平均株価が前日比420ドル安と急落し、これを嫌気して日経平均も、一時前日比635円まで売り込まれ、終値で同542円安となった。また、日銀の黒田東彦総裁が再任に向けた国会での信任聴取で“物価上昇が目標の2%に達すれば、19年ごろに出口戦略を検討するのは間違いない”と述べたことが伝えられ、1ドル=105円台後半へと円高・ドル安が加速し、日経平均も売り直された」との見方が出ていた。
日程面では、1月の景気動向指数(7日)、10~12月期のGDP改定値、1月の国際収支、2月の景気ウォッチャー調査、2月の都心オフィス空室率(8日)、日銀金融政策決定会合(8~9日)、黒田日銀総裁会見、1月の家計調査、2月のマネーストック、メジャーSQ算出日(9日)に注目。
海外では、中国で全国人民代表大会開催、米2月のISM非製造業景況指数(5日)、米2月のADP雇用統計、米1月の貿易収支(7日)、ECB定例理事会(ドラギ総裁会見)、中国2月の貿易収支(8日)、米2月の雇用統計、中国2月の消費者物価・生産者物価、韓国・平昌冬季パラリンピック開催(18日まで)が焦点になる。(冨田康夫)
出所:みんなの株式(minkabu PRESS)