利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第3弾 31社選出 <成長株特集>
本特集では、1月下旬から2月中旬までの決算集中期間に随時配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。東証1部銘柄を対象とした第1弾(3月8日配信)、第2弾(3月11日配信)に続き、今回は東証2部上場銘柄と新興市場(マザーズ、ジャスダック)を対象に、17年10-12月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ通期計画も最高益を見込む、いわゆる利益成長が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップしてみた。
下表では、本決算月にかかわらず、直近3ヵ月実績の10-12月期に経常利益が全四半期ベースで過去最高益を5%以上、上回って更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している31社を選び出し、10-12月期経常利益の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのはAbalance <3856> [東証M]。同社はソフト開発を祖業とするが、2011年11月にWWBを子会社化したのを機に主力事業を太陽光発電に移行。17年10-12月期(第2四半期)は第3四半期に販売を計画していたソーラー発電システムの大型案件の引き渡しが前倒しとなり、経常利益は四半期ベースの過去最高益を3.8倍も上回る9億円に拡大して着地。直近では13日にカンボジア政府と太陽光発電所開発プロジェクトの覚書を結んだと発表しており、新たな成長エンジンとして期待される。
2位のリミックスポイント <3825> [東証2]はビットコイン価格の急騰を背景に、子会社ビットポイントジャパンが運営する仮想通貨取引所で手数料収入が拡大し、10-12月期(第3四半期)の連結経常利益は前年同期(非連結)の500万円から6億2900万円に急拡大した。3位は展示会やイベントなどの企画・制作を主力とする博展 <2173> [JQG]。10-12月期は「東京モーターショー2017」をはじめ複数の大型案件を獲得したことに加え、採算を重視した選別受注やコスト管理の徹底なども利益拡大に貢献した。同社はAIを搭載したコミュニケーションロボットの開発を手掛けるタケロボを傘下に持つことから、AI関連銘柄としても注目を集めている。
4位のラクス <3923> [東証M]は主力のクラウド事業で経費精算システム「楽楽精算」の高成長が続いたうえ、メール管理システム「メールディーラー」の受注も伸びた。株価は軟調な全体相場に逆行し、上場来高値を更新中だ。5位のマークラインズ <3901> [JQ]は自動車産業に特化した有料ポータルサイトの契約企業数の増加が続いた。マークラインズも株価は頑強な値動きをみせている。
6位のハーモニック・ドライブ・システムズ <6324> [JQ]は産業用ロボット向け減速装置の受注が急増したうえ、昨年3月に連結子会社化したドイツ社の業績上乗せも収益を押し上げた。7位のイワキポンプ <6237> [東証2]は半導体・液晶製造関連や表面処理装置向けケミカルポンプの好調が続き、4期連続で四半期ベースの過去最高益を更新した。業績好調を踏まえ、15日に18年3月期の経常利益と配当予想を大幅上方修正している。
7位にランクインしたのは食用天然色素最大手の仙波糖化工業 <2916> [JQ]。10-12月期(第3四半期)は粉末茶やヘルスケア関連製品などの販売好調に、構造改革効果も加わり、33四半期ぶりの過去最高益を達成した。4-12月期経常利益はすでに通期計画を上回っており、業績上振れが確実視される。また、11位のイハラサイエンス <5999> [JQ]は半導体・液晶製造装置関連の旺盛な設備投資需要を背景に、継ぎ手やクリーンバルブの受注が大きく伸び、43四半期ぶりの大復活を遂げた。株価は上場来高値圏にあるが、予想PERは11.4倍と割安感が強くさらなる上値が期待される。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 10-12月 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<3856> エーバランス 280 904 238 71.6 731 426 15.3
<3825> リミックス 152 629 250 845 3139 332 26.8
<2173> 博展 80.6 307 170 16.7 440 377 27.4
<3923> ラクス 37.6 410 298 21.0 1176 972 96.6
<3901> Mラインズ 24.4 199 160 17.3 746 636 47.1
<6324> ハーモニック 23.3 3911 3173 60.8 12800 7958 77.7
<6237> イワキポンプ 23.0 899 731 26.0 2691 2136 14.3
<2916> 仙波糖化 21.8 341 280 0.4 730 727 19.7
<5742> NIC 21.7 336 276 13.8 948 833 15.0
<3359> タイセイ 19.0 163 137 4.2 344 330 29.5
<5999> イハラサイエ 18.6 1058 892 9.8 3300 3006 11.4
<3954> 昭和パックス 17.3 467 398 2.6 1332 1298 8.4
<7172> JIA 16.9 2213 1893 43.7 6000 4176 29.8
<4595> ミズホメディ 15.7 539 466 7.8 917 851 40.2
<3929> Sワイヤー 15.4 105 91 61.1 340 211 48.1
<1381> アクシーズ 12.0 1016 907 1.4 3100 3058 13.4
<7315> IJTT 11.9 2832 2530 31.3 8000 6093 8.9
<7564> ワークマン 11.8 4237 3789 5.2 11290 10735 27.5
<1413> 桧家HD 11.1 3820 3438 8.3 6800 6278 9.9
<9707> ユニマRC 9.8 674 614 1.5 1810 1784 7.4
<4966> 上村工 9.6 2624 2395 2.6 8140 7934 15.2
<3853> インフォテリ 8.6 164 151 41.9 430 303 90.7
<2412> ベネ・ワン 8.4 1785 1646 21.4 6950 5727 53.8
<6030> アドベンチャ 7.9 150 139 22.2 500 409 133
<6533> オーケストラ 7.7 112 104 22.3 444 363 29.5
<6166> 中村超硬 7.5 589 548 0.7 1450 1440 22.6
<2477> 手間いらず 6.7 174 163 25.5 600 478 65.3
<4409> 東邦化 6.1 971 915 8.7 1950 1794 11.3
<6670> MCJ 5.5 2493 2364 6.8 8013 7503 12.6
<3934> ベネフィJ 5.2 203 193 10.8 731 660 17.1
<9059> カンダ 5.2 628 597 9.2 1870 1712 12.9
※ 2016年10月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
株探ニュース