【杉村富生の短期相場観測】 ─ 基本的に個別物色、各論(銘柄)勝負!
「基本的に個別物色、各論(銘柄)勝負!」
●企業の稼ぐ力、円高対応力は評価できるが…
基本的に個別物色の展開だろう。そう、徹底した各論(銘柄)勝負である。インデックス(日経平均株価、TOPIXなど)には期待できない。外部環境が不透明すぎる。本格反騰に転じるには日米ともに、政治の安定が不可欠だろう。
円高圧力が存在するのも気掛かりだ。輸出企業の想定為替レートは1ドル=109円66銭といわれている。野村証券は「2018年末に118円」としていた為替予想を「110円」に変えた。これでも甘い。おそらく、105~106円の為替水準では2018年度の企業業績は減益の可能性がある。
もちろん、企業の稼ぐ力、円高対応力の充実は否定しない。1996年6月26日に日経平均は2万2666円の戻り高値をつけている。この時点の上場企業の最終利益は5兆円だった。それが今年度は45兆円と激増する。
さらに、2015年6月24日(日経平均が2万0868円の戻り高値を示現した局面)の為替は1ドル=124円30銭だった。日経平均の1株利益は1257円だ。それが直近では約18円の円高にもかかわらず、日経平均の1株利益は1703円と、35.5%増える。
●物色テーマ&注目している銘柄は?
5兆円→45兆円、1257円→1703円、これこそが稼ぐ力、円高対応力である。このデータが生きている限り、相場の大崩れは考えにくい。それと、現在の日経平均の予想PERは13倍を割り込んでいる。外国人売りが主因だが、こんなところは中・長期的には「断固カイ」である。
とはいえ、戦術的には「テーマ性を有する元気な小物にマト」を絞るべきだろう。特に、足元はそうだ。もっとも、筆者は昨年来、一貫しそう(森を見るな)と、主張しているが…。
テーマ的にはこの局面ではRPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)、オンライン診療、5G(次世代通信網)、無人レジ・電子レシート、スマホ決済(QRコードの規格統一)などに妙味があろう。
具体的にはオンライン診療のメドピア <6095> [東証M]、MRT <6034> [東証M]、RPA関連のAGS <3648> 、インフォコム <4348> [JQ]、アイティフォー <4743> などに注目できる。
このほか、筆者はエル・ティー・エス <6560> [東証M]、テックポイント・インク <6697> [東証M]、AGS <3648> 、ジェクシード <3719> [JQ]などに注力している。金融システムを手掛けるAGSは売上高の3割がりそなグループ向けだ。おもしろい展開となろう。
2018年3月15日 記
株探ニュース