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2018年3月17日 19時30分
特集

進むアマゾン包囲網! “生鮮食品宅配”ウォーズで騰がる株 <株探トップ特集>

―ネットとリアルの融合で迎え撃つ、勝利を呼ぶ戦略的提携の未来図は―

食品通販市場を巡る競争が激化している。ネット通販世界最大手の米アマゾン・ドット・コムの日本法人が2017年4月から生鮮宅配「アマゾンフレッシュ」を開始したことをきっかけに、国内企業の間では対抗手段としてネットとリアル(実店舗)を融合する動きが活発化。大手スーパーのほか、コンビニなども巻き込んだ顧客の争奪戦が過熱している。

●セブン&アイ・アスクル連合でアマゾンに対抗

巨人襲来を受け、いち早く動いたのがセブン&アイ・ホールディングス <3382> だ。同社はアスクル <2678> と提携し、17年11月から新業態の生鮮EC(電子商取引)「IY フレッシュ」をスタートさせた。セブン&アイ傘下のイトーヨーカドーは01年からネットスーパー を展開しているが、店ごとに配送体制を持つ仕組みには効率が悪いといった面があった。アスクルが運営するネット通販「LOHACO(ロハコ)」の1時間単位指定配送を活用することで、配送コストの削減と利便性を高めアマゾンに対抗している。

●楽天は米ウォルマートとネットスーパー展開へ

今年に入ると、楽天 <4755> が1月、米小売り大手のウォルマート・ストアーズと日本でネットスーパーを展開すると発表した。ウォルマート傘下の西友(東京都北区)と「楽天西友ネットスーパー」を協働運営することを目的とした新会社を設立し、18年12月期第3四半期(7-9月)にサービスを開始する予定。このネットスーパーでは生鮮食品や日用品のほか、楽天のサイトで扱う地域産品などを取り揃え、ビッグデータAI(人工知能)を活用して顧客に最適な商品を提案する考えだ。

●ローソンは店舗で生鮮品受け取り

さらに、ローソン <2651> は3月6日、生鮮食品を店舗で受け取ることができる「ローソン フレッシュ ピック」を東京都世田谷区や渋谷区、神奈川県川崎市、横浜市の一部地域(約200店舗)で開始。既に生鮮品のネット通販を手掛けているが、決まった時間に商品を受け取りにくい単身者や共働き世帯のニーズに応えるかたちで新サービスに乗り出した。同社の強みはネット勢に比べ多くの実店舗を持つことで、新サービスでは朝8時までに予約すると18時以降に店舗で受け取ることが可能。新たな利用者を呼び込むことで、“ついで買い”なども期待できそうだ。

●イオンはソフトバンク、ヤフーと提携協議

このほか、2月上旬には各メディアが、イオン <8267> とソフトバンクグループ <9984> 、ヤフー <4689> の3社が共同で、インターネット通販事業に乗り出すと報じた。正式な発表はまだ行われていないが、イオンの広報担当者は「現在は協議中の段階。マーケットプレイス(売り手と買い手が自由に参加できるネット上の取引市場)の形態を含め、互いの強みを生かせる仕組みを構築したい」とコメント。イオンは20年に向けた取り組みのひとつとして、ECやネットスーパーを主軸とした「デジタルシフト」を掲げており、グループの売上高比率を16年の0.7%から20年には12%に高める目標を打ち出している。

●食品分野のEC化率低く成長余地

各社が生鮮品の宅配事業に注力している背景には、ライフスタイルの変化やスマートフォンの普及などによって、インターネットで食品を購入する家庭が増えていることが挙げられる。経済産業省が17年4月に公表したECに関する市場調査によると、食品・飲料・酒類の16年のBtoC(一般消費者向け電子商取引)市場規模は1兆4503億円(15年比10.2%増)と順調に拡大。一方で、EC化率(商取引市場全体に対するEC市場の割合)は2%強にとどまっており、成長余地は大きいといえる。

こうしたなか、17年9月にはユーグレナ <2931> とメルカリ <4385> が、全国の農家や漁師がスマホから出品するオンラインマルシェを運営するポケットマルシェ(岩手県花巻市)に出資。

ネットとリアルの融合では、トリドールホールディングス <3397> の関連会社であるバルーンが1月に東京・東雲にあるタワーマンション内に生鮮のネット通販商品を扱う実店舗を出店したほか、「築地銀だこ」を展開するホットランド <3196> は今期に核となる桐生工場(群馬県)で冷凍たこ焼きなどの製造ラインを整備し、冷凍市販品の製造販売事業に注力する計画。JR東日本 <9020> は3月26日から、ネット通販とエキナカ受け取り機能を備えたショッピングサイト「JRE MALL(ジェイアールイー・モール)」をオープンする予定だ。

●オイシックスドット大地は同業を子会社化

ネット通販企業や総合スーパーなどによる生鮮食品宅配市場への参入で注目されるのが、野菜のネット通販というニッチな分野を切り開いてきたオイシックスドット大地 <3182> [東証M]の動向だ。同社は1月にNTTドコモ <9437> と資本・業務提携で合意するとともに、ドコモグループで同業の「らでぃっしゅぼーや」の全株式を2月28日付で取得。これにより連結売上高は550億円(18年3月期予想は380億円)を超える規模となる見通しで、マーケティングノウハウの共有など体制を強化することで競争が激化する成長市場での存在感を高める。

●SBSHD、丸和運輸機関、ファイズに商機

生鮮宅配市場のさらなる成長が見込まれるなか、課題となるのが配送だ。深刻化する人手不足の対策として宅配大手は総量抑制に動いており、通販事業者は独自の配送網構築が欠かせない。その担い手となるのが軽貨物便で、通販宅配を手掛けるSBSホールディングス <2384> や丸和運輸機関 <9090> 、ファイズ <9325> [東証M]に商機。個別管理型冷蔵ロッカーのノウハウを持つ福島工業 <6420> のビジネス機会拡大にも期待したい。

株探ニュース

編集部注:メルカリの上場決定を受け、コード番号を5月14日に追記

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