欧米為替見通し:ドル・円は下値の堅い展開か、米FOMC見極めで売りは慎重

通貨
2018年3月19日 17時25分

今日の欧米外為市場では、ドル・円は下値の堅い展開を予想する。クロス円の弱含みがドル・円の下げを主導する見通し。ただ、明日から始まる米連邦公開市場委員会(FOMC)を見極めたいとのムードが広がり、ドル売りは仕掛けづらい地合いとなりそうだ。

3月に入ってクロス円のさえない値動きが顕著だ。ユーロ・円は、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁をはじめ当局者が出口戦略に対して慎重姿勢を維持していることから、ユーロ売りを誘発。週明けアジア市場では3月5日以来、2週間ぶりに節目の130円を割り込んだ。また、英国で発生したロシア軍情報機関元幹部の暗殺未遂事件をきっかけに英国とロシアが相互に報復措置を決定するなど関係悪化が顕著となり、ポンド・円は弱含みが続く。

さらに、日本では国内大手メディアによる週末の世論調査で、安倍内閣の支持率が急落。森友学園の土地取引に関する公文書書き換えに関連し、今後の野党の追及次第では安倍首相の政権運営に打撃となる可能性もあり、本日の日経平均株価は値を下げる展開となった。それを受け、ドル・円は106円を割り込む展開。ある市場筋は「全般的なリスク回避の流れを背景にクロス円が下げやすく、ドル・円を押し下げる手がかりになっている」との見方を示す。目先の取引も円買いに振れやすい値動きとなりそうだ。

一方、米連邦準備制度理事会(FRB)が20-21日に開催するFOMCを控え、ドルは売りづらい面もあろう。今回の会合で利上げは織り込まれたが、市場では今年の利上げ回数について3回もしくは4回と見方が分かれており、2月に就任したばかりのパウエル議長の記者会見を見極めたいとのムードが広がる。足元のドル・円は105円台での取引が目立つが、終値ベースでは5日以降106円台を維持し、下値の堅さが意識されている。今晩の海外市場では重要イベントが予定されておらず、円買い先行もドル・円は106円付近を維持しそうだ。

【今日の欧米市場の予定】

・19:00 ユーロ圏・1月貿易収支(12月:+254億ユーロ)

・22:40 ボスティック米アトランタ連銀総裁が討論会参加(地域再投資関連)

・G20財務相・中銀総裁会議(20日まで、ブエノスアイレス)

《FA》

提供:フィスコ

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