NYの視点:FOMC、2018年4回の利上げも示唆、タカ派色弱いとの見方も

経済
2018年3月22日 8時13分

米連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り政策金利であるFF金利誘導目標と25ベーシスポイント引き上げ1.50-1.75%とすることを決定した。注目となっていた2018年度の利上げ軌道で、中間値3回と、前回12月の水準が維持された。しかし、2019年から2020年の金利予想は引き上げられた。また、2018年に関して中央値は変わらなかったものの、3回以上の利上げを予想していたメンバーは15人中13人で、12月16人中10人から増えた。このため、4回の利上げの可能性も考慮されたことになる。

さらに、2018年、2019年の国内総生産(GDP)の成長率見通しも引き上げられた。また、失業率の見通しも引き下げられた。一方で、インフレ見通しは2018年のコア、総合とも据え置かれている。

一方、声明の中で、景気判断が「経済活動はmoderate rate緩やかなペースで拡大」とし、前回の「solid rate堅調なペース」から下方修正された。また、雇用、支出、ビジネスの投資では、前回の「堅調」から、「強かった第4四半期から和らいだ」に下方修正された。

前回FOMCの予測が発表された12月時点で、メンバーの半分は税制改革の成立を織り込んでいなかった。また、予想を上回る歳出パッケージも織り込んでいないことを考えると、全般的にハト派な見通しにとどまったとの指摘もある。ドルの上昇ペースは再び限定的となる。

■声明&見通しポイント

◎タカ派

「労働市場は引き続き強まった」

「経済活動は緩やかなペースで拡大」

「GDP見通し:2018年:2.7%(12月2.5%)、

2019年2.4%(2.1%)」

「失業率見通し:2018年:3.8%(12月3.9%)、

2019年:3.6%(3.9%)、

2020年3.6%(4.0%)、

長期5.4%(4.6%)」

「FF金利誘導目標見通し2018年中間値:2019年:2.9%(12月2.7%)、

2020年3.4%(12月3.1%)」

「3回以上の利上げ予想:15人中13人、(12月16人中10人)

◎ハト派

「経済活動は緩やかなペースで拡大」

(12月「solid rate堅調なペース」から下方修正)

「最近の指標で、支出、投資は強かった第4四半期から伸びが緩やかになった」

「FF金利誘導目標見通し2018年中間値L2018年:2.1%(12月2.1%)」

「インフレ見通し:2018年:1.9%(12月1.9%)、2019年2.0%(12月2.0%)」

「コアインフレ:2018年1.9%(1.9%)」

■パウエルFRB議長会見のポイント

◎タカ派的

「一段と緩やかな利上げ、FRB目標達成に最善」

「ほとんどのメンバー、12月から見通し引き上げ」

「遅すぎる利上げは経済のリスクを生む」

◎ハト派的

「インフレや賃金の圧力は非常に緩やか」

「テータで、インフレが加速する兆候なし」

《CS》

提供:フィスコ

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