話題株ピックアップ【夕刊】(1):リニカル、MDV、ニトリ
■リニカル <2183> 2,065円 +289 円 (+16.3%) 本日終値 東証1部 上昇率トップ
リニカル <2183> が5連騰。27日、米子会社を通じ、医薬品開発業務受託(CRO)事業を展開する米Accelovance社の全株式を取得し子会社化すると発表しており、海外展開の加速による業績拡大に期待する買いが向かった。取得価額は34.7億円。Accelovance社は米国を拠点に欧米や中国で、同社が注力するがん領域の臨床試験を含め、グローバル大手製薬企業や製薬ベンチャー企業に対する国際共同試験をはじめとする豊富な試験の実施経験を持つ。また、ワクチン領域も高品位のCROサービスを提供している。同社は今回の買収により、製薬会社の北米を含むグローバル開発ニーズの取り込みを狙う。
■MDV <3902> 4,525円 +565 円 (+14.3%) 本日終値 東証1部 上昇率2位
27日、メディカル・データ・ビジョン <3902> が4月30日現在の株主を対象に1→2の株式分割を実施すると発表したことが買い材料。最低投資金額が現在の2分の1に低下することから、株式流動性の向上と投資家層の拡大を期待する買いが向かった。
■クスリアオキ <3549> 7,600円 +390 円 (+5.4%) 本日終値
クスリのアオキホールディングス <3549> が大幅反発し、上場来高値を更新した。27日、3月の既存店売上高が前年同月比7.3%増に伸びたと発表しており、これを好感する買いが向かった。既存店売上高の前年同月比プラスは今期に入り10ヵ月連続となる。客数4.1%増、客単価3.1%増とともに伸長した。また、全店売上高はドラッグストア7店舗、併設の調剤薬局を2薬局出店したことで、同21.2%増に拡大している。
■ユーグレナ <2931> 1,029円 +45 円 (+4.6%) 本日終値
ユーグレナ<2931>が続伸。27日の取引終了後、微細藻類ユーグレナ(和名「ミドリムシ」)粉末の熱水抽出物(以下、ユーグレナ熱水抽出物)をヒト脂肪組織由来幹細胞に添加することで、脂肪滴の蓄積を抑制する効果を確認したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。脂肪滴とは、細胞内に観察される脂質が球状に蓄積した液滴のこと。今回の試験では、脂肪細胞への分化を誘導する試薬を添加したヒト脂肪組織由来幹細胞に、ユーグレナ熱水抽出物を濃度別に添加した区と、添加しない区(コントロール)を設定し、脂肪細胞への分化による脂肪滴蓄積の状態を比較したところ、ユーグレナ熱水抽出物を添加した区において、コントロールと比較して脂肪滴の蓄積が有意に抑制されていたという。また同時に、脂肪細胞の分化に関連する遺伝子の発現量を測定したところ、脂肪細胞の分化に関連する遺伝子の発現が抑制されていたという。これにより同社ではユーグレナ熱水抽出物は脂肪細胞分化に関連する遺伝子の発現を抑制し、その結果、脂肪滴の蓄積を抑制することで、肥満予防に関与している可能性が示されたとしている。
■JCRファーマ <4552> 5,570円 +220 円 (+4.1%) 本日終値
JCRファーマ<4552>が続伸。27日の取引終了後、現在開発を進めている血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo」を適用した血液脳関門通過型ハンター症候群治療酵素製剤(開発番号「JR-141」)が、厚生労働省から「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定されたと発表しており、開発のスピードアップを期待した買いが入った。先駆け審査指定制度は、一定の要件を満たす画期的な新薬について、薬事承認にかかる相談や審査における優先的な取り扱いの対象とし、迅速な実用化を図るもの。今回、対象品目に指定されたJR-141は、前年に実施した第1/2相臨床試験の結果、安全性に問題はなく、さらに薬剤が血液脳関門を通過して中枢神経系に作用したと推定される良好な結果が得られたとしており、18年中に第2/3相臨床試験を開始し、19年には世界に先駆けて日本で製造販売承認申請をする予定としている。
■EPSホールディングス <4282> 2,201円 +70 円 (+3.3%) 本日終値
27日、EPSホールディングス <4282> が発行済み株式数(自社株を除く)の2.95%にあたる136万株(金額で30億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は4月2日から12月20日まで。
■中部電力 <9502> 1,502.5円 +46.5 円 (+3.2%) 本日終値
中部電力 <9502> が続伸。27日、18年3月期の連結経常利益を従来予想の1100億円→1250億円に13.6%上方修正し、従来の9.5%減益予想一転して2.9%増益見通しとなったことが買い材料視された。冬季の気温低下で販売電力量が増加したうえ、円高進行で期ずれ差損が縮小したことも寄与した。併せて、今期の年間配当を従来計画の30円→35円(前期は30円)に増額修正したことも支援材料となった。なお、火力発電所などの減損損失を計上したことで、最終利益は750億円→700億円に6.7%下方修正している。
■ニトリホールディングス <9843> 18,585円 +515 円 (+2.9%) 本日終値
ニトリホールディングス<9843>が続伸。27日の取引終了後に発表した19年2月期の連結業績予想で、売上高6140億円(前期比7.3%増)、営業利益990億円(同6.0%増)、純利益680億円(同5.9%増)と32期連続で営業最高益更新を見込んでいることを好感。また、年間配当を前期の92円から97円へ増配する予定であることも好材料視されたようだ。18年2月期は、都心部での大型店や百貨店への出店、新小型店フォーマット「ニトリEXPRESS」の展開などを進めたことが業績向上に寄与したが、今期も国内や中国で積極的な出店を進めるもよう。また、ホームファッション商品で接触冷感素材を使用した「Nクール」や吸湿発熱素材を使用した「Nウォーム」なども引き続き伸長が期待されている。なお、18年2月期連結決算は売上高5720億6000万円(前の期比11.5%増)、営業利益933億7800万円(同8.9%増)、純利益642億1900万円(同7.0%増)だった。国内で39店舗の出店を行ったことに加えて、既存店売上高が前の期比2.9%増となったことが寄与。また、「Nクール」や「Nウォーム」などPBの高付加価値商品が伸びたことも貢献した。
■リソー教育 <4714> 769円 +15 円 (+2.0%) 本日終値
リソー教育<4714>が後場上げ幅を拡大。この日正午ごろ、19年2月期の連結業績予想について、売上高242億円、営業利益25億1000万円、純利益15億円と発表しており、18年2月期推定比で3.7%営業増益を見込んでいることが好感された。18年2月末のTOMAS生徒数が前年同月比9.4%増、名門会は同3.3%増、伸芽会が同16.7%増となり、いずれも順調に推移していることから、5期連続の営業増益を見込んでいるという。
■メタップス <6172> 2,703円 +52 円 (+2.0%) 本日終値
メタップス<6172>が高い。同社は人工知能(AI)関連を活用したビッグデータ解析を行っている。27日取引終了後、Y&N Brothers(東京都千代田区)とデジタルコンテンツ開発事業を展開する合弁会社エンタメバンクを設立することを発表。まずはテレビ局や芸能事務所と連携し、SNSやインターネットを活用したタレントの活動支援を行う予定で、これを材料視する買いを呼び込んだ。
株探ニュース