“値つかずスタート”RPAに続くのは、熱視線「直近&4月IPO」次の狙い <株探トップ特集>

特集
2018年3月27日 19時30分

―不透明相場でも衰えない物色、将棋AI「ポナンザ」のHEROZは人気化必至―

27日の日経平均株価は大幅続伸した。米国の保護主義懸念の後退が好感された。ただ、相場は調整色を濃くするなかの乱高下状態にあり、先行き不透明感は残る。こうしたなか、高い関心を集めているのがIPO銘柄だ。この日、新規上場したRPAホールディングス <6572> [東証M]は成長期待からの買いが集まり値はつかなかった。4月も人工知能(AI)関連の注目銘柄、HEROZ(ヒーローズ) <4382> [東証M]が登場するなど、市場の関心は高くIPO人気は続きそうだ。

●上場初日RPAは買い人気殺到、アジャイルにも上昇期待

27日の株式市場では、東証マザーズに新規上場したRPAに買い人気が殺到。公開価格(3570円)から2.3倍の8220円まで気配値を切り上げ、初値はあすに持ち越された。同社は「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」と呼ばれるホワイトカラーの自動化技術を手掛ける。RPAは「デジタルレイバー」や「仮想知的労働者」と呼ばれ、慢性的な人手不足に悩む日本企業からの需要は、今後急拡大が見込まれている。この日は、その成長性に注目した買い資金が同社株に集中した格好だ。

3月は1年のなかでもIPOが集中する時期で、今年は14社が上場する。28日以降もアジャイルメディア・ネットワーク <6573> [東証M]や不動産売買・賃貸・管理のアズ企画設計 <3490> [JQ]、和装小物の販売と着物レンタルの和心 <9271> [東証M]、住宅設備の保証サービスなどの日本リビング保証 <7320> [東証M]の4社が上場を予定している。いずれも公募・売出などによる資金吸収金額は大きくなく、堅調な初値が見込まれている。

とりわけ、28日のアジャイルメディア・ネットワークはソーシャルメディアの口コミを分析し、販売促進や商品開発するサービスを行っており、RPAと同様に人気化が期待されている。

●4月も初値は高騰観測、「HEROZ」はPKSHA型の上昇も

4月は8社の新規上場が予定されている。3月に比べれば、若干ながら数は減るものの16年、17年の実績(5社)に比べ高水準。内訳は、東証マザーズが7社でジャスダックが1社という顔ぶれ。やはり、資金吸収額は数億円程度の銘柄が多く、「初値は飛ぶ状況になるのではないか」(小型株アナリスト)とみられている。

そのなかでも、熱視線が注がれているのが、20日に東証マザーズに上場するHEROZだ。同社は将棋ソフトなどを開発するAIベンチャー。同社の将棋ソフト「Ponanza(ポナンザ)」は17年5月の「第2期 電王戦」で佐藤天彦名人に圧勝したことで一躍脚光を浴びた。

想定されている資金吸収金額は7億円程度。市場では、同社と資本・業務提携するハーツユナイテッドグループ <3676> やコーエーテクモホールディングス <3635> 、バンダイナムコホールディングス <7832> などが、HEROZ関連株として注目されている。HEROZに関しては、昨年8月に東証マザーズに新規上場しAI人気で値を飛ばしたPKSHA Technology <3993> [東証M]型の上昇が期待されている。

●ビープラッツやブティックス、ベストワンドットコムなどに期待

また、4月IPOでは4日に東証マザーズに新規上場するビープラッツ <4381> [東証M]も注目される。同社はサブスクリプション(従量課金)のためのプラットフォームシステムを提供。想定される資金吸収額は3億円強と小さい。IoT(モノのインターネット)に絡み成長期待が高く、株価も人気化が期待されている。

3日にマザーズに上場するブティックス <9272> [東証M]は、介護用品のEコマース(電子商取引)を展開。やはり吸収金額も大きくなく、初値は値を上げることが見込まれる。11日に東証マザーズに上場するコンヴァノ <6574> [東証M]は、ネイルサロンを展開しており、着実な成長が予想されている。25日に東証マザーズに上場するアイペット損害保険 <7323> [東証M]はペット保険事業を展開。同業のアニコム ホールディングス <8715> の株価は堅調であり、同社株にも連想買いが見込まれている。

25日に東証マザーズに上場するベストワンドットコム <6577> [東証M]はクルーズ旅行に特化したオンライン予約サイトを運営。同社の澤田秀太社長はエイチ・アイ・エス <9603> の会長兼社長である澤田秀雄氏の長男であることも話題となっている。

●SOUなどに直近IPO人気、QBネットHDは中長期姿勢で

4月にかけ直近IPO人気も継続しそうだ。足もとでは3月上場のWi-Fiサービス提供のファイバーゲート <9450> [東証M]やブランド・貴金属買い取りおよび販売のSOU <9270> [東証M]などが物色されている。有機化合物の受託研究の神戸天然物化学 <6568> [東証M]や投資用不動産のフェイスネットワーク <3489> [東証M]なども再度、見直されそうだ。全体相場が軟調ななか、公開価格2250円を6%下回って初値をつけたキュービーネットホールディングス <6571> は、中長期スタンスでの上昇が期待されている。

●28日以降、予定されているIPO        

上場日 コード 市場   銘柄名              主幹事

3月  28日 <6573> 東証M  アジャイルメディア・ネットワーク みずほ

29日 <3490> JQ   アズ企画設計           みずほ

29日 <9271> 東証M  和心               SMBC日興

30日 <7320> 東証M  日本リビング保証         みずほ

4月  3日 <9272> 東証M  ブティックス           野村

4日 <4381> 東証M  ビープラッツ           野村

10日 <6575> 東証M  ヒューマン・アソシエイツHD   大和

11日 <6574> 東証M  コンヴァノ            野村

20日 <4382> 東証M  HEROZ            SMBC日興

25日 <7323> 東証M  アイペット損害保険        大和

25日 <6577> 東証M  ベストワンドットコム       SMBC日興

27日 <6578> JQ   エヌリンクス           SBI

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