話題株ピックアップ【夕刊】(3):昭電工、キユーピー、IPS

注目
2018年4月4日 15時22分

■昭和電工 <4004>  3,895円  -635 円 (-14.0%) 一時ストップ安   本日終値  東証1部 下落率3位

昭和電工<4004>が急落。中国の生産拡大に伴い黒鉛電極の需給が緩むとの見方がネガティブ材料。市場では「きょうは黒鉛電極の需給悪化見通しをベースに国内大手証券が同社株のレーティングを引き下げるとともに目標株価を6700円から4700円に2000円引き下げたことがネックとなった。チャート的には2月下旬に高値形成後値を崩し、足もとは下値リスクが警戒されるチャートだったこともあって、売りのターゲットにされた格好。ただ、米中貿易摩擦の問題や世界景気減速への懸念とはリンクしない話で全体相場への影響は限定的」(準大手証券ストラテジスト)としていた。なお、きょうは黒鉛電極を手掛ける東海カーボン<5301>や日本カーボン<5302>も大きく売り込まれ、値下がり率で上位3銘柄はこの3社が占めた。

■キユーピー <2809>  2,514円  -256 円 (-9.2%)  本日終値  東証1部 下落率5位

キユーピー<2809>が急落し年初来安値を更新。3日取引終了後、18年11月期第1四半期の連結業績を発表し、売上高は1372億1200万円(前年同期比3.9%増)、営業利益は57億2500万円(同2.7%増)、純利益は32億4700万円(20.5%増)と増収増益だったが、営業利益の上期計画156億円に対する進捗率が36.7%と低かったことが嫌気された。中食市場向けのカット野菜や総菜が好調に推移したことに加え、付加価値品の伸長や不採算商品の見直しなどが進み増収増益だったものの、労務費などのコスト増が利益を圧迫した。18年11月期通期の連結業績予想は、売上高5800億円(前期比3.3%増)、営業利益330億円(同5.6%増)、純利益186億円(同2.8%増)と、5期連続の営業最高益を見込む従来予想を据え置いている。

■JT <2914>  3,003円  -55 円 (-1.8%)  本日終値

JT<2914>が反落。SMBC日興証券が3日付で投資評価を「1」から「2」とし、目標株価を4700円から3000円へ引き下げたことが弱材料視されたようだ。同証券では、たばこの国際的な規制強化が、喫煙場所やパッケージの制限から、ニコチン含有量の引き下げやフレーバーの制限など、たばこそのものへの規制に変容していると指摘。リスク低減製品の競争激化のなか、値上げで安定的に利益を増幅してきた同社のたばこ事業の収益構造が中長期的に堅持できない恐れがあるとしており、国内ではこのリスクの顕在化と加熱式たばこの台頭により、同社の価格支配力の低下が懸念されるとしている。

■日本プリメックス <2795>  1,020円  +150 円 (+17.2%) ストップ高   本日終値

日本プリメックス<2795>はストップ高。産業用ミニプリンター開発を手掛け、富士通製やシャープ製商品の販売も行っている。同社はチケットやクーポンの発券、ホテル、病院、パーキングなどさまざまな自動精算機で導入されるセルフサービス情報端末「KIOSK」向けプリントソリューションで商機をつかんでいる。18年3月期は営業利益段階で前期比23%増の5億1700万円を会社側では計画、19年3月期も増収増益基調の継続が予想される。株価指標面からもPER、PBRともに割高感はない。

■アイ・ピー・エス <4335>  720円  +100 円 (+16.1%) ストップ高   本日終値

アイ・ピー・エス<4335>がストップ高に買われ、年初来高値を更新した。SAPジャパン(東京都千代田区)は3日、紙製品や産業包装用品の製造販売を行うマルアイ(山梨県西八代郡)にERP(統合基幹業務システム)パッケージ「エスエーピー・ビジネススイート」が採用されたと発表。システム構築はIPSが担当していることが明らかとなり、これが材料視されたようだ。IPSは、SAP社が提供するSAP ERPの導入・本番稼働後のシステム運用・保守サポートにおいて、顧客の業務改革を支援する企業。1997年の設立以来80社以上の導入実績を持つ、SAP社のプラチナパートナーの1社となっている。

■アジア航測 <9233>  935円  +100 円 (+12.0%) 一時ストップ高   本日終値

アジア航測<9233>が値を飛ばし、一時値幅制限いっぱいの150円高は985円まで買われる場面があった。4月18日から幕張メッセで「国際ドローン展」が開催予定であることもあって、ドローン関連株への人気が高まっている。そのなか、同社はドローンの研究で先駆しており、最近では共同で進めていたドローンによる水中レーザー測量システムの実証試験が成功したことを発表、関連有力株として脚光を浴びた経緯がある。

■アイネット <9600>  1,722円  +138 円 (+8.7%)  本日終値  東証1部 上昇率4位

アイネット<9600>が3日ぶり急反発。同社は受託システム開発や運用を手掛けるが、ドローン事業に積極注力していることが特長。2016年9月にITソリューション企業のトライポッドワークス(宮城県仙台市)とドローンを活用した先進IoT事業で提携している。また、昨年5月には千葉県君津市にドローン飛行場を開設し、ドローン事業を検討する企業への実証実験場として提供している。日本では2015年にドローンが首相官邸に落下する事故が起きたことで、同年9月に航空法の一部を改正、ドローンの飛行方法や飛行可能な地域に厳しい制限をかけてきた。しかし、世界の動きを横目に政府はこれらの規制を緩和してドローンの研究開発を後押しする方針に切り替えており、これが同社にとっても追い風材料として意識される。

■ソルクシーズ <4284>  1,101円  +70 円 (+6.8%)  本日終値  東証1部 上昇率9位

ソルクシーズ<4284>が急伸。保険や証券向けを中心にシステム受託開発を手掛け、ブロックチェーン技術への取り組みに積極的。SBIグループに属し、仮想通貨サービス分野での活躍が期待されている。ロボットを活用したIoTサービスや、フィンテックビジネスを拡大するSBIグループへの技術協力などを行っている。IoTサービスは人工知能(AI)分野を絡めビジネスチャンスを拡大していく構えにあり、AI関連の一角としても人気が加速している。

●ストップ高銘柄

山陽百貨店 <8257>  3,330円  +500 円 (+17.7%) ストップ高   本日終値

買取王国 <3181>  1,068円  +150 円 (+16.3%) ストップ高   本日終値

など、4銘柄

●ストップ安銘柄

なし

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