見えてきた“底堅さ”、戻り相場で期待の「信用好取組」14銘柄 <株探トップ特集>
―新年度入りで漂い始めた相場ムード転換、信用倍率にスポットライト―
4日の東京株式市場は、前日の米株高や外国為替市場での円安・ドル高進行を好感して日経平均株価は高く始まったものの、その後一時利益確定売りに押されて前日比マイナス圏に沈む場面もあった。ただ、後場後半から買い直されて同プラス圏での推移で終値は小幅反発となり底堅さをみせた。そうしたなか、今回は新年度の戻り相場で、リード役としての期待が高まる信用倍率好取組・低PBR銘柄に注目した。
●キッセイ薬、新製造棟の稼働率向上や糖尿病治療薬の拡大に期待
キッセイ薬品工業 <4547> は、18年3月期通期の連結業績予想について、売上高750億円(前の期比4.6%増)、経常利益111億円(同15.2%増)と見込んでいる。19年3月期は、薬価改定によりバイオシミラー(後続品)の利益圧迫が想定されるものの、人工腎臓用透析剤が患者数漸増を受けて伸長するのに加え、新製造棟の稼働率向上などによる原価率低下が奏功する。さらに、前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬や、糖尿病治療薬などの売上高増加も期待できる。
●オンワード、不採算店舗の閉鎖を進め粗利益率改善目指す
オンワードホールディングス <8016> は、18年2月期の連結業績を、売上高2393億円(前の期比2.3%減)、経常利益71億円(同27.3%増)と見込んでいる。19年2月期の業績予想は、6日の決算発表で公表される見通しだ。今期は、好採算のネット通販の拡大が予想されるのをはじめ、不採算店舗の閉鎖を進めるほか、物流や仕入れの仕組みを効率化してコスト削減を強化することで粗利益率の改善を目指す。
●松田産、東京五輪に向け貴金属回収機運も追い風に
松田産業 <7456> は、18年3月期の連結業績を、売上高1930億円(前の期比18.4%増)、経常利益52億円(同50.3%増)と見込んでいる。19年2月期は、電子部品など貴金属リサイクルの取扱量の堅調な伸びが予想される。さらに、東京都が20年の東京オリンピック・パラリンピック開催に対応した「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」を推進していることによる貴金属回収 機運の盛り上がりも追い風となりそうだ。また、同社は、東南アジアや中華圏への海外展開を積極的に推進していく。
●テレ東HD、2月度売上高は4ヵ月連続で前年上回る
テレビ東京ホールディングス <9413> は、3月22日の取引終了後に発表した2月度の月次業績で、子会社テレビ東京の売上高が前年同月比11.6%増の97億3500万円となり、4ヵ月連続で前年同月実績を上回った。タイム収入が同21.8%増と大幅な伸びをみせたことが寄与した。19年3月期も、世帯視聴率の向上などが支えとなり、堅調な広告収入が予想される。
●紙パルプ商事、19年3月期は買収したオセアニア企業の収益が通期寄与へ
日本紙パルプ商事 <8032> は、18年3月期の連結業績を売上高5300億円(前の期比8.0%増)、経常利益90億円(同12.2%増)を見込んでいる。19年3月期は、利益率の高い電子部品向け機能材が好調に推移する見通しなのに加え、17年7月に買収したオセアニア企業の収益が通期寄与する。さらに、古紙などの資源価格は高原状態にあっても、板紙の価格修正が効いて製紙および加工事業の売上高増加が予想される。
◆主な好取組低PBR銘柄◆
経常
銘柄 <コード> 信用倍率 PBR PER 増益率 株価
カワチ薬品 <2664> 0.87 0.66 13.4 4.8 2636
紙パルプ商 <8032> 0.42 0.72 12.0 12.2 4420
住友倉 <9303> 0.31 0.69 15.6 9.5 735
キッセイ薬 <4547> 0.34 0.78 15.9 15.2 2925
エディオン <2730> 0.11 0.77 11.9 15.6 1255
オンワード <8016> 0.67 0.81 25.4 27.3 946
リョービ <5851> 0.18 0.81 11.1 6.6 2852
タカラスタン <7981> 0.09 0.84 13.7 12.0 1818
ケーヒン <7251> 0.36 0.89 10.9 17.2 2220
松田産業 <7456> 0.61 0.9 14.0 50.3 1898
コメリ <8218> 0.2 0.88 13.1 8.9 2866
豊田合成 <7282> 1.01 0.95 12.2 10.2 2454
ダスキン <4665> 0.6 1.0 26.1 11.2 2781
テレ東HD <9413> 0.31 1.02 14.7 10.4 2868
※株価は4日終値(単位:倍、%、円)
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