11日の米国市場ダイジェスト:NYダウは218ドル安、地政学リスクへの警戒感広がる

市況
2018年4月12日 7時43分

■NY株式:NYダウは218ドル安、地政学リスクへの警戒感広がる

11日の米国株式相場は下落。ダウ平均は218.55ドル安の24189.45、ナスダックは25.27ポイント安の7069.03で取引を終了した。トランプ大統領がシリアへの軍事攻撃を示唆したほか、同国を支援するロシアとの関係悪化に言及し、地政学リスクが嫌気され、上値の重い展開が続いた。FOMC議事録では、大半の当局者が経済見通しとインフレ目標達成に自信を強めており、段階的な利上げが適切との認識で一致している一方で、貿易戦争が経済への下振れリスクになると判断された。セクター別では、エネルギーや消費者・サービスが上昇する一方で電気通信サービスや銀行が下落した。

米長期金利の下落でゴールドマンサックス(GS)やJPモルガン(JPM)などの金融各社が下落。通信大手のスプリント(S)とTモバイル(TMUS)は、合併交渉の再開が報じられたものの、一部アナリストが司法省による承認獲得が困難であるとの見方を示し軟調推移。メディアの21世紀フォックス(FOX)は、欧州委員会が英国本社に立ち入り調査を行い、売られた。一方で、原油相場の上昇で、エネルギー会社のチェサピーク・エナジー(CHK)や原油精製のマラソン・ペトロリアム(MPC)などエネルギー銘柄が堅調推移となった。

ゴールドマンサックスは、動画ストリーミングのネットフリックス(NFLX)の1-3月期決算は、コンテンツの拡充やマーケティング投資が奏功し、市場予想を上回るとの見通しを示した。

Horiko Capital Management LLC

■NY為替:米利上げ継続方針の確認でドル売り一服

11日のニューヨーク外為市場でドル・円は、106円65銭から107円06銭まで上昇し106円82銭で引けた。トランプ米大統領がシリア空爆の可能性を示唆するなど地政学的リスクが上昇、リスク回避のドル売り・円買いの動きが優勢となった。その後、米国の3月消費者物価指数(CPI)の上昇や米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した連邦公開市場委員会(FOMC)議事録がタカ派色を強めたためドル売りはやや後退した。ユーロ・ドルは、1.2396ドルまで上昇後、1.2347ドルまで反落し、1.2368ドルで引けた。ユーロ・円は、132円40銭から132円03銭まで下落。地政学的リスクの上昇を警戒したリスク回避の円買いが優勢となった。ポンド・ドルは、1.4220ドルへ上昇後、1.4161ドルへ反落した。ドル・スイスは、0.9559フランから0.9597フランまで上昇した。

■NY原油:大幅続伸で66.82ドル、シリア攻撃に対する警戒感高まる

NY原油先物5月限は大幅続伸(NYMEX原油5月限終値:66.82↑1.31)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は前日比+1.31ドルの66.82ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めて一時67.45ドルまで買われた。米国などによるシリアへの武力行使(軍事介入)の可能性が高まっており、原油供給に何らかの影響が及ぶことが警戒されたことが要因。中東地域における地政学的リスク増大を受けて米ドルが主要通貨に対してやや下落したことも原油先物の上昇を促したようだ。

■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  29.90ドル -0.58ドル(-1.90%)

モルガン・スタンレー(MS) 52.74ドル -1.40ドル(-2.59%)

ゴールドマン・サックス(GS)252.94ドル -3.63ドル(-1.41%)

インテル(INTC)      51.10ドル -0.17ドル(-0.33%)

アップル(AAPL)      172.44ドル -0.81ドル(-0.47%)

アルファベット(GOOG)   1019.97ドル -11.67ドル(-1.13%)

フェイスブック(FB)    166.32ドル +1.28ドル(+0.78%)

キャタピラー(CAT)     146.79ドル -1.30ドル(-0.88%)

アルコア(AA)       53.97ドル -0.11ドル(-0.20%)

ウォルマート(WMT)     85.91ドル -0.54ドル(-0.62%)

スプリント(S)       6.00ドル -0.02ドル(-0.33%)

《FA》

提供:フィスコ

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