【杉村富生の短期相場観測】 ─ “春の嵐”はようやく収束に向かう!
「“春の嵐”はようやく収束に向かう!」
●株価は最悪シナリオを織り込む!
年初以来、株式市場を襲った猛烈な“春の嵐”はようやく収束に向かいつつある。1ドル=104円台突入の円高、米中貿易摩擦の激化、集中豪雨的な外国人売り、地政学上のリスク(朝鮮半島、シリア情勢)、政治の迷走などが株価波乱の要因だったが、とりあえず、ヤマ場は越えたと思う。
株価は米朝軍事衝突、安倍政権の崩壊といった最悪のシナリオを織り込んだ。現時点ではあり得ない話だが、外国人(特に、売り方)は平気でウソをつくし、妄想を語る。それを前提に売りまくった。なにしろ、昨年11月~今年3月に、現物を3.4兆円、先物を6.3兆円、計9.7兆円売り越している。
3月23日にはカラ売り比率が50.3%の異常値を記録した。さらに、大証のTOPIX型のプットオプションの建て玉は6万枚(約1兆円)に迫っている。3月26日に日経平均株価は2万0347円の安値をつけ、為替は1ドル=104円56銭の円高を示現している。恐らく、ヘッジファンドを中心に“安全パイ”的な感覚で売ったのだろう。
●テーマ性を有する元気な小物を!
しかし、先物の売り、カラ売り(貸し株を含む)は現渡しか、買い戻す必要がある。為替は5月にかけて107円後半~109円の水準があろう。これで政治が落ち着けば…。当然、最悪シナリオの逆目が出る。
一方、物色面では引き続いてテーマ性を有する元気な小物にマトを絞りたい。シグマクシス <6088> は三菱商事 <8058> が筆頭株主だ。発行株式数の33%を保有している。AI活用のデジタルサービスに注力、4月20日に東証マザースに上場予定のHEROZ <4382> [東証M]関連との見方ができる。
日本プリメックス <2795> [JQ]はミニプリンター卸の最大手である。この分野は電子レシート、無人レジ などに活用が可能だ。高収益(2018年3月期の1株利益は70円)であり、無借金経営を貫いている。
スマートバリュー <9417> [JQ]は4月3日の高値2288円奪回、一段高が見込める。IoT、ブロックチェーン技術を生かし、加賀市において電子行政プロジェクトの実験を行っている。これはエストニアのノウハウを導入したものだ。今後、全国の自治体に普及することになろう。
このほか、IPOのSOU <9270> [東証M]、電子レシート・無人レジ、スマホ決済のアルファクス・フード・システム <3814> [JQG]、ジャストプランニング <4287> [JQ]、Edtech関連のメディアシーク <4824> [東証M]、RPA関連のインフォコム <4348> [JQ]などが強い。元気な銘柄を攻めるのが株式投資の基本である。
2018年4月12日 記
株探ニュース