前場に注目すべき3つのポイント~米半導体株安嫌気も海外勢の需給変化が下支え

市況
2018年4月20日 9時14分

20日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:米半導体株安嫌気も海外勢の需給変化が下支え

■決算チェック:マルハニチロの19年3月期純利益は3%増の公算、サプライズないが堅調

■前場の注目材料:ファナック、鋼板・アルミ、高強度溶接、神戸鋼<5406>とロボシステム

■米半導体株安嫌気も海外勢の需給変化が下支え

20日の日本株市場は、米半導体株の下落影響から上値の重い相場展開になりそうだ。ただし、売り越し基調が続いていた海外勢の需給動向に変化が見られており、下値の堅さが意識されやすいだろう。4月2週の海外投資家による日本の現物株と先物合算の売買は、5729億円の買い越しだった。4月1週で13週ぶりに買い越しに転じたが、これで2週連続となる。インデックスに絡んだ商いが中心となるが、本格化する決算を控えていることもあり、ポジションを中立に戻す格好での買いが意識されやすいだろう。

米国では台湾セミコンダクターの慎重な見通しが嫌気され、エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイシズなど他の半導体関連企業に売りが波及している。そのため、指数インパクトの大きい値がさハイテク株等の上値を抑えることになり、これが日経平均の重しといったところ。原油相場の下落も資源株の上値を抑える可能性がある。ただし、非鉄市況の上昇から住友鉱山<5713>を物色する動きもみられており、資金循環は見られている。

その他、中小型株物色については、HEROZ<4382>がマザーズ市場に新規上場する。人気の高さから本日は値がつかないことは想定内であり、他のAI関連や直近IPO銘柄への短期的な物色に向かわせよう。その他、仮想通貨関連の一角に見直す動きがみられてきており、出遅れ感のあるリミックスポイント<3825>などへの値幅取りの動きも意識しておきたい。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)

■マルハニチロの19年3月期純利益は3%増の公算、サプライズないが堅調

マルハニチロ<1333>の19年3月期純利益は前期推定比3%増の160億円程度になる見通しと報じられている。3期連続で過去最高を更新するもよう。売上高は微増の9200億円程度、営業利益も微増の240億円強とみられている。オーストラリアで漁獲している高級魚「メロ」が中国・北米で人気となっており、販売が拡大する見通しのようだ。南太平洋から日本へ輸出するカツオの取扱量も増えるという。国内では共働き世帯の増加で短時間、簡単調理のニーズに応えた「炒飯の極み」など家庭用冷凍食品の伸びが見込まれている。こうした増収効果に加え、北米のサケ・マス事業では缶詰から冷凍の切り身へのシフトに世界的な需要の高まりも重なり、高値で推移したため、採算が改善しているという。アクリブランドの不採算製品見直しも寄与し、原材料費や物流費といったコスト上昇を吸収できる見通しとしている。なお、18年3月期は海外漁業の好調で売上高が前期比5%増の9200億円弱、純利益が微増の155億円程度とほぼ従来予想を確保できたもよう。今回の報道内容は市場予想並みで特段のサプライズがあるわけではないが、現在の株価水準は18年3月期の会社予想ベースでPER12.6倍程度にとどまっている。業績の堅調ぶりと海外需要の拡大が市場で再評価され、上値を試す余地もありそうだ。

■前場の注目材料

・米長短金利差が拡大

・日銀が大規模緩和継続

・好業績銘柄に買い

・日経平均は上昇(22191.18、+32.98)

・ファナック<6954>、鋼板・アルミ、高強度溶接、神戸鋼<5406>とロボシステム

・関西電<9503>、一括受電事業を取得、長谷工<1808>子会社から、250億円

☆前場のイベントスケジュール

<国内>

・10:10  国債買い入れオペ(残存期間5年超10年以下と10年超)(日本銀行)

<海外>

・特になし

《HT》

提供:フィスコ

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