来週の相場で注目すべき3つのポイント:決算発表シーズン、ドラギ総裁会見、南北首脳会談
■株式相場見通し
予想レンジ:上限23000-下限21500円
今週は決算発表シーズン入りとなるため、決算内容を見極めたいとする模様眺めムードは次第に高まりやすいだろう、そのため、こう着感の強い相場展開が続きそうである。日経平均は5日線が支持線として機能し売り込みにくさがある一方、価格帯別出来高では、ここから22300円-22500円処では商いが積み上がっている水準であり、戻り待ちの売り圧力も意識されてくる。こうした中、国内政局と企業の決算発表、そしてカレンダー事情が焦点となってくる。財務省の官僚トップ2人が辞任したなか、訪米から帰国した安倍総理の舵取りが注目される。麻生財務大臣の責任問題が大きくなると相場にとってマイナス材料となる。決算発表は、ハイテク系が先行してゴールデン・ウイーク(GW)明けに内需と金融株が本格化する。そのため、個別企業の業績相場に一喜一憂する物色展開が予想される。
なお、米国では23日グーグル、25日フェイスブック、ツイッター、26日アマゾン、マイクロソフト、インテルが決算を控え、こちらも相場の波乱要因となる可能性がある。そして、5月第1週は営業日数2日のGWに入るカレンダー事情から、週後半は手控えムードを強めることになりそうだ。5月1日から2日は米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されることも意識されてくる。この結果、市場エネルギーの減退から大型株が手掛けにくくなり、新興市場を含めた中小型株に物色の関心が向かいやすくなる。
主要経済指標スケジュールとしては、24日に米3月中古住宅販売件数、米4月消費者信頼感指数、26日に米新規失業保険申請件数、27日に米国第1四半期GDP(速報値)があり、経済・金融イベントとしては26日に日銀金融政策決定会合(27日まで)、ECB定例理事会(ドラギ総裁会見)、27日に黒田日銀総裁会見、日銀展望レポートの公表、清田日本取引所グループ最高経営責任者会見がある。政治・国際面では、27日に開催予定の韓国と北朝鮮による南北首脳会談(板門店)がビッグイベントとして控えている。
■為替市場見通し
来週のドル・円は上げ渋りか。米経済指標、株式相場、長期金利の動向などが手がかり材料になりそうだ。目先的にドル・円は108円台に上昇する可能性はあるものの、この水準でドル上昇が一服した場合、心理的に重要な節目である110円レベルの回復にはかなりの時間を要するとみられる。
足元の経済指標では、住宅関連指標で個人消費の強さが顕著となり、27日発表の米1-3月期国内総生産(GDP)速報値で拡大基調が維持された場合、ドル買いが強まりそうだ。一方、日米首脳会談でトランプ大統領は対日貿易赤字の是正に取り組む考えを示しており、日米両国は新たな貿易協議を開始することで合意した。米国は円安誘導策などを強くけん制するとみられていることから、日本銀行の金融政策が注目される。
日銀は現行の金融緩和策を長期間維持すると予想されているが、足元で原油価格は上昇を続けており、この影響で消費者物価コア指数は今年後半にかけて1%台前半まで上昇する可能性がある。インフレ率の緩やかな上昇予想を受けて、日銀は円安誘導的な金融緩和策を見直し、国債買い入れ額の段階的な減額などについて検討を開始するかどうか注目される。
■来週の注目スケジュール
4月23日(月):米中古住宅販売件数、米総合PMIなど
4月24日(火):企業向けサービス価格指数、日電産・決算発表など
4月25日(水):北朝鮮の朝鮮人民軍創設記念日など
4月26日(木):欧州中央銀行(ECB)が政策金利発表、ドラギ総裁が記者会見など
4月27日(金):有効求人倍率、黒田総裁が会見、南北首脳会談など
《SK》
提供:フィスコ