【植木靖男の相場展望】 ─ 底入れ確認、夏相場に備える

市況
2018年4月22日 9時15分

「底入れ確認、夏相場に備える」

●株価が暗示する“好材料”の存在

株価は底入れが確認された。それも日米首脳会談の最中に連騰して2万2000円台に乗せるという、ややサプライズな展開となった。

市場の最大関心事は日米首脳会談、それも通商を巡る日米摩擦である。だが、それに一条の光明さえまだ見られないなかでの連騰である。

仮に株価が間違って先走りしたのであれば、直ちに修正の動きを見せるのが相場の習性である。しかし、その後も高いということは、株価に間違いはなく、逆になにか好材料が潜在しているとみざるを得ない。追々明確になってくるのであろう。

ともあれ、3日連騰、直前の高値更新という底入れの条件は整った。おまけに週末にかけて円相場も懸案の2月につけた107.50円処も下回ってきた。

そして、週末にかけて下げの半値戻しの2万2370円、2月の戻り高値2万2389円というフシに差し掛かってきた。

当然ながら、ここで一休止するのが常識である。実際、米国株価は週末にかけて2日続落している。もっとも、この一休止はあくまでも一休止であって近々出直りをみせることになろう。

需給をみても、3週連続して海外勢は買い越しという。これほどの強い味方はいない。

●5月にかけて2万3000円台、“本命”明確に

では、戻りはどこまでとみればよいのか。急落後の反動高は、下落した幅の60~70%が通常である。

振り返れば、13年5月の急落では、その反動高は72%戻しであった。また、15年6月の急落のときは、これまた同じ72%である。

したがって今回も70%戻りとすれば2万3000円処となる。おそらく5月にかけて、この水準を達成すると期待してよいのではないか。

問題はその後の調整である。押しが小さければ、夏相場に向けて再騰に転じようし、押しが深ければ、2万円大台をも危うくなるリスクもあろう。

ちなみに13年のケースでは前者、15年のそれは後者であった。

ところで、今日、先行き本命となる物色銘柄はまだ定まっていない。初期の上昇段階での特徴でもある。

当面は、いくつかのテーマを打診的に買う程度であり、戦国時代の戦いでいえば、まだ足軽の先陣がお互い槍で叩き合うといった段階、また武将などの本陣は静観しているところだ。

いずれ、本命が明確になれば、いよいよ本陣が戦いに加わるであろう。

そこで、いま槍の叩き合いをみせているのが、仮想通貨絡みのマネックスグループ <8698> 、SBIホールディングス <8473> など。また世界景気の拡大局面にあり、原油高からインフレへの兆しもみえることから素材絡みの東邦チタニウム <5727> 、住友金属鉱山 <5713> など。さらに久しぶりといえる大型株にも人気が回るか。航空宇宙絡みのIHI <7013> 、三菱重工業 <7011> 、キヤノン電子 <7739> など、夏相場に備えたい。

2018年4月20日 記

株探ニュース

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