欧米為替見通し:ドル・円は上値の重い展開か、米通商政策への警戒根強い

通貨
2018年4月23日 17時25分

23日の欧米外為市場では、ドル・円は上値の重い展開を予想したい。北朝鮮の核実験中止などの発表を受け、リスク回避的な円買いは大きく後退する見通し。ただ、米国の保護主義的な通商政策への警戒感は根強く、ドル・円の上昇は限定的になるとみられる。

報道によると、北朝鮮は20日に開かれた中央委員会総会で、今後の核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射を取り止めるほか、核実験施設の廃棄まで決定した。来月にも予定される米朝首脳会談の日程など詳細は決まっておらず、実現に向け不透明感は払しょくされないものの、北朝鮮のこうした動きはリスク回避的な円買いを大きく後退させる手がかりとなった。週明けのアジア市場で、ドル・円はドル買い・円売り先行で始まり、今年2月以来、2カ月ぶりの108円台を目指す展開となった。また、米10年債利回りが2.97%台と2013年以来、5年ぶりの高水準に上昇し、ドル買いを誘発した。

今晩は、17時に発表されるユーロ圏の4月製造業・サービス業PMI速報値が注目材料。欧州中央銀行(ECB)の出口戦略についてはややハト派寄りの姿勢が目立つなか、PMIは低下が予想されており、ユーロ売り・ドル買いに振れやすい展開となるだろう。また、アジア市場同様、北朝鮮の動きを好感した円売りが見込まれ、ドル・円は108円台回復の可能性もある。ただ、前週末の20カ国財務相・中銀総裁会議(G20)での日米財務相会談でも、米国の対日貿易赤字是正を求める強い姿勢に変わりはなく、ドル先安・円先高観は根強い。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】

・17:00 ユーロ圏・4月製造業PMI速報値(予想:56.1、3月:56.6)

・17:00 ユーロ圏・4月サービス業PMI速報値(予想:54.6、3月:54.9)

・17:00 ユーロ圏・4月総合PMI速報値(予想:54.8、3月:55.2)

・21:30 米・3月シカゴ連銀全米活動指数(予想:0.27、2月:0.88)

・22:45 米・4月製造業PMI速報値(予想:55.2、3月:55.6)

・22:45 米・4月サービス業PMI速報値(予想:54.1、3月:54.0)

・22:45 米・4月総合PMI速報値(3月:54.2)

・23:00 米・3月中古住宅販売件数(予想:555万戸、2月:554万戸)

《FA》

提供:フィスコ

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