前場に注目すべき3つのポイント~中小型株の需給動向も注視する必要

市況
2018年4月25日 8時56分

25日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:中小型株の需給動向も注視する必要

■決算チェック:日本電産の19年3月期営業利益は13%増の見通し、市場予想を下回るも2桁増益維持

■前場の注目材料:日本電産、1175億円で買収、冷蔵庫用コンプレッサー事業、米家電大手から

■中小型株の需給動向も注視する必要

25日の日本株市場は、米株安の流れを受けて売り先行の展開となろう。米国債市場では10年債利回りが4年ぶりに3%を突破したことが警戒されたが、これについては前日の段階で市場は織り込んでいるだろう。一方で決算発表が本格化するなか、米キャタピラーは1-3月が利益のピークだとの経営陣の発言が嫌気された。アルファベットも弱い値動きとなったほか、アップルの「iPhoneX」の足元の需要に警戒が強まっており、これがハイテク株への売りにつながっている。シカゴ日経225先物清算値は大阪比205円安の22075円となり、これにサヤ寄せする格好になりそうだ。

また、昨日取引終了後に決算を発表した日本電産<6594>の動向が注目される。18年3月期決算は実質5期連続で最高益を更新。19年3月期については売上高が6%増の1兆5750億円、営業利益が13%増の1900億円を見込んでいる。ただし、市場コンセンサスは下回っている。また、想定為替レートを1ドル100円、1ユーロ125円としており、市場がどう解釈するかが注目されよう。株価は2月以降、調整が続いているが、これがアク抜けとなるか、若しくは改めて嫌気されるかが、センチメントに影響を及ぼすことになりそうだ。

その他、昨日上場3日目のHEROZ<4382>は、公募価格(公開価格)の4500円の10.9倍となる49000円で初値を付けた。終値は初値比14.3%安の42000円だった。ストップ安で一気にシコリを残す格好となってしまっており、中小型株の需給動向も注視する必要がありそうだ。なお、全体としては海外勢の需給に変化がみられており、断続的なインデックス売買が下支えとして意識される可能性があろう。日経平均の22000円処での押し目買い意欲も強そうである。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)

■日本電産の19年3月期営業利益は13%増の見通し、市場予想を下回るも2桁増益維持

精密小型モータ大手の日本電産<6594>の19年3月期営業利益は前期比13.3%増の1900億円と見込まれており、市場予想コンセンサスの2092億円弱を下回る見通しとなった。18年3月期営業利益も前期比20.3%増の1676億円で市場予想コンセンサスの1733億円(同24.4%増)を下回った。しかし、19年3月期は3期連続の2桁営業増益となる見通しで、同社は再び順調な利益成長の軌道に乗っていると言えそうだ。積極的なM&Aを通じて事業の重点をハードディスク分野から家電・自動車・ロボット部品へ転換しており、その成果が表れている。ちなみに、精密小型モータ関連の18年3月期売上高は前期比3.5%増の4524億円、営業利益は同7.0%増の727億円だったのに対し、車載・家電・商業・産業用関連は各々前期比42.3%増の8140億円、同39.0%増の794億円と収益拡大の牽引役に躍り出ている。直近でも冷蔵庫部品の米エンブラコ買収を発表しており、今後も2桁台の利益成長が続くと予想されているうえ、円高方向に設定された今期の想定為替レート(1ドル=100円、1ユーロ=125円)は保守的とみられる可能性が高いだろう。これらを踏まえ、コンセンサスを若干下回る決算となったものの、いったん利益確定売りが強まる動きは限られよう。

■前場の注目材料

・1ドル108円80-90銭

・信用買い残が2週連続減少

・日銀が大規模緩和継続

・好業績銘柄に買い

・日経平均は上昇(22278.12、+190.08)

・日本電産<6594>、1175億円で買収、冷蔵庫用コンプレッサー事業、米家電大手から

・ツルハHD<3391>、ビー・アンド・ディー買収、中部の基盤強化

☆前場のイベントスケジュール

<国内>

・10:10  国債買い入れオペ(残存期間5年超10年以下と10年超)(日本銀行)

<海外>

特になし

《HT》

提供:フィスコ

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