採れたて“好業績&割安”株リスト、連休明け東京市場で輝く銘柄は <株探トップ特集>
―発表たけなわ19年3月期経常増益銘柄から注目企業をリストアップ―
大型連休明け7日の東京株式市場は、前週末4日の米国株高を受けて小高く始まったものの、買い一巡後は外国為替市場でのドル安・円高進行がブレーキとなり、下げに転じた。ただ、後場に入ると下げ渋る動きが際立って、全般地合いの強さを示した。そこで、今回は本格化している19年3月期の業績予想で、大幅経常増益予想の割安銘柄に注目した。
●積水化成品、戦略商材の上市や拡販でスピードアップ図る
積水化成品工業 <4228> は、4月25日に19年3月期通期の連結業績予想を発表した。売上高1200億円(前期比7.0%増)、経常利益66億円(同28.1%増)、最終利益44億円(同27.6%増)をそれぞれ見込む。「ST-LAYER」(炭素繊維強化プラスチックス複合発泡成形体)や「エラスティル」(軽量性・高反発性・量産性を実現した熱可塑性エラストマービーズ発泡体)など戦略商材については、顧客の細かいニーズ対応を徹底し、上市や拡販でスピードアップを図る。グローバル事業についても、数値管理の徹底で、早期に収益貢献に結びつくよう事業展開施策を進めるとともに、国・地域に対応したマネジメント体制を構築する。また、原材料価格の変動に対応した適切な製品価格の改定を行うとともに、高利益体質の構築に向け、低採算事業の見直しを行い、生産性向上や物流費削減などグループ全体のコストダウンに引き続き取り組む。
●新光電工、需要拡大に向け高丘工場の生産ライン増強
新光電気工業 <6967> は4月27日、19年3月期通期の連結業績予想を発表した。売上高1546億円(前期比5.1%増)、経常利益76億円(同32.6%増)、最終利益51億円(同39.2%増)を見込む。半導体の高機能化・高速化に対応する次世代フリップチップタイプパッケージは、大容量のデータを高速で処理するサーバー用をはじめとして、今後、高性能半導体向けに需要拡大が見込まれることを踏まえ、高丘工場(長野県中野市)での生産ライン増強に向けた設備投資を実施する。また、半導体製造装置市場の拡大を背景に、旺盛な需要が継続するセラミック静電チャックについては、新井工場(新潟県妙高市)で稼働を開始した新工場の量産体制整備を実施するなど、生産能力拡充を図る。
●MARUWA、セラミック部品が半導体向けに堅調推移
MARUWA <5344> は4月27日、19年3月期通期の連結業績予想を発表した。売上高は403億円(前期比4.6%増)、経常利益は98億5000万円(同11.1%増)、最終利益は65億5000万円(同18.1%増)を見込んでいる。半導体向けなどを中心に、主力のセラミック部品が堅調に推移するとみている。なお、今期の設備投資については、車載関連、省エネ・環境関連、半導体関連、医療・工業関連などに、国内外の生産拠点で市場環境に適した投資を考えているという。
●セブン工、内装建材事業で省施工化商品を拡充
セブン工業 <7896> [東証2]は4月27日、19年3月期通期の単体業績予想を発表した。売上高146億円(前期比3.6%増)、経常利益4億5000万円(同20.8%増)、最終利益3億5000万円(同5.2%増)を見込む。内装建材事業では、省施工化商品の拡充に向け、設備増強を図るとともに木構造建材事業本部との連携体制のもと企画提案営業を推進し販売ルートの拡充に努める。木構造建材事業では、非住宅分野への本格参入に向け導入した大型汎用加工機の稼働率を高めることに加え、建装事業の営業展開を拡充し非住宅特殊物件の受注拡大を図る。
●日本ガス、都市ガス小売市場の自由化で需要拡充へ
日本ガス <8174> は4月26日、19年3月期通期の連結業績予想を発表した。売上高1300億円(前期比13.3%増)、経常利益138億円(同24.4%増)、最終利益は92億円(同18.0%増)を見込む。都市ガス小売市場も自由化に伴う需要獲得を目的とした積極的な広告宣伝の実施などが奏功して、今期も都市ガス小売市場での顧客基盤の拡充などによるガス販売高の伸張と、ガス機器の普及・拡大による売上高の増加が見込まれる。利益面については、LPガス事業と自由化市場での都市ガス事業の両部門での収支改善による増益を目指す。
●加地テック、水素ステーションの建設実施件数が増加
加地テック <6391> [東証2]は4月27日、19年3月期通期の単体業績予想を発表した。売上高62億円(前期比42.0%増)、経常利益4億8000万円(同2.1倍)、最終利益3億3000万円(同2.1倍)を見込んでいる。今期は、水素ステーションの建設実施件数が増加見込みであり、製品の機能向上に向けた取り組みも完了していることから受注・販売の増加を見込む。また、高効率・省エネ・省メンテナンスを追及したPET成型用圧縮機の新製品を17年6月に発表し、高い評価を得ているため、今後も受注・販売が増加する見込み。加えて、石油精製・石油化学向け案件についても増加が見込まれる。
●ハリマ化成、拠点網を活かした新製品の展開加速
ハリマ化成グループ <4410> は1日、19年3月期通期の連結業績予想を発表した。売上高800億円(前期比9.1%増)、経常利益45億円(同12.3%増)、最終利益29億5000万円(同8.2%増)を見込んでいる。19年3月期は、中期経営計画の「NEW HARIMA 2018」の最終年度として、グローバルに展開する拠点網を活かした新製品の展開加速や、事業規模の拡大と新技術の獲得を目指したM&A、品質面および価格面での競争力向上などに取り組む。
◆主な19年3月期経常利益大幅増益予想の割安銘柄◆
銘柄 <コード> 増益率 株価 PER
コア <2359> 10.4 1559 21.3
積水化成品 <4228> 28.1 1416 14.6
理研ビタミン <4526> 12.4 4140 15.1
ID <4709> 17.7 1432 20.2
MARUWA <5344> 11.1 9900 18.7
三菱製鋼 <5632> 58.6 2556 13.1
ファインシン <5994> [東証2] 35.0 2302 8.4
東洋機械 <6210> 12.7 773 9.3
加地テック <6391> [東証2] 2.1倍 2899 14.5
ダイベア <6478> [東証2] 19.7 938 9.1
ホーチキ <6745> 18.3 2198 13.8
京写 <6837> [JQ] 20.3 480 13.8
双信電機 <6938> 37.8 653 22.6
新光電工 <6967> 32.6 935 24.8
セブン工業 <7896> [東証2] 21.0 1760 7.5
コマニー <7945> [東証2] 23.6 1589 10.6
日ガス <8174> 24.4 5480 25.4
コメリ <8218> 10.0 2990 12.9
アイネス <9742> 26.7 1165 21.7
杉本商事 <9932> 11.8 2050 10.7
※株価は7日終値(単位:%、円、倍)
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