来週の株式相場見通し=フシ目突破で上昇機運、決算一巡で後半は手掛かり難に
来週(14~18日)の東京株式市場は、日経平均株価がきょうの上昇で、当面のフシ目とされてきた2万2500円水準でのこう着状態を上放れたことから、投資家の間に“新たな上昇局面への期待感”が広がり、上昇機運が盛り上がりをみせそうだ。
ただ一方で、来週前半で18年3月期決算と19年3月期業績見通しの発表が一巡することから、週後半には手掛かり材料難から様子見気分が強まり、上値の重さが意識される場面もありそうだ。また、海外要因では、米国のイラン核合意離脱に伴う中東情勢悪化懸念や、米中間の通商摩擦もくすぶり続けることになる。日経平均株価の想定レンジは、2万2400~2万3200円とする。
市場関係者からは「9日、10日とトヨタ自動車<7203>が全体相場に明るさをもたらし、きょうはパナソニック<6752>が19年3月期の好業績予想を手掛かりに相場を牽引した。日替わりでリード役が誕生するのは、地合いが好転している証拠。輸出関連の主力銘柄は19年3月期の業績見通しの発表をほぼ終えたが、その多くは想定為替レートを1ドル=105円としており、足もとの1ドル=109円台との比較による“業績面での余裕”も投資家心理の改善を支えているようだ」との見方が出ていた。
日程面では、4月の国内企業物価指数(14日)、3月の第3次産業活動指数(15日)、1~3月期の国内総生産=GDP(16日)、3月の機械受注(17日)、4月の消費者物価指数(18日)に注目。海外では、中国4月の鉱工業生産・小売売上高・都市部固定資産投資、独1~3月期のGDP、米4月の小売売上高(15日)、米4月の鉱工業生産・設備稼働率、米4月の住宅着工件数(16日)、米4月のCB景気先行総合指数(17日)が焦点なる。(冨田康夫)
出所:みんなの株式(minkabu PRESS)