【杉村富生の短期相場観測】 ─ “日替わりメニュー”の世界を乗り切るには…
「“日替わりメニュー”の世界を乗り切るには…」
●小型株は5月下旬~6月初旬に底入れ?
物色面では気迷い感の強い相場展開が続いている。猫の目のような“日替わりメニュー”ではいかに、機敏なネットトレーダー(短期・順張り)といえど、コンスタントに利食うのは難しい。それに、3月以降、マーケットは小型株よりも主軸株を選好した。昨年来、主役を演じてきた「テーマ性を有する元気な小物」の旗色が悪かったのは確かである。
この背景には物色傾向のリズム(2~3ヵ月周期)に加え、NY市場、NASDAQ市場においてFANGと称するハイ・グロースセクターの不祥事、株価急落があったと思う。さらに、今年1月にはグローバル中・小型株ファンドの資金流入が1日当たり68億円だったが、4月には19億円まで減少している。
しかし、ここにきてアップル、エヌビディアが新高値に進み、ハイ・グロースに対する再評価の機運が盛り上がりつつある。それに、トランプ大統領のイラン核合意離脱表明は原油価格の波乱要因に留まらず、中東の地政学上のリスクを高めるだろう。
こんな局面では再び、「テーマ性を有する元気な小物」の出番となろう。周期的には5月下旬~6月初旬に底入れ→反発のタイミングと考えている。したがって、この局面は売られすぎ銘柄の突っ込み買いのチャンスと判断する。
●あえて、投げ売り商状の銘柄を狙う!
何を狙うか。まず、投げ売り商状のHEROZ <4382> [東証M]、RPAホールディングス <6572> [東証M]の突っ込み買いを。HEROZは4月24日に4万9650円、RPAホールディングスは4月5日に1万9990円の高値がある。ともに、先の高値は高すぎたのだが、時価はほぼ筆者が「この水準なら買える」と指摘していた値段に近づいている。
すでに、ヴィスコ・テクノロジーズ <6698> [JQ]は底打ち→反騰態勢を固めつつある。ディジタルメディアプロフェッショナル <3652> [東証M]もよく売られた。1月9日の高値は1万7470円だ。RPA、AI、エッジコンピューティング、自動運転などのテーマは第4次産業革命(キーワードはCAMBRIC)の流れに沿う。
元気な小物ではテーマ性を重視し、万引き防止システム付き無人レジを手掛ける高千穂交易 <2676> 、好業績の有沢製作所 <5208> 、日韓関係改善のメリットを受けるHANATOUR JAPAN <6561> [東証M]、思惑材料が山積みの青山財産ネットワークス <8929> [東証2]などに注目できる。
2018年5月10日 記
株探ニュース