米国株式市場見通し:FOMC議事録に注目

市況
2018年5月19日 14時55分

今週は政治・地政学リスクに注意が必要だ。21日にポンペオ米国務長官がイラン政策を発表し、23日から25日の間には北朝鮮が核実験場を廃棄する予定だ。2度の直接交渉を行った米中貿易交渉は決着がつかず、先行き不透明感が広がっている。在イスラエル米大使館のエルサレム移転を巡る地政学リスクも完全には払拭されておらず、株式市場は神経質な展開が続くだろう。20-21日開催の主要20カ国・地域(G20)外相会合や23日公表のFOMC議事録にも注目が集まりそうだ。議事録では6月利上げの可能性についてFOMCメンバーがどのような議論を行ったのかに注目したい。G20では米国の鉄鋼・アルミニウム輸入制限措置に関する議論が焦点となりそうだ。

個別企業では、小売のコールズ(22日)、ディスカウントストアのTJX(22日)やターゲット(23日)、ホームセンターのロウズ(23日)、小売大手のシアーズ・ホールディングス(24日)、ゲーム小売のゲームストップ(24日)、アパレルのギャップ(24日)など、複数の小売決算発表が予定されている。ゲームストップは、著名投資家のジュリアン・ロバートソンが創業したタイガー・マネジメントが経営戦略の見直しを要求したことが明らかとなり、決算発表で何らかの発表があるか注目したい。ギャップは不採算店の閉鎖や品揃えの見直しにより業績が回復軌道に乗りつつあるとの期待から株価が上昇しており、更なる業績改善に期待したい。

百貨店のメーシーズは、決算発表後に11%上昇した一方で、JCペニーは、決算発表で既存店売上高が予想を下回り、通期見通しを下方修正したことで12%下落したほか、ノードストロームやホームセンターのホーム・デポ、小売最大手のウォルマートも決算内容が予想に届かず、発表後に下落した。4月に寒冷な気候が続いたことで客足が遠のいたことが、小売各社に軟調決算が相次いだ要因であり、今週の小売決算も軟調な内容が予想される。

経済指標では、4月新築住宅販売件数(23日)、3月FHFA住宅価格指数(24日)、4月中古住宅販売件数(24日)、4月耐久財受注(25日)などの発表が予定されている。4月の住宅着工・建設許可件数が減少し、住宅市場の停滞が続いている。住宅ローン金利が大きく上昇していることもあり、新築住宅販売件数は落ち込みが予想される。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.