キリン堂HD Research Memo(1):顧客一人ひとりに向き合った施策で既存店売上高の着実な拡大を図る

特集
2018年5月22日 15時00分

■要約

キリン堂ホールディングス<3194>は関西地盤のドラッグストアチェーン大手。関西ドミナント出店戦略のもと、359店舗(2018年2月末現在)を展開する。「地域コミュニティの中核となるドラッグストアチェーン」を社会的インフラとして確立し、日常生活の利便性と未病をベースに顧客の感動と満足を創造し、地域社会に貢献することを目指している。

1. 2018年2月期は既存店売上高の前期比増収と新店寄与で大幅増収増益で着地

同社の2018年2月期は、売上高126,666百万円(前期比8.8%増)、営業利益1,937百万円(同49.2%増)と大幅増収増益で着地した。売上高は既存店売上高の増収と新店の寄与とがあいまって10年ぶりの高い伸びとなった。利益面でも、既存店増収の効果に加え、のれん代償却の終了や海外事業の整理再編による損益改善により大幅増益となり、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高を更新した。プロダクトミクス悪化などにより小売事業の利益の伸びが低かったものの、次期以降の継続的な収益拡大に期待が持てる好決算だったと言える。

2. 第2次中期経営計画は順調に進捗。既存店売上高の安定・継続的な増収を目指す

同社は“営業利益率の改善と実現力の向上”を重点課題のテーマとして第2次中期経営計画に取り組んでいる。持続的な成長のためには一定以上の収益性を確保することは不可欠であり、営業利益率を進捗の評価軸に据えて様々な施策に取り組んでいる。第2次中期経営計画2年目の2019年2月期は、前期までの進捗を踏まえて、既存店の活性化やヘルス&ビューティーの強化など5項目に取り組む計画だ。店舗の改装の加速や新型ポイントカードの導入、高採算のPB商品の強化などの施策を通じて、既存店売上高の安定・継続的な増収を目指す方針だ。出店戦略では同社のアイデンティティとも言える関西ドミナント戦略を堅持しながら、調剤薬局の強化や都市型フォーマットの確立などにも取り組んでいく。

3. 2019年2月期も増収増益が継続する見通し。小売事業での増益確保がポイント

2019年2月期について同社は、売上高131,500百万円(前期比3.8%増)、営業利益2,580百万円(同33.2%増)と前期に引き続き増収・大幅増益を予想している。売上高については店舗の純増数を5店舗に抑えた計画としているため、増収率は前期を下回っているが、この点については上振れの可能性があると弊社では考えている。利益については、前期に低下した粗利益率の改善が期待されるほか、販管費の増加ペースも前期同様抑制される見通しであるため、特に小売事業での増収・増益がけん引する形で、営業利益は過去最高益を更新すると期待される。

■Key Points

・第2次中期経営計画では収益性の改善をテーマに、顧客一人ひとりと向き合う地道な各種施策に取り組む

・既存店売上高の安定・継続的な増収を実現できる体制づくりが着実に進展

・2019年2月期は、小売事業の増収を着実な増益につなげ、営業利益の過去最高益更新を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《TN》

提供:フィスコ

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