利益成長【青天井】銘柄リスト〔総集編〕第1弾 34社選出 ＜成長株特集＞

本特集では、4月下旬から5月中旬までの決算集中期間に随時配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。今回は総集編 第1弾として、時価総額1000億円以上の東証1部上場銘柄を対象に、18年1-3月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ通期計画も最高益を見込む、利益成長“青天井”銘柄をリストアップしてみた。

下表では、本決算月にかかわらず、直近3ヵ月実績の1-3月期に経常利益が全四半期ベースで過去最高益を5％以上、上回って更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している34社を選び出し、1-3月期経常利益の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。

上振れ率トップとなった東海カーボン <5301> の18年1-3月期(第1四半期)経常利益は127億円と実に39四半期ぶりに過去最高益を更新した。世界的な市況上昇で黒鉛電極の価格が急上昇したうえ、昨年11月に買収した北米新拠点の業績上積みなども収益を押し上げた。5月28日には韓国東海カーボンの連結子会社化に伴う特別利益の発生を踏まえ、18年12月期の最終利益予想を大幅に上乗せした。これを受けて株価は上値追い態勢を強め、31日には3日連続で上場来高値を更新し、2288円まで上昇した。また、5位の昭和電工 <4004> も黒鉛電極の市況上昇を追い風に収益が急拡大しており、29日には28年ぶりに中間配当を実施すると発表している。

2位の市光工業 <7244> は新製品やLEDランプ、カメラモニターシステムなど高付加価値製品の販売が大きく伸びた。また、アセアン子会社の業績回復に加え、持分法適用会社で一過性の利益を計上したことも大幅増益に貢献した。続く3位のＳＣＲＥＥＮホールディングス <7735> は旺盛なメモリー需要を追い風に、ウエハー洗浄装置などが好調だった。選出リストには同社を筆頭に半導体関連の活躍が目立つ。半導体製造装置大手の東京エレクトロン <8035> 、アルバック <6728> のほか、半導体工場向け特殊ガスを主力とするジャパンマテリアル <6055> 、製造装置向けサーボシステムの販売が急増した山洋電気 <6516> 、光半導体素子大手の浜松ホトニクス <6965> がリストアップされている。

8位に入ったタカラバイオ <4974> は買収効果や受託サービスの好調で、1-3月期(第4四半期)は8四半期ぶりに過去最高益を更新した。19年3月期は大塚製薬と結んだ遺伝子治療薬の共同開発・独占販売契約にかかる一時金の発生などで、経常利益は9期連続の過去最高益を計画する。9位の資生堂 <4911> は高価格帯ブランド「プレステージ」とスキンケアなどのコスメティクス事業が収益を牽引した。インバウンド需要の拡大で国内事業が2ケタ成長を継続したほか、中国をはじめ海外でプレステージブランドが大きく伸びた。資生堂は高価格帯ブランドの成長を背景に業績が急拡大しており、株価はこの1年間で約2.2倍に跳ね上がっている。

10位のプレステージ・インターナショナル <4290> はレッカー手配などの自動車ロードサービスを柱にBPO事業を展開する。1-3月期(第4四半期)は新規顧客の獲得が進んだロードアシスト事業の収益拡大に加え、住まいや駐車場のトラブルに対応するプロパティアシスト事業の業績が改善したことも大幅増益の要因となった。続く11位の能美防災 <6744> は都心を中心に防災需要が高まるなか、大型物件などが寄与し、火災報知器や消火設備の販売が伸び、1-3月期(第4四半期)経常利益は過去最高益を26.2％も上回る65.3億円に膨らんだ。

┌─ 四半期 経常利益 ─┐　┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想

コード 銘柄名　 　　 上振れ率 1-3月期 過去最高　上振れ率 今期予想 過去最高　 PER

<5301> 東海カ　　　　　　97.9　 12761　　 6449　　 　216　　66000　　20908　 7.0

<7244> 市光工　　　　　　91.9　　4266　　 2223　　　83.5　　 9600　　 5233　18.8

<7735> スクリン　　　　　63.0　 18301　　11231　　　23.4　　51000　　41329　11.4

<7717> Ｖテク　　　　　　54.2　　5374　　 3485　　　31.0　　16200　　12370　12.1

<4004> 昭電工　　　　　　51.9　 32777　　21581　　　 106　 131500　　63962　 8.3

<8035> 東エレク　　　　　47.7　100311　　67917　　　30.4　 366000　 280737　12.4

<6268> ナブテスコ　　　　35.3　 12338　　 9117　　　 2.8　　35900　　34907　17.0

<4974> タカラバイオ　　　30.9　　2099　　 1604　　　34.7　　 5200　　 3861　98.6

<4911> 資生堂　　　　　　30.5　 47221　　36173　　　12.0　　90000　　80327　62.8

<4290> ＰＩ　　　　　　　26.5　　1516　　 1198　　　 5.6　　 4900　　 4638　31.8

<6744> 能美防災　　　　　26.2　　6535　　 5179　　　 1.7　　13300　　13073　17.2

<2327> ＮＳＳＯＬ　　　　24.6　　8669　　 6955　　　 3.9　　24000　　23106　17.9

<6055> Ｊマテリアル　　　21.1　　1799　　 1485　　　 7.7　　 6400　　 5941　42.1

<1959> 九電工　　　　　　19.9　 16522　　13775　　　 9.8　　41000　　37342　13.6

<8096> 兼松エレク　　　　18.2　　4166　　 3526　　　 3.8　　10000　　 9636　15.7

<7220> 武蔵精密　　　　　15.3　　5450　　 4726　　　 1.7　　16200　　15929　11.9

<9682> ＤＴＳ　　　　　　15.0　　2743　　 2385　　　 2.1　　 8750　　 8574　17.4

<2371> カカクコム　　　　14.5　　6652　　 5812　　　 9.9　　25080　　22820　28.6

<5802> 住友電　　　　　　14.3　 70409　　61605　　　 5.1　 205000　 195010　10.4

<7994> オカムラ　　　　　14.1　　6932　　 6073　　　 3.6　　14500　　14000　18.1

<3053> ペッパー　　　　　13.2　　 712　　　629　　　73.9　　 4037　　 2322　41.5

<6464> ツバキナカ　　　　12.2　　2523　　 2248　　　64.9　　10600　　 6427　14.1

<6197> ソラスト　　　　　12.1　　1161　　 1036　　　12.6　　 4687　　 4164　39.1

<7701> 島津　　　　　　　12.1　 16211　　14461　　　 5.1　　44000　　41871　27.5

<6516> 山洋電　　　　　　11.1　　2393　　 2153　　　30.0　　11100　　 8540　13.8

<8876> リログループ　　　10.9　　5792　　 5223　　　18.0　　20000　　16943　33.5

<6728> アルバック　　　　 9.1　 11446　　10488　　　21.1　　36000　　29716　 7.8

<8174> 日ガス　　　　　　 9.1　　6796　　 6232　　　13.3　　13800　　12176　27.0

<1942> 関電工　　　　　　 7.9　 11195　　10380　　　 0.5　　31300　　31144　12.0

<4732> ＵＳＳ　　　　　　 7.7　 10240　　 9509　　　 3.1　　37800　　36676　21.0

<9719> ＳＣＳＫ　　　　　 7.4　 13256　　12346　　　 3.3　　37500　　36291　21.1

<8020> 兼松　　　　　　　 7.0　　7735　　 7232　　　11.4　　29000　　26043　 8.8

<6965> ホトニクス　　　　 6.1　　8876　　 8364　　　 9.1　　26900　　24658　37.3

<4088> エアウォータ　　　 5.1　 13284　　12643　　　11.9　　50000　　44691　14.7

※ 2017年1月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。

株探ニュース