話題株ピックアップ【夕刊】(2):レンゴー、トムソン、三菱UFJ
■レンゴー <3941> 1,022円 +38 円 (+3.9%) 本日終値
段ボール国内トップのレンゴー<3941>が続伸。ただ、PERは12倍と依然として割安水準にある。同社が5月11日に発表した19年3月期の連結業績予想は、売上高6500億円(前期比7.3%増)、経常利益320億円(同38.1%増)、最終利益は210億円(同26.3%増)と大幅増益を見込み、9期ぶりに過去最高益を更新する見通しだ。今期は、食品・飲料や通販向け段ボールの数量増が見込めるうえに、段ボール価格の値上げ浸透効果が期待できる。
■日本トムソン <6480> 876円 +30 円 (+3.6%) 本日終値
日本トムソン<6480>が反発。米国株市場では好業績見通しを背景に半導体関連企業の株価が大きく持ち直している。そのなか、半導体製造装置向けなどに直動案内機器を納入している同社株も見直し買いが入り始めた。旺盛な需要に対応して生産能力の強化にも努め、「今期の設備投資額は前期比倍増となる見通し」(国内証券アナリスト)と攻めの経営を打ち出している。製品価格の値戻しにも取り組み19年3月期営業利益55億円(前期比2.1倍)予想は一段の上振れ余地が指摘されている。
■日本製粉 <2001> 1,881円 +62 円 (+3.4%) 本日終値
日本製粉<2001>が続伸し、年初来高値を更新。同社はきょう、グループのファスマックと農業・食品産業技術総合研究機構、リコー<7752>が共同で、遺伝子検査装置および試薬の精度管理で使うことができるDNA分子の絶対数が1個単位で制御された新しいDNA標準物質を、バイオプリンティング技術を活用して実現したことを明らかにした。標準物質とは、成分の含有量が明確にされた測定の基準となる物質のことで、DNA分子の数が個数単位で制御された標準物質はこれまで製造できなかった。このほど開発したDNA標準物質の製造法により、遺伝子組み換え食品やがん・感染症の検査など、特定のDNAを検出する遺伝子検査用の標準物質の製造が可能になり、検査をより確実なものにすることができる。
■近鉄エクスプレス <9375> 2,337円 +69 円 (+3.0%) 本日終値
近鉄エクスプレス<9375>が続伸。東海東京調査センターが1日付で投資判断「アウトパフォーム」を継続し、目標株価を2630円から2730円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同センターでは、同社の18年3月期決算は前年比34.2%営業増益と好調だったが、増益要因の1つに、日本・北米における輸入通関件数の増加が挙げられると指摘。輸入業務は業務上の限界利益率が高く、収入の増加が利益の増加へ直結しやすいことから、19年3月期業績は営業利益は前期比18.5%増の208億円(会社予想192億円)になると見込んでいる。
■三菱UFJ <8306> 682.5円 +16.3 円 (+2.5%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が続伸。同社をはじめメガバンクはイタリアの政局混乱を背景とした欧州の財政不安で欧州国債価格の下落の影響などが売り材料となっていたが、足もとは警戒感がやや後退しており、海外ファンド筋などによる空売りの買い戻しが入った。また、米5月の雇用統計は市場予想を大きく上回る好内容で、目先利上げ圧力が高まるとの思惑も浮上。米10年債利回りは2.9%台まで上昇しており、これも米国事業を展開する同社株などには追い風要因と捉えられている。
■東京エレクトロン <8035> 20,865円 +480 円 (+2.4%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>、SUMCO<3436>など半導体関連株が上昇。ここ調整局面にあったが、きょうは押し目買い優勢の展開となった。前週末の米国株市場では半導体関連を中心にハイテク株が高く、ナスダック指数は最高値更新に急接近した。アドバンスト・マイクロ・デバイスが目標株価引き上げを受け上昇したほか、インテルやザイリンクス、エヌビディアなども軒並み高く、半導体関連銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も2.3%強の上昇をみせた。これを受けて東京市場でも、相対的に出遅れ感顕著な半導体関連株に見直し買いが流入した。
■村田製作所 <6981> 16,720円 +345 円 (+2.1%) 本日終値
村田製作所<6981>、TDK<6762>、日東電工<6988>、京セラ<6971>など値がさの電子部品株が軒並み上昇。米国株市場でのハイテク株高や足もとの為替の円安傾向などが追い風となっているが、加えて米アップル株がここ最高値圏で強調展開にあり、有力サプライヤーとして見直し買いを誘った。iPhoneの販売低調も足もとは株価に織り込みが進んだ。また、アップルの世界開発者会議(WWDC)がきょうから8日までの日程で開催されることも株価の刺激材料となった。
■FRONTEO <2158> 1,127円 +23 円 (+2.1%) 本日終値
FRONTEO<2158>、テクノスジャパン<3666>など人工知能(AI)関連株の一角に物色の矛先が向かった。全体相場はリバウンドに転じているが、主力株の買い戻し一巡後は海外情勢に振り回されにくい内需系の中小型株への資金流入が想定される。そのなか、AI関連は根強い人気がある。AIを軸とした技術革新について議論する「世界デジタルサミット2018」が4日東京で開幕(主催は日本経済新聞と総務省)しており、これも関連銘柄の株価を刺激する材料として注目されている。
■ADEKA <4401> 1,973円 +40 円 (+2.1%) 本日終値
ADEKA<4401>が反発。世界的に旺盛な半導体需要は、米半導体関連企業の好調な業績にも反映されており、好収益環境は同社の光硬化樹脂など半導体製造材料が収益を後押ししている。また、自動車の軽量化ニーズに伴いプラスチック材料の強化・不燃化に使う添加剤なども引き合い活発。19年3月期も増収増益基調が続く見込みにあり、株主還元に前向きで毎期増配を繰り返している点も評価材料。
■鹿島 <1812> 912円 +14 円 (+1.6%) 本日終値
鹿島<1812>が続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は1日、同社株のレーティングを「ニュートラル」から「オーバーウエート」へ引き上げた。目標株価は1070円を継続した。株価下落により目標株価との乖離率が拡大したため、レーティングを引き上げた。決算発表後に下落基調を強めたのは、自社株取得などの株主還元期待がはく落したためとみられるが、同証券では株価が堅調に推移する大成建設<1801>との類似性として「大手ゼネコン4社のなかで利益水準および収益力でトップを争っている」「海外大型工事および国内不動産事業での損失処理に取り組んできた」「中央リニア新幹線など大規模土木分野での技術力が相対的に高い」点を指摘。株主還元率の引き上げや通期ガイダンスの増額修正などが株価上昇のカタリストになると予想している。
株探ニュース