300円高は“反転上昇”開始の合図? 「値動き良好」株で上げ潮に乗る <株探トップ特集>

特集
2018年6月4日 19時30分

―外部環境好転で日経平均大幅高、割安・中低位・好業績銘柄ピックアップ―

週明け4日の東京株式市場は、前週末発表の米5月の雇用統計改善を好感した米株高や、外国為替市場での円安・ドル高進行を好感、買い優勢の展開となり日経平均株価終値は前週末比で300円を超える上昇となった。そこで、今後の上昇相場で値動きの良さが期待できそうな、株価が中低位で好業績予想な割安銘柄に注目した。

●朝日ネット、独立系のネット接続サービスの販売強化

独立系ネット接続サービス大手の朝日ネット <3834> が5月8日に発表した19年3月期の単独業績予想は、売上高100億円(前期比7.1%増)、経常利益12億円(同41.0%増)、純利益8億4000万円(同45.4%増)と大幅増益を見込んでいる。前期に続きAsahiNet光を利用する法人顧客向け営業施策や、NTT東西と連携したマンション全戸加入プランなどの販売を強化することに加え、ネイティブ方式のネットワーク上でIPv4固定IPアドレスを利用できる新サービスによる販売増を見込む。

●TAC、人材不足背景に法人向け研修事業が堅調

「資格の学校」として知られるTAC <4319> が5月15日に発表した19年3月期連結業績予想は、売上高212億円(前期比1.2%増)、経常利益8億8000万円(同19.6%増)、純利益5億5000万円(同24.2%増)と4期連続で増収増益を見込んでいる。企業での人材不足や良好な企業景気を背景に、足もとで法人研修事業が堅調に推移していることに加えて、人手不足を背景に人材事業も伸長するもよう。なお、年間配当は前期比3円増の8円を予定している。

●冶金工、ステンレス特殊鋼の需要増加を見込む

日本冶金工業 <5480> は5月8日、19年3月期通期の連結業績予想を発表した。売上高は1420億円(前期比19.2%増)、経常利益は68億円(同2倍)、最終利益は55億円(同20.2%増)を見込んでいる。ステンレス特殊鋼業界は、ニッケル・クロムなど原材料や副資材・エネルギーの価格上昇などコスト増要因が懸念されるものの、国内外での緩やかな経済成長を背景とした需要増が続くと想定される。今期は国内外でステンレス特殊鋼の需要が増加するうえ、前期に発生した熱延工場火災事故の影響がなくなることなども寄与し、大幅な増収増益を計画している。併せて、今期の年間配当は前期比2円増の6円に増配する方針だ。

●NTN、自動車電動化に対応した商品展開を積極化

NTN <6472> が5月15日、19年3月期の連結業績予想を発表した。売上高は7500億円(前期比0.8%増)、経常利益は370億円(同18.4%増)、最終利益は210億円(同3.1%増)を見込んでいる。また、同17日には、21年3月期を最終年度とする新たな中期経営計画を発表し、最終年度に売上高8000億円、営業利益570億円を目指すとしている。基盤技術・商品の強化として駆動領域のトップメーカーを目指すほか、自動車電動化に対応した商品展開として、世界初のインホイールモータ搭載EV(電気自動車)の量産化に向けて中国EVメーカーと技術ライセンス契約を締結するなどして、新たな領域への展開にも注力する。

●星和電機、LED照明器具新製品の拡販に努力

星和電機 <6748> は5月11日、19年3月期の連結業績予想を発表した。売上高は238億円(前期比0.9%増)、経常利益は9億円(同19.2%増)、最終利益は6億8000万円(同15.1%増)を見込んでいる。照明機器事業では、民間設備投資関連は、堅調な設備投資を追い風にLED照明器具の新製品の拡販に努める。公共投資関連は、トンネル照明器具の新製品を中心に提案営業活動により受注の確保に努力する。コンポーネント事業では、新製品の投入や新規市場の開拓により電磁波環境部品の売上増加を狙う。利益面については、コスト削減と生産性向上による収益性の改善に努めていく。

●スクロール、商品企画に注力して通販事業の収益基盤の確立目指す

カタログ通販大手でネット販売も積極展開しているスクロール <8005> が5月8日に発表した19年3月期の連結業績予想で、売上高700億円(前期比12.5%増)、経常利益25億円(同71.5%増)、最終利益17億円(前期10億3500万円の赤字)と大幅な経常増益を見込んでいる。引き続き商材ミックス型の媒体の拡充を行うほか、購入しやすい価格帯のファッション商材の開発など商品企画に注力して通販事業の安定的な収益基盤の確立を目指す方針。また、グループ各事業で事業環境にあわせた販促投資とコスト管理の徹底を推進することで、大幅増益を見込んでいる。

●ヤマダ電機、4K・8K・有機ELテレビなど映像機器拡販に期待

ヤマダ電機 <9831> が5月10日に発表した19年3月期の連結業績予想を発表した。売上高は1兆7120億円(前期比8.8%増)、経常利益は801億円(同69.2%増)、最終利益は448億円(同50.4%増)を見込んでいる。今期は4K・8K放送の開始や有機ELテレビの市場拡大を背景に映像機器の販売が伸びるほか、冷蔵庫や洗濯機など白物家電の買い替え需要を見込む。また、前期に新業態「家電住まいる館」への改装に伴う在庫入れ替えなどの費用を計上した反動も増益要因となりそうだ。さらに、今期の年間配当は、前期比4円増の17円に増配する方針だ。

◆主な低位・好業績予想・割安銘柄◆

経常

銘柄 <コード>        増益率 株価  PER

日本ハウス <1873>      33.6   595   7.6

フィード・ワン <2060>    24.3   253  10.6

いちご <2337>        14.7   518  17.1

朝日ネット <3834>      41.0   535  18.8

リケンテクノス <4220>    12.8   557  12.3

TAC <4319>        19.7   320  10.8

新日本理化 <4406>      27.0   254  14.8

日本冶金工業 <5480>      2.0倍  339   9.5

東京機械 <6335>       73.4   485  14.1

NTN <6472>        18.4   466  11.8

前沢工業 <6489>        3.5倍  481  11.3

星和電機 <6748>       19.2   602  11.6

コジマ <7513>        24.5   515  18.2

VTホールディングス <7593> 14.3   534  13.1

オーバル <7727>       48.4   343  17.9

永大産業 <7822>       18.4   552  12.5

スクロール <8005>      71.5   575  11.5

アクリーティブ <8423>     6.8   314  13.5

飯野海運 <9119>        8.0   503   8.1

日本トランスシティ <9310>  28.2   524  14.0

ヤマダ電機 <9831>      69.2   563  10.1

※株価は4日終値、単位:%、円、倍

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