米国株式市場見通し:FOMCが開催予定
週明けは、G7首脳会議においてトランプ政権の輸入関税策を巡り、各国が対抗措置に踏み切る懸念が強まることが予想され、12日に開催される米朝首脳会議を控えて、様子見の展開となりそうだ。また、12-13日に開催されるFOMC(連邦公開市場委員会)にも注目が集まっている。6月の利上げ実施はほぼ確実だが、発表後のパウエルFRB議長の会見では年内の利上げペースに関する見解が焦点になるだろう。
金融各社が5月に示した原油価格の予想値が8か月連続で上方修正されている。米国によるイラン核合意の離脱及び、同国への経済制裁の再開や、ベネズエラの政局不安による生産遅延などが主因だが、原油価格の高騰を受けて、6月22日に開催予定のOPEC総会では、サウジアラビアやロシアなどの主要産油国が続けてきた減産合意が解消される可能性もある。足元の原油価格は年初来で10%上昇しており、エネルギー関連株や航空関連株などに止まらず、インフレ期待の上昇要因であり米国の利上げ動向に大きな影響を与える可能性があり、今後の動向には注意が必要だ。
経済指標関連では、5月消費者物価指数(12日)、5月生産者物価指数(13日)、5月小売売上高(14日)、5月輸入物価指数(14日)、6月NY連銀製造業景気指数(15日)などの発表が控えている。4月輸入物価指数は予想を上振れたが、同指数は今後の利上げペースを占う重要な指標となるインフレ率に影響を与えるため、注目したい。
12日から14日にかけてロサンゼルスでゲーム見本市 (E3) が開催される。ゲーム企業であるアクティビジョン・ブリザードは、一部アナリストが昨年から人気ジャンルとなったバトルロイヤル型ゲームに興味を抱いていると目標株価を引き上げており、発表内容に注目が集まりそうだ。ソニーの発表では、昨年発売した仮想現実(VR)ヘッドセット(PlayStation VR)の新型ハードウェアや新作ソフトの発表が予想されるが、自然言語処理や画像処理といった人工知能(AI)関連技術が強化されていれば、半導体のエヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズには追い風となりそうだ。
(Horiko Capital Management LLC)
《FA》
提供:フィスコ