19日の米国市場ダイジェスト:NYダウは287ドル安、米中貿易摩擦で報復措置の応酬続く

市況
2018年6月20日 7時57分

■NY株式:NYダウは287ドル安、米中貿易摩擦で報復措置の応酬続く

米国株式相場は下落。ダウ平均は287.26ドル安の24700.21、ナスダックは21.44ポイント安の7725.59で取引を終了した。トランプ政権が2000億ドル相当の中国からの輸入品に対して、新たに10%の関税を賦課する計画を明らかにし、貿易戦争への警戒感から売りが先行。中国政府が報復措置をとれば、さらに2000億ドル分の中国製品に追加課税を課す方針も示され、投資家心理の悪化から終日軟調推移となった。セクター別では、電気通信サービスや公益事業が上昇する一方で資本財や自動車・自動車部品が下落した。

写真共有アプリを手掛けるスナップチャット(SNAP)は、一部アナリストによる目標株価引き下げを受け下落。電気自動車のテスラ・モーターズ(TSLA)は、従業員1名による機密情報漏洩や工場内での火災発生が明らかとなり軟調推移。中国による報復措置の影響が大きい航空機メーカーのボーイング(BA)や建設機械のキャタピラー(CAT)が売られた。携帯端末のアップル(AAPL)は、中国で製造されたiPhoneに関税は課さないと先月トランプ大統領がクックCEOに約束したと報じられたものの、サンダース報道官が認識していないと発言し下落。一方で、食材宅配サービスのブルーエプロン(APRN)は、新たなサプライチェーン最高責任者を任命し上昇した。

格安航空会社のジェットブルー(JBLU)の創業者であるデービッド・ニールマン氏が、2020年の就航を目指して新たな格安航空会社設立に向けた資金調達を計画していると報じられた。

■NY為替:米中貿易戦争激化への警戒感残る

19日のニューヨーク外為市場でドル・円は、109円71銭まで下落後、110円10銭まで戻し、110円09銭で引けた。トランプ米大統領が、中国が米国製品に対する報復措置を進めた場合、中国製品2000億ドル相当に、追加関税を実施する可能性も示唆したため、米中貿易戦争が一段と深刻化するとの懸念が高まり、リスク回避の円買いが優勢となった。ユーロ・ドルは、1.1533ドルから1.1594ドルまで上昇し、1.1589ドルで引けた。ドラギECB総裁が、利上げ開始時期の決定で辛抱強い姿勢を維持する方針を繰り返したため、ユーロの上値は抑制された。ユーロ・円は、126円71銭から127円62銭まで上昇。ポンド・ドルは、1.3152ドルから1.3187ドルの安値圏でのもみ合いとなった。英EU離脱法案で議会の権限を制限するメイ政権案を上院が否決、EU離脱への不透明感が引き続きポンドの売り材料となった。ドル・スイスは、0.9972フランから0.9936フランまで下落した。

■NY原油:反落で64.90ドル、米中貿易戦争で原油需要減少との見方も

NY原油先物8月限は反落(NYMEX原油8月限終値:64.90 ↓0.79)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は前日比-0.79ドルの64.90ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めて64.23ドルまで売られた。石油輸出国機構(OPEC)総会で日量30万-60万バレル程度の増産について議論されるとみられていることや、米中貿易戦争激化によって世界経済は停滞し、原油需要の減少につながるとの思惑が浮上しており、原油先物の売り材料となったようだ。

■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 29.26ドル -0.14ドル(-0.48%)

モルガン・スタンレー(MS) 49.92ドル -0.85ドル(-1.67%)

ゴールドマン・サックス(GS)228.32ドル -3.07ドル(-1.33%)

インテル(INTC) 52.93ドル -0.29ドル(-0.54%)

アップル(AAPL) 185.69ドル -3.05ドル(-1.62%)

アルファベット(GOOG) 1168.06ドル -5.40ドル(-0.46%)

フェイスブック(FB) 197.49ドル -0.82ドル(-0.41%)

キャタピラー(CAT) 143.30ドル -5.38ドル(-3.62%)

アルコア(AA) 44.47ドル -1.31ドル(-2.86%)

ウォルマート(WMT) 83.61ドル +0.61ドル(+0.73%)

スプリント(S) 5.53ドル -0.02ドル(-0.36%)

《HT》

提供:フィスコ

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