来週の株式相場見通し=買い材料乏しく弱含みもちあい、米中貿易摩擦を巡る駆け引き注視
来週(2~6日)の東京株式市場は、米中経済摩擦を巡り、両国による実際の制裁関税発動に向けた駆け引きの活発化が予想されるなか、発表される日米の主要経済指標の内容を織り込みながらの神経質な推移となりそうだ。積極的に買い進む手掛かり材料が想定しづらいことから、弱含みもちあいとなり、来週の日経平均株価の想定レンジは、2万1900~2万2600円とする。
市場関係者からは「トランプ米大統領が知的財産権侵害を巡って、第一弾として打ち出した総額500億ドルの中国製品に対する輸入関税の発動予定日が7月6日に迫っており、これに向け、米中間での駆け引が活発化することが予想される。果たして、報復合戦が激化するのか、あるいは何らかの妥協点を見出すのかに関心が集まっており、その行方次第で株価も大きな影響を受けそうだ」との見方が出ていた。
週初の2日には、日銀短観6月調査が発表され、米国では2日に6月のISM製造業景気指数、5日に6月のISM非製造業景気指数と6月のADP雇用統計、6日には6月の雇用統計と主要経済指標の発表が相次ぐ。これら経済指標の内容が、市場予想を下回った場合、投資家心理が後退する可能性もある。
日程面では、日銀短観6月調査、6月の新車販売台数、2018年分の路線価(2日)、6月のマネタリーベース(3日)、5月の景気動向指数、5月の家計調査、5月の毎月勤労統計調査、日銀「生活意識に関するアンケート調査」の結果、GPIFの17年度運用実績(6日)に注目。
海外では、米6月のISM製造業景況指数、ユーロ圏5月の失業率(2日)、米5月の製造業受注、独立記念日の前日で米株式市場は短縮取引(3日)、米株式市場は独立記念日で休場(4日)、米6月のADP雇用統計、米6月のISM非製造業景況指数、6月12・13日開催のFOMC議事録(5日)、米6月の雇用統計、米5月の貿易収支(6日)が焦点となる。(冨田康夫)
出所:みんなの株式(minkabu PRESS)