今週の【早わかり株式市況】 2週続落、トランプ政権の保護主義への警戒感が重荷
今週の株式市場は、トランプ政権の保護主義への警戒感が重荷となり、日経平均株価は2週続落した。
週初の25日は朝方に米トランプ政権が中国への輸出や中国による対米投資の制限を新たに検討していると伝わったうえ、為替が円高方向に振れたこともあって、終始売り優勢の展開となり、日経平均は続落した。東証1部の売買代金も低調で2週間ぶりに2兆円を下回った。
翌26日はトランプ政権の保護主義への警戒感が強く売りが先行したものの、円高一服で後場は買い戻しが入り日経平均は3日ぶりに小反発した。27日は米国と中国をはじめ主要諸国との貿易摩擦問題への懸念から再びリスク回避の売りが優勢となり反落した。28日は米株安で朝方に日経平均の下げ幅は一時230円を超える場面があったものの、為替市場でドル高・円安が進んだことで切り返し小幅続落にとどまった。
週末の29日は貿易摩擦問題への懸念と週末要因から前場は軟調な展開だったものの、後場寄りに大口の買いが入りプラス圏に浮上。為替市場で円安が進んだことやアジア株の堅調も追い風に日経平均は3日ぶりに反発した。
日経平均株価は、前週比212円(0.94%)安の2万2304円と2週続落して取引を終えた。トランプ政権に翻弄され軟調な展開となる中、75日移動平均線が下支えとなった格好だ。週間の値幅は518円と、前週の639円から縮小した。
来週もトランプ政権の保護主義への警戒感が重荷になるとみられ、今週下支えした75日移動平均線を巡る攻防となりそうだ。75日移動平均線を下回ってくれば中期的に下値を探る展開となる可能性がある。
重要イベントとしては、国内では7月2日朝に発表される日銀短観や6日発表の5月景気動向指数が注目される。海外では6日に発動予定の米国による第1弾の対中制裁関税が最も注目されるイベントだ。そのほか同日発表される米国6月雇用統計や米国5月貿易収支にも注視が必要だろう。
◆マーケット・トレンド(6月25日~29日)
【↓】 6月25日(月)―― 続落、米中貿易摩擦や円高を警戒し売り優勢
日経平均 22338.15( -178.68) 売買高11億9625万株 売買代金 1兆9932億円
【↑】 6月26日(火)―― 3日ぶり小反発、朝安も後場買い戻されプラス圏に
日経平均 22342.00( +3.85) 売買高13億5443万株 売買代金 2兆3416億円
【↓】 6月27日(水)―― 反落、米貿易摩擦問題や原油急騰でリスク回避の売り
日経平均 22271.77( -70.23) 売買高13億6713万株 売買代金 2兆2300億円
【↓】 6月28日(木)―― 小幅続落、朝安もドルが買い戻され切り返す
日経平均 22270.39( -1.38) 売買高14億0040万株 売買代金 2兆3501億円
【↑】 6月29日(金)―― 3日ぶり反発、後場寄りに大口の買い注文でプラス圏浮上
日経平均 22304.51( +34.12) 売買高12億8824万株 売買代金 2兆2986億円
◆セクター・トレンド(6月25日~29日)
(1)原油高でJAL <9201> など空運、ヤマトHD <9064> など陸運株が売られた一方
出光興産 <5019> など石油、国際石開帝石 <1605> など鉱業株は買われた
(2)ファストリ <9983> など小売り、三井不 <8801> など不動産、NTT <9432> など通信といった内需株は総じて安い
(3)クボタ <6326> など機械、トヨタ <7203> など自動車といった輸出株もさえない
(4)東京海上 <8766> など保険、三井住友FG <8316> など銀行といった金融株は低調
(5)関西電 <9503> 、東ガス <9531> など電力・ガス株は堅調
(6)王子HD <3861> などパルプ・紙は大幅反発
株探ニュース