大石哲之:セカンドレイヤー、クロスチェーン分野の動向【フィスコ・仮想通貨コラム】

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2018年7月2日 16時56分

以下は、フィスコ客員アナリストの大石哲之(「ビットコイン研究所)」代表、ツイッター@bigstonebtc)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2018年7月2日に執筆

足元ベルリンで、セカンドレイヤーに特化した大規模なカンファレンスが開催されている。セカンドレイヤーとは、ビットコインやイーサリアムなどのメインのブロックチェーン(ファーストレイヤー)をインフラとみなし、その上に新たに載せるレイヤーのことを指し、利便性を高めることが期待されるものだ。「Off the chain」と題された同カンファレンスでは80名ほどの参加者が集まり、セカンドレイヤー、オフチェーン技術について新たな発表がなされている。

オフチェーン技術とは、取引の情報を本来のようにブロックチェーン上には記録せずに別の場所に記録することで、現状では上限のあるブロックチェーン取引の処理能力を向上させようとする技術だ。このカンファレンスにおいては、ビットコインとイーサリアムの垣根を取り払い、両コインのセカンドレイヤー技術についての発表が同時に行われているのが特徴である。

オフチェーン処理の一手法である「ステートチャネル」の普及に励むThe Force-Move Games、仮想ペイメントハブPERUN、仲裁アウトソーシングのPisa、ドージコインとイーサリアムをペッグするDogethereumなど、私もまったく聞いたことのない新しいテクノロジーのアイデアが発表されており、この分野の活発な活動が伺える。

オフチェーン技術の中で有力視されているライトニングネットワーク関連では、ブロックストリーム社が開発するc-lightiningがv0.6をリリースした。これは初のベータリリースである。これによって、ライトニングネットワークの実装である3つのクライアント、つまり、lnd, eclair, c-lightningがいずれもベータ版になったということであり、開発の進捗を図る際のひとつのメルクマールを達成したといえよう。

またクロスチェーンソリューションのCOSMOSが開発の最終段階を迎えている。クロスチェーンとは、ビットコインやイーサリアムなど異なるブロックチェーン間をまたぐ技術のこと。COSMOSのロードマップはすでに最後のいくつかの機能の実装に絞られ、近日中にメインネットのローンチを予定している。本格的なクロスチェーンソリューションとして最初にローンチが行われそうである。

日進月歩のセカンドレイヤー分野、クロスチェーン分野であるが、引き続き注目していきたい。

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執筆者名:大石哲之

ブログ名:ビットコイン研究所

《SI》

提供:フィスコ

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