話題株ピックアップ【夕刊】(1):出光興産、ヤフー、コジマ
■出光興産 <5019> 4,290円 +480 円 (+12.6%) 本日終値 東証1部 上昇率トップ
出光興産<5019>が大幅続伸。午前11時ごろ、昭和シェル石油<5002>と来年4月1日付で経営統合することを決定したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。出光興産が昭和シェルの全株式を株式交換による取得する予定で、10月をメドに株式交換比率で合意する予定。これに伴い昭和シェル株式は所定の手続きを経て上場廃止となる。また同時に、出光興産は上限を1200万株(発行済み株数の5.77%)、または550億円とする自社株買いを発表した。取得期間は7月17日から12月28日まで。
■ヤフー <4689> 401円 +41 円 (+11.4%) 本日終値 東証1部 上昇率2位
10日朝、ヤフー <4689> が発行済み株式数の10.73%にあたる6億1111万株(金額で約2200億円)を上限に自社株TOB(株式公開買い付け)を実施すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。公開買い付け期間は7月11日から8月9日まで。買い付け価格は360円で、ソフトバンクグループ <9984> 傘下のソフトバンクが米アルタバ(旧米ヤフー)からTOBで取得した同社株を買い付ける。
■コジマ <7513> 574円 +51 円 (+9.8%) 本日終値 東証1部 上昇率4位
コジマ <7513> が急伸。9日大引け後に発表した18年8月期第3四半期累計(17年9月-18年5月)の経常利益(非連結)が前年同期比77.5%増の26.7億円に拡大して着地したことが買い材料視された。4K対応テレビを含む映像商品やスマートフォン、エアコンなどの販売が好調だったことが寄与。通期計画の40億円に対する進捗率は5年平均の38.7%を上回る66.8%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。
■スパークス・グループ <8739> 256円 +16 円 (+6.7%) 本日終値
スパークス・グループ<8739>は3連騰。9日の取引終了後、同社が運営する「未来創生ファンド」が、採用ブランディング分析サービス「VISITS OB」を提供するVISITS Technologies(東京都港区)への投資を実行したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。VISITS Technologiesは14年に設立した企業で、経済産業省によるユニコーン創出プログラム「J-Startup」に選出されている。同社が提供する「VISTIS OB」は、人工知能(AI)によって抽出された人の特徴量の組み合わせパターンから「ビジョンに共感し合える人のつながり」を科学的に創出するサービス。サービス開始以来、2年間で掲載企業数2000社、会員数7万5000人、マッチング数は100万を超えたとしている。なお、投資金額は非開示。VISITS Technologiesは今回の調達資金により技術面への投資を行い、世界最先端の技術創出を目指すとしている。
■日本トムソン <6480> 880円 +53 円 (+6.4%) 本日終値 東証1部 上昇率10位
日本トムソン<6480>が3連騰。東海東京調査センターが6日付で投資判断を「アウトパフォーム」、目標株価1310円で新規にカバレッジを開始したことが引き続き好材料視されたようだ。同センターでは19年3月期の営業利益について、会社予想の55億円を大きく上回る65億円(前期比2.5倍)と予想。主要製品(軸受けなど)の受注が18年3月期に急増(前期比56%増)したことに加えて、売価の引き上げによる収益性の改善が期待されることが要因としている。
■ローツェ <6323> 1,995円 +118 円 (+6.3%) 本日終値
ローツェ<6323>が大幅高で3日続伸。ここ半導体関連株への見直しが進んでいる。米国株市場ではインテルやエヌビディアなどが7月に入りリバウンドを鮮明としており、フィラデルフィア半導体株指数も戻り足を強めている。半導体メモリーはスマートフォン向け需要が減速傾向にあるとはいえ、中国のメモリー投資は政府主導の「中国製造2025」を背景に引き続き拡大基調を強めている。また世界的に、半導体デバイスは車載向けが高水準の伸びを示しているほか、ビッグデータ対応のデータセンター増設に伴う需要も旺盛で関連銘柄に吹く追い風は強い。そのなか、ウエハーガラス基板搬送装置のトップメーカーである同社はこの好環境を享受しており、19年2月期営業利益は前期比19.4%増の50億5700万円を見込む。
■オークマ <6103> 5,950円 +190 円 (+3.3%) 本日終値
オークマ<6103>が3日続伸と戻り鮮明、前週4日に5510円と年初来安値に売り込まれたが、米中貿易摩擦懸念を背景とした思惑先行の下げだったこともあり、目先ドル円相場の円安進行を味方につけ買い戻し急だ。工作機械大手メーカーで高技術力を武器にマシニングセンターで高水準の受注を確保している。国内では半導体製造装置や産業ロボット、減速機向けが好調、また海外では自動車や航空機向けで旺盛な需要をとらえている。部材調達が需給逼迫による影響で遅延するという逆風はあったが、台湾メーカーからの調達を開始したことや、国内メーカーの生産能力増強効果が反映されて足もとは解消に向かっている。19年3月期は最新鋭工場ドリームサイトでの生産性向上が寄与するほか、製品値上げ効果も見込まれ、営業利益段階で前期比18%増の265億円予想と好調が続く見通し。
■キーエンス <6861> 60,990円 +1,760 円 (+3.0%) 本日終値
キーエンス<6861>が一時2000円超の上昇で6万円台を大きく回復したほか、安川電機<6506>、ファナック<6954>などFA関連株に物色の矛先が向いた。前週まで米中貿易摩擦問題を背景に下値を探る動きにあったが、前週末を境に一気に買い戻される流れとなっている。中国の景気減速懸念も思惑先行で、実際は海外ファンドの売りなど株式需給面の悪さが株価を押し下げていた。目先は先物を絡め現物株にも買い戻しが鮮明で、足もと外国為替市場で円安に振れていることも追い風材料となっている。
■ソフトバンクグループ <9984> 8,758円 +180 円 (+2.1%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>が高い。9日の取引終了後、子会社ソフトバンクが同日付で東京証券取引所へ新規上場予備申請を行ったと発表。今年最大規模のIPOになるとみられていることから、これを好材料視した買いが入った。より自律的な経営視点と成長戦略を持ち、強固な事業会社となるための事業体制が整ってきたと判断したという。子会社ソフトバンクの上場で、調達資金を活用したさらなる事業拡大への期待から買いが入ったようだ。
■デンソー <6902> 5,378円 +99 円 (+1.9%) 本日終値
デンソー<6902>は3日続伸。この日、次世代農業用ハウスの普及拡大を目指して大仙(愛知県豊橋市)、トヨタネ(愛知県豊橋市)と3社による合弁会社設立に向けて協議を進めることで基本合意したと発表しており、これを好感した買いが入った。新会社は12月に設立予定で、3社が新たに開発したセミクローズド型農業用ハウス「プロファーム T-キューブ」を活用し、農作物の栽培を一貫してサポートする体制を構築する。
株探ニュース